Archive for 2月, 2005

いちごの「あまおう」 9.5点

あまおういちごがおいしい季節になりました。「とよのか」「とちおとめ」「さちのか」「あきひめ」「女峰」「アイベリー」と最近ではいろいろないちごがありますが、私が一番好きなのは「あまおう」です。
「あまおう」は福岡の農業試験場が作ったいちごで、「赤い」「「丸い」「大きい」「うまい」と4拍子そろっていることから頭文字をとって「あまおう」と言います。名前のとおり激「甘い」です。「あまおう」の「あ」は「赤い」ですが、なぜ「甘い」にしなかったのだろうと考えたのですが、「あまおう」という名前を聞けば誰しも「甘い王様」と思うからでしょうか。
この「あまおう」はどのくらい甘いかというと、練乳より甘いんです。練乳をつけてもあの甘ったるい感じがせず、同じくらいの甘さというか、練乳が甘くないと言うか。そのもの単品のいちごのほうがずっと甘さを感じます。
そしてジューシーです。ぱさぱさ感はまったくなく、多くのいちごで味わえる酸味もほとんどありません。そして大きいです。一口で食べれません。高さ5センチくらいあるかもしれません。ピンポン球よりかなり大きいです。
ちょっと高価ですが、全盛期になると1パック500円から800円くらいで買えます。痛みやすいので、上の方の新鮮さにだまされないように、パックの下側をひっくり返して確認してから買ってくださいね。

神保町「新世界菜館」の上海蟹 10点

新世界菜館どうしてこの年になるまで食べる機会がなかったのだろうと後悔した食べ物が二つあります。一つは高校生の時に、叔母に食べさせてもらった「ホヤ」。二つ目は数年前に初めて食べたこの「上海蟹」です。
また、冬になったら食べに行くべきと心に誓っている食べ物が二つあります。一つは神田「いせ源」のアンコウ鍋。二つ目はこの新世界菜館の「上海蟹」です。
「上海蟹」は秋から2月の初旬食べられない蟹で、上海の陽澄湖という湖でとれたモノがベストです。この湖の小魚を食べた蟹だからこそおいしいわけで、どこの湖でもいいわけではありません。
この「新世界菜館」は「上海蟹」を食べさせる店としては日本で一番有名で、お値段も高く大きいモノですと1杯4000円ほどしますが、その味は期待を裏切りません。
まずは老酒漬け。生きた上海蟹をそのままつけたもの。身の部分は透き通って白く、口に入れるととろとろで濃厚。ミソの部分も濃厚ですが、老酒漬けでは身の部分の方がおいしいです。
メインは蒸したモノ。写真上のように自分の上海蟹を選び、名前を付けた札をつけ蒸します。それを目の前できれいに解体してくれます(写真下)。
「上海蟹」は三つの味がします。
【1】白く透き通ったミソ
ここは他の蟹では考えられないまったりとして口の中でまとわりつく一番おいしい部分です。世界の食べ物5本の指に入ります。おいしい濃厚な栗のような感じです。
【2】黄色いミソ
ここは他の蟹とも少し似たいわゆるミソで、その洗練された味は上海蟹ならではです。毛ガニのミソもおいしいですが、このミソはいつまでもいつまでも食べていたい感覚があります。
【3】身の部分
他の蟹と同じように白い身をしていますが、味は極めて濃厚で凝縮されています。どこか甘いか感じもします。特にツメの部分は筋肉質な身がたまらないです。蟹酢なんてつけちゃいけません。
とにかく一度でもいいので食べたことはない人は食べてみてください。食べるときはどの店でもいいわけではないです。どんな食べ物でもそうですが、最初に食べたものがおいしくなければずっとその食べ物に対する印象は悪くなります。
もうこの冬は終わってしまうので次の冬でもいいので是非!上海に行くというのも手ですよ!
新世界菜館
東京都千代田区神保町2−2 新世界ビル
03−3261−4957
無休

八重洲「唐人吉華」の烏賊と季節野菜の炒め物、麻婆豆腐 8.5点

吉華私が東京で一番好きな中華料理屋は、上野毛にある「吉華」という店で、そこには故陳建民の弟子だった久田大吉という有名なシェフがいます。四川料理の王道をたべさせてくれる店で、味付けも薄く素材を活かす料理がとてもすばらしく、なんてことはない一般的な誰でも知っている中華料理の数々が抜群にうまいのです。
その支店が八重洲のすごくわかりにくいスタバ裏の路地にできたのは2年前。あれからもう10回以上通いましたが、本店の久田さんの味には若干劣るモノの、その味付けや調理法は受け継がれています。
今回はランチに行ってきました。一番有名な麻婆豆腐ランチはわずか900円。おいしいコーンスープとザーサイ、ごはんとデザートも付いています。味付けは夜に比べると辛さを抑えてありますが、私はこのくらいの方が好きです。豆豉(トウチ)ならではのしょっぱさと花山椒のぴりぴりは癖になります。
でも私はこの店はいちばんいか料理が好き。肉厚のモンゴウイカを格子状に切り目を入れ、湯がいたモノを季節の野菜と炒めるだけのシンプルな料理。おいしいイカでなければおいしくなるはずがないのです。季節の野菜は秋に出る銀杏とネギのみがベスト。今回はヤングコーンや少しの銀杏(秋に比べると風味も大きさも劣るが)、ブロッコリー、マシュルームでした。塩味はぎりぎりまで薄く、ショウガとネギが油にしみこんだその風味を感じられるほどです。ちょっとお高く、2300円ですが、食べれば納得。
右メニューにもありますが、「吉華久田大吉の中国風おそう…暮しの設計 NO. 190」の1ページ目で、イカ料理のレシピがありますので是非。ただ、それぞれのレシピに出てくる調味料は近くのスーパーでは手に入らないモノが多いです。とはいえ、一度買ってしまえば応用が利くモノばかりで決して高くないものばかりです。
唐人吉華
中央区八重洲1-6-16東進ビル
03-3281-3087
休みはないが、土日の夜は早い