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【バスクへの旅その3】サン・セバスティアン(San Sebastian)の食以外についてつらつら

バスクへ行こうと決めて、いったいバスクがどんな地で、どうやっていけばいいのか調べるのにはちょっと一苦労した。行きたいと本気で思ったのは、2008年の雑誌「旅」のバスク特集、決め手は去年NHKが直木賞作家が食べるヨーロッパの田舎旅特集の「角田光代のバスク」だった。ネット上にも情報はあるけれど、まだまだ情報が少ないので記憶があるうちに書き留めておきたいと思う。今回はサン・セバスティアンの食以外について。

ちょうど私が訪れた7月の第二週はスペイン三大祭のひとつパンプローナの牛追い祭りが開かれていた。パンプローナは南に50キロほどの街なので、このサン・セバスティアンにも牛追い祭りの衣装を着た若者で溢れかえっていた(写真で見えるかな)。衣装は白の上下、首には赤いバンダナ、腰には赤いスカーフのような物。イッテQで見た記憶が強かったけれど、こんなに街が盛り上がっているとは思わなかった。パンプローナにはAMARA PLAZAの高速バスから行けるみたい。私たちはAMARA PLAZAのホテルだったから、ビルバオからのバスも、ビアリッツ行のバスでも便利だった。AMARA PLAZAからは旧市街へ向かうバスが頻繁に走っていて、確か28番、26番は行けた。28番はなぜか帰りは7番だったけれど、たくさんの人が乗るからすぐわかる。

街には二つの高台で囲むようにコンチャ湾があって、スペイン屈指のリゾート地。アチラコチラにトップレスのキレイなお姉さんが目に付く。うつぶせレベルじゃない、そのまま歩いているからびっくり。この写真はUrumea川を超えた向こう側の湾で、サーファー達がいっぱい。

西の高台はケーブルカーで行ける。旧市街地前の大通り16番のバスから行ける。不安だったらバスの運転手に「フニクラに行く?」って聞けばOK。バスは一律1.4ユーロ。ケーブルカーは片道か往復か選べて、往復は2.6ユーロ。

眺めは素晴らしい。夕焼けの時間に行きたいが、私たちが訪れた7月の日の入りは21:45。ケーブルカーは確かその時間までやっていないので帰りは歩きで降りる必要あり。でも大したことない距離だと思うよ。

このあとフランス側のバスクに行ってよくわかるんだけれど、スペイン側のバスクの街は道がとっても広い。いつも車の運転に慣れていない人でもあんまり苦労しないかも。その分、フランス側のビアリッツやサン・ジャン・ド・リュズは狭くて路駐だらけでしかも一通が多く、道は曲がりくねっているので、地図を読むのが得意ではない人は苦労するかも。その点、サン・セバスティアンはわかりやすい地形だし、人が集まるのはバルのある旧市街だから買い物だって食事だってわかりやすい。

お菓子屋はどこで買っても絶品、カフェも併設されていて遅くまでやっている。ガトーバスクはもちろん、クラシックなタルトの種類は多く、チョコレートの種類も半端ない。ひとくちサイズのものから大きなものまで、フルーツやナッツの使い方も見事。ホテルの高い朝ごはんを食べずにこういうお菓子を買ってすましていたけれど、安くてうまくておすすめです。

旧市街のマクドナルドの隣では規模はそんなに大きくないけれど朝市が出る。魚や肉は地下らしい。お花からはちみつ、野菜、加工品まで豊富。この豆とトマトと唐辛子のセットは何の料理のためにあったのだろう。

塩だらを使った料理は多く、旧市街には塩だら専門店があり、一本買いから部位別まで干して塩をしたタラだけでさまざまな種類がある。有名なピルピルは機会がなくて食べることができなかったけれど、次回は絶対食べると決めた。塩だらは持ち帰ろうとしたが、女店主にあっさり止められた。残念。日本で手に入る場所はないかなぁ。

こっちのバルは夜だけの営業ではなく、昼間もやっている。行きたかったBorda Berriはタイミング悪く行けずじまいだった。。。残念、次回の課題にしようと思う。

以上、サン・セバスティアン3日間の滞在でわかったことでした。これから行く人のための参考になればいいなぁ。

【バスクへの旅その2】サン・セバスティアン「GOIS ARGI」の立ち飲みバル 10点

バスク初の街は、スペイン側最大の街San Sebastian(サン・セバスティアン)。海沿いのリゾート地で小さな旧市街地に100件以上ものバルが軒を連ねていたり星付きのレストランが密集していたりと美食の街として有名。日本からやっとついたのが夜の9時半ごろだったのだけれど、さっそく市内バスで旧市街地に向かいバルへ。市内バスは一律1.4ユーロでたくさん走っているのでとっても便利。24時間周遊券が12ユーロであるみたいだけど、その都度払ったほうがお得みたい。

