鳥料理って、ほっぺたが落ちるほどおいしいなんて思ったことがなかったのだけれど、築地の「新三浦」水炊きを食べたときに、真っ白な鳥のスープに度肝を抜かれたのが本物の鳥料理への出会いだったのかもしれない。
その後、亀有の「まかや」の焼き鳥、刺身、鳥鍋に涙を流し、この豚ブームの時代にすっかり鳥にはまりました。
そして今日の鳥料理は、神宮前の「きばいやんせ」。千駄ヶ谷からも外苑前からも歩いたら15分ほどある路地前の店でカウンターとテーブルが2席しかない小さな店。宮崎と鹿児島出身の人が経営しているのもあって、かなりの数の焼酎を飲むことができる。確か「焼酎を飲まない人お断り」みたいなことが書いてあった。
いつもだったら「芋焼酎ロックで〜」とか言っちゃうんだけれど、この日に限って胃の調子が悪くどうも酒も食も進まない。それでも「薩摩地鶏の刺身盛り合わせ」は、ぱくぱく食べてしまった。もも肉だけ表面を焼いてあるが、皮、砂肝、レバーは生のまま。全く臭みがなく、さっきまで生きていたようなきれいな色をしている。特に砂肝が美味。
続いて「霧島地鶏もも焼き」登場。一口サイズのプリプリのもも肉にほぼ生のしゃくしゃくキャベツ添え。料理はすべて焼酎によくあう。
今日は「鍋コース」3500円。すっきり塩味の鳥鍋。骨付きの胸肉、春菊、椎茸、糸蒟蒻、ネギ、白菜。すべて食べ終わったところでご飯を投入し、卵で綴じて海苔をたっぷり載せる。鳥の出汁がたっぷり出て、さっぱりした雑炊はぱんぱんの胃でも別腹でした。
鳥料理を見直したい方におすすめ。刺し盛りは必食!
きばいやんせ
〒105-0001 東京都渋谷区神宮前2-21-12 電話03-3796-8788
営業時間 5:00PM〜2:00AM
Archive for 2月, 2006
神宮前「きばいやんせ」の鳥料理 8.5点
六本木「四川飯店」の黒胡麻汁無し担々麺 10点
仕事が忙しくても、お昼ご飯は会社の外で食べるようにしている。会社にいれば電話はばんばん鳴るし、人には話しかけられるし、ぼけっと雑誌を読みながらって言う雰囲気もない。
職場はタダでさえ東京一物価が高い六本木。1000円以上は当たり前のランチ。外で食べれるからって、まずいものなんて絶対イヤ。
だから私が行く店は大抵決まっていて、その両手ほどの店をローテーションするだけ。それも新規開拓はあまりしない。外に出ているランチメニューの看板で「おいしいかもしれない」なんて思って入った店は大抵まずくてがっかりする。六本木ははずれ率が結構高い。
そんな私の両手ほどのおすすめランチの最高峰を極めるのが、この六本木「四川飯店」の黒胡麻汁無し担々麺。(ちなみに下の写真は白胡麻汁無し担々麺)「汁がないんだ〜」って思うかもしれませんが、もともと中国では担々麺に汁がなかったらしい。
日本に担々麺を伝えたのは、あの有名な四川省出身の料理人の陳建民で、この四川飯店を開いた人。(息子はテレビにもよく出てくる中華の鉄人陳健一)担々麺だけでなく、あの有名な麻婆豆腐も日本に伝えました。(ちなみに麻婆豆腐は、麻婆さんの作る豆腐料理だから麻婆豆腐です)
そもそも担々麺の歴史は浅く、1800年代の食べ物。それも汁なんてない。日本人の口に合うようにラーメン風に仕立てたのが今で言う担々麺。だから汁がない中国では一般的な担々麺が汁無しなんて呼ばれるようになったんです。
この四川飯店の汁無し担々麺の魅力は、ラー油の香ばしさと胡麻の甘み、そして山椒のぴりぴりと来る痺れ。口に入れた瞬間に来る辛みではなく、じわじわと来る唐辛子の辛さと下に残るしびれがたまらない。口直しの青菜がないとかなりきつい。額に汗をにじませながら、毎回毎回ふーふー言いながら食べる。
ちなみにここの汁無し麺は、ゆでた後に水で洗わずそのまま、バットに広げてうちわで扇いでさますらしい。麺が水分でびしゃびしゃになるのを防ぐためらしい。だから麺はほんのり温かい。
さらに言うと、黒ゴマに含まれているカルシウムは美肌効果があるんですって。ランチに出てくるメニューには載っていないので、ご注意あれ。1155円で至福のランチがいただけます。麻婆かけご飯もおすすめ。
四川飯店六本木店
港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル4F
03-3402-3465
中目黒「鳥小屋」のもつ鍋 9.5点
この冬、何種類の鍋を食べただろう・・・。牡蠣鍋、湯豆腐、アンコウ鍋、鶏鍋などなど。日本人はホントに鍋が好き。「寒いから」っていうだけじゃなく、ひとつの鍋をわいわい囲んで食べるのが好きなんだろうな。
この日は、送別会で部署のメンバー15人でこの店へ。店選びは新人の仕事なんだけれど、ここ最近は私の仕事になったのも、選ぶのも、喜んでもらえるのもうれしいから。これ商売にならないかなぁ。。。
ここの博多もつ鍋は、90年代のもつ鍋ブームが終わってもそのままこの中目黒にあり、そして再燃しても店の雰囲気はそのままの老舗。店中の壁の四方、天井、至る所に芸能人のサインとポスター、そして80年代のヒットソング。狭くてあんまりきれいな店ではないけれど、この雰囲気と安くてうまいもつ鍋に引かれて連日満員の店です。
この店に来たら、もつ鍋を食べるのは当然なんだけれど、その他のつまみもはずせない。「酢もつ」450円は、薄くスライスしたタマネギ、千切りのモツ、アサツキを三杯酢で和えたもの。ネーミングだけだとグロいイメージの「酢もつ」だが、味はさっぱりでミミガーを思わせる感じ。お酒がすすみます。もう一つはずせないのが、明太たまご焼き600円。卵焼きの間にた〜っぷりの明太子、それにマヨネーズに海苔。これ、このままどんぶりにのせてかきこみたい、明太卵焼き丼って感じにね。
さてさて、本番のもつ鍋。UFOをすぱっと輪切りにしたような鍋に、載せられる限界までのキャベツ、ニラ、その下にモツ。前に座った人が見えなくなるくらいの野菜も、煮込んでいく水分が出て、濃いめの醤油出汁に野菜の甘いエキスが加わる。
モツは、予想以上にやわらかくてぷるぷる。口の中でそのぷるぷるなモツからジューシーな油がジュワーっと出てくる。全く臭みがない。ピリッと来る唐辛子がちょうどいい。もつ鍋は1人前950円。ビール飲んでつまみ食べて、鍋して、チャンポンでしめても3000円程度。安くておいしくてなんだか癒されるのがこの店の魅力。さすが東京一のもつ鍋人気店。
鳥小屋
東京都目黒区上目黒3-5-22
03-3710-6762
時間 17:00-3:00(月ー土) 17:00-1:00(日)
定休日 無休