バルについては数年前の雑誌「旅」やツイッターで出会った人に教えてもらい、たくさんある店の中から滞在中3軒4回まわることができた。この「GOIS ARGI(ゴイスアルギ)」はあまりにも安くておいしかったので2回行った店です。一回のバルはふたりで1杯ずつ飲んで、ひとり2品ずつくらい食べて10ユーロちょっと。高くても15ユーロ程度。胃袋の小さい日本人は量を調整できるので合うみたい。

ここではみんな白ワインはチャコリと呼ばれる大衆ワインを飲む。発泡を抜くためにこんな風にして高いところから注ぐのがかっこいい。このチャコリ、地元で90%は消費して外にはでまわらないそう。この店ではたったの2ユーロ。町の酒屋で2瓶ついつい買ってしまったけれど、7ユーロ程度ととっても安かった。シードルもこの地発祥のお酒。


店の外まで人が溢れかえっていて、おしわけおしわけ入っていって、無理やりカウンターを陣取った。注文の仕方も流儀もわからないまま、指差しと隣のスペイン人のアドバイスで注文する。英語はあんまり通じないんだけれど、第二外国語がスペイン語でよかった。数字とかちょっとしたあいさつとか思い出したよ。オラ!とアディオス!とグラシアス!覚えてた・・・。その程度でも笑顔さえあればどうにでもなった。フランス側のばすく含めて全体に言えることだけれど、どこの街も治安が良くてきれい、人々はやさしくてフレンドリーで愛想が良い。

この店の名物、海老の串焼き1本2ユーロ。この店のピンチョスは注文が入ってから作ったり温めたりするから、どれも温かい。この海老、すごくうまい。柔らかくて、上にのっているにんにくと玉ねぎベースのソースがうますぎる。やみつきになる味なんだけど再現できそうにない。ソースは下のパンに染みこんでこれまたうまい。二回目に昼間に行ったとき、女将に若干余裕があって話ができたときに「これはこの店のスペシャルよ!」と教えてくれた。この店に来た人はみんなこれを注文している。

赤ピーマンのバカラオ(塩だら)詰め1.8ユーロ。この地では塩だらメニューが豊富。ソースは赤ピーマンと生クリーム。とても立ちのみとは思えない作り込み。こういうソースがうまい料理が出てくると、さっとパンが出てくる。最後の一滴だって残したくないうまさ。

生ハムの入ったクロケッタ。揚げたてで中からクリームがとろっと出てくる。生ハムのクリームコロッケって考えたことなかった。今度やってみよう。

左は地元で採れる毛蟹チャングローの肉と味噌を和えた物1.8ユーロ。毛蟹を使った値段とは思えない。肉はたっぷり、味噌の濃厚さがたまらない。注文されてから表面をこんがりさせるから香ばしい。他のバルでもこのチャングローを食べさせる店があった。

右はボルチーニ茸かなぁ、何かのキノコと生ハムの炒めた物。パンの上に載せるとうまい。

種類が多くて食べられなかったけれど、いわしを使ったピンチョスは豊富だったよ。

バルのお会計は結構いい加減。注文したときにその分を払ってもいいし、あとでまとめて払ってもいい。ただし申告制で現金のみ。料理はピンチョスと言われる串に刺さったりパンにのったものが多いから、手がとっても汚れる。紙ナプキンで手を拭いたらそのまま床へ。串だって床にぽいっ。このゴミの量が通りからバルをのぞいた時の流行り具合の目安になるってわけ。そのままカウンターの上においていたら、お店のおいちゃんにドヤ顔で下に落とされた。流儀を教える方法も嫌味一つないところがいい。

またバルではひとつの店でお腹いっぱい食べちゃいけない。1杯のんで数品頼んで、ささっと会計をし、また別の店へ行ってお気に入りの料理を注文する、そういうハシゴが常識。自分流のバル巡りを見つけられればいっぱしのサン・セバスティアンっこになれるわけで、あこがれちゃうなぁ。

この店は近所にあったら毎日行ってもいいな。昼からやっていて、昼はコーヒー飲んでいる冷ベビーカー引いてくる人もいる。

バルはもう2軒行ったので紹介出来ればいいな。

【バスクへの旅その1】日本からバスクに乗り込んだよ!

今年の夏休みは、かねてから行きたかったバスク地方へ。バスク地方はスペインとフランスにまたがる四国程度の大きさの7つの県をもつ地方で、バスク語を話すバスク人が住む文化的にまわりの地とは独立している地方だ。特にスペインにある三星レストランのうち3件がこのバスク地方に密集している美食地帯。国内一のバル街があり、今私がいるサン・セバスティアンだけで100件以上のバルが旧市街に密集している。

このバスクの地に日本からスムーズに乗り込む交通手段にはちょっと苦戦した。今現在、スペインに行ける直行便はない。バスクに行くには、ビルバオ空港、サン・セバスティアン空港、ビアリッツ空港、パリから鉄道と選択肢はあるんだけれど、日本からヨーロッパの主要都市に降り立ち、それらの空港にスムーズに乗り継げる便があんまりないんだ。特にサン・セバスティアン空港はスペイン国内からの便しかないし、ビアリッツ空港へのパリからの乗り継ぎはあまりにも待ち時間が多い。パリで一泊し、TGVでフランス側のバスクからボルドーを経由してスペイン側のバスクへ行く方法もあったけれど、今回は、ルフトハンザ航空でフランクフルトに入り、ビアリッツ空港に行くプランを取った。ここまでの結論にいたるまでに、1ヶ月くらいかかったよ。震災前の話です。

ラッキーなことに、フランクフルト行きの便はA380!日本ではまだシンガポール航空とルフトハンザ航空でしか乗ることができない。ルフトハンザ航空でも15機注文してまだ8機しか納品されていないそうだ。二階建てでエコノミーの席のピッチもかなり広く、包みこむようなシートは疲れない。ヨーロッパ行きの飛行機でここまで疲れがなく乗れたことは初めてかもしれない。この機体は乗る価値アリ。みんなちゃんとこの機体の素晴らしさを理解して乗っているのかなぁ。

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機内での食事は3回。朝の9:30の便で11時間程度のフライトで到着は15:30。時差はあるけれど、昼間が長ーい感じ。出発してから2時間程度で3食のうち一番豪華な昼食に。牛肉の柳川丼など、和食を選択。味付けは甘くて濃いけれど、とってもまとも。

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一緒に行ったやまぴーは、面白半分で乳製品有りのベジタリアン食を事前に注文。野菜カレーは結構いける。そうそう、ルフトハンザカラーの食器がどれもすてき。もって帰りたかったよ。

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私の夕飯はチキンを甘く煮込んだものに煮しめを添えて。これもまとも。

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こちらはベジタリアン食。肉の代わりに厚揚を使った煮込みときし麺のようなもの。

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突き抜けるような青い空と共にフランクフルト到着。空が日本じゃない、ヨーロッパ。そしてあたりまえだけどルフトハンザの機体だらけ〜。入国審査はここですませ、トランジット。その間に買い物できるエリアは広く楽しいー。やまぴーはリモワとルフトハンザのコラボショップに夢中。限定のルフトハンザカラーのイエローの旅行カバンがめちゃくちゃほしくなっていた。あのカラーリングは日本ではほとんどみないし、値段も日本で買うより安いから買いだと思うなー。

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フランクフルトからビルバオまでの便では日本人がひとりもいなかった。身長2メートルはある高校生のバスケットボール選手に右と後ろを囲まれ、むさくるしく圧迫感のある2時間を過ごしてあっというまにビルバオに。ビルバオ空港はとっても小さく、閑散としている。そうそう、バッゲージレーンはEUとEU以外で分かれているから注意。なかなか荷物が出てこないなぁと思ったらレーンが違ったよ。

ビルバオ空港からサン・セバスティアンまでは100キロほどあり、75分かかる高速バスが出ている。14.78ユーロ。この時期は1時間間隔で毎時45分に出発し、サン・セバスティアン新市街のAmara Plaza前の高速バス乗り場に着く。結構遅くまで出ているから便利。タクシーだと100キロはあるのでかなりの金額になりそう。高速バスは広くてゆったり快適。車窓はまさに山バスクで、放牧されている牛や羊、ろば、ぶどう畑、なんだかすごい奇岩の山々が見えて全然飽きない。サン・セバスティアンという街の名前は、バスク語である「Donostia」と記載されていることがあるのでバスに乗ったりするときは要注意。

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サン・セバスティアンと言えば、小さな街なのに100件ものバルがひしめく美食の街!2キロほど離れた旧市街までバスで移動する。Amara Plazaからは旧市街へ向かうバスは頻繁に出ていて、ひとり1.4ユーロだった。その場で運転手に現金払いできる。旧市街に入ると急に人が増えて街がにぎやかになるのですぐわかるかも。

さてさて、旅の途中にどれだけ記事がかけるかわからないけれど、次はバル巡りについて書きたいと思います。Hasta la manana!