Archive for 9月, 2008

屋久島 送陽邸での何もしない時間 9.5点

屋久島も4日目。今日のハイクは「白谷雲水峡」。「もののけ姫の森」とも言われるこの森は一体どんなところなんだろう。宮之浦という屋久島一の大きな町から車で森に入ること30分。そこには縄文杉以上に苔で覆われた森があると言う。途中、宮之浦の町を見下ろすステキな眺めに出会えたよ。何もないここにはバス停があってその名前は「森の展望台」。ここで降りる人はついついこの景色を見ちゃうために降りるんだろうな。次のバスなんかずっとなくても気にしないくらいの余裕がこのバス停から感じられる。
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「白谷雲水峡」入り口に到着。ここもヤクスギランド同様、300円の協力金を入り口で払い、地図をもらって入山。私はこのコースの一番奥の太鼓岩まで行ける5時間コースを選択。今日は途中でスタミナ切れしないように、カロリーメイトも買ってきたし、粉末のポカリスエットだって持ってきた!
途中、美しい屋久杉にも出会えるんだけれど、このコースの目玉はなんと言っても美しい苔。岩にびっしり張り付いて朝露に濡れた苔は輝いていて美しい。苔の合間から杉の芽が見える。この杉の芽がいつか大木になって、屋久杉と呼ばれるのかも知れない。
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この日は日差しもキラキラしていて、深い森の奥まで光が差し込んでくる。この屋久杉はくぐり杉と呼ばれるもの。ひんやりとした空気ですら伝わってくるでしょう?
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歩き始めて2時間、ここが「もののけ姫」の舞台にもなった「もののけ姫の森」。すべての岩、土、木々、植物の上に、様々な種類の苔がびっしりと埋め尽くされている。枝が折れて巨木に重なる音が響き渡り、どこからか水の流れる音がする。耳をすますと苔からしたたり落ちる水の音が聞こえてきそう。ここには「もののけ姫」で登場する「こだま」が見えるような気がしてくるんです。
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「もののけ姫の森」から1キロは歩いたかな、辻峠にリュックを置いて、なんなく屋久鹿は歩く勾配のきつい坂を15分、頂上には太鼓岩と言う大きな丸い岩があって、まわりの山々を見渡せる。きつい坂だったことなんてあっという間に忘れてしまうほどすがすがしい風と眺め。この爽快感が山登りの醍醐味なのかなぁ。
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本日の宿は、島の北西の永田浜にある「送陽邸」。ここは何もしないことに幸せを感じられるステキなステキな宿なんです。目の前の永田浜は日本一のウミガメの産卵ポイント。私が訪れた9月の前半は産卵が終わって、孵化の時期。2泊とも日の出と共に起きてウミガメの孵化を観に浜に出てみたけれど会うことはできなかったよ。宿のやさしいご主人は、朝早く6時にうろついている私にウミガメの探し方まで教えてくれたのになー。
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こちらの写真は、孵化を観に朝早く起きたときの永田浜。奥に見えるのが「送陽邸」。気がつけば部屋にテレビも電話もなく、海の音と、暮れていく夕日と、星の瞬きと、風の音を強く強く感じられる宿だった。そんなステキな時間を過ごせるための工夫がこの宿には至る所に施されていて、ハンモックでのお昼寝や縁台での夕食が極上の贅沢なんです。
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この日の夕飯は、夕焼けを眺めながら波の音と一緒に山海の幸のバーベキュー。しあわせー。
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これは二つあるお風呂の露天風呂のひとつの岩風呂。こんな朝風呂はとっても幸せ。
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屋久島に行く人の多くは2泊から3泊で、縄文杉に登って、島を軽く散策して終わってしまう人が多いのかも知れないけれど、人もまばらなこの永田浜でのんびりすごすのも屋久島のすばらしい時間の過ごし方。ここ「送陽邸」はそんな贅沢な時間を過ごしたい人たちの人気の宿なんです。必要以上の贅沢やレジャー気分はなく、自然に溶け込ませてもらっているというその感覚が極上なんです。この幸せ感は、南の島のリゾート地では味わえない満足感がありますよ。お気に入りの本を持ってどうぞ。
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送陽邸
上屋久町永田いなか浜
0997-45-2819

屋久島 Kitchen Cafe Oseのランチ 9点

屋久島3日目は、縄文杉登山で疲れた体に無理がない程度ということで、島一周を安房から右回りでドライブ。9:30頃を出発してまずは干潮だったので浜へ。タイドプールと呼ばれる潮溜まりには、小さな魚がたくさん泳いでる!「水曜どうでしょう」の屋久島釣りバカを思い出したあなたは相当の藩士です!
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南下して麦生と言う集落にある「Kitchen Cafe Ose」に開店とほぼ同時に入店。屋久島ではめずらしく、おしゃれで雰囲気も良く、青山のカフェみたい。私はパスタランチを注文。これは「ちりめんじゃこと薬味の和風パスタ」。野菜は広島での有機栽培ものを使っているようで、パスタの前に出てきたサラダもおいしい。このじゃこのパスタ、私も家で作ってみよう。
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こちらは「鹿児島産豚ロース肉のストロガノフ風」。野菜の火の通し加減、ロース肉のうまみ、どれをとってもなかなか。
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屋久島に来てから、コーヒーとかケーキに飢えていたんです。民宿は素泊まりだから、朝食なんてでないし。入れ立てのコーヒーと、ケーキで大満足。ここのお店をやっている娘のお父さん?がかなり風変わりの明るい人。背骨のゆがみを店の外で治してくれる。おせっかいな話だと思いながらも、急がない旅だし、特に何かを売りつけるわけでもないし、単にいい人みたい。屋久島にまた行くことができたら、この店はもう一度行ってみようと思う。
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島一周の県道から少し入ったところの「千尋(せんぴろ)の滝」。ガイドブックで見たときはダムみたいでときめかなかったけれど、実際に見てみると花崗岩の一枚岩と落差60メートルの迫力がすばらしい!このあたりは、ぽんかん、たんかんの名産でもあるらしく、駐車場脇の売店で絞りたてジュースが飲めます。人はまばら。
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千尋の滝近くの「トローキの滝」。この滝は海に注がれている。ここから見るの?と思えるような小道から覗いています。
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しばらく進んで、「大川(おおこ)の滝」。日本名瀑100選にも選ばれる名瀑です。水量が多いと日本の水の筋が1本になってしまい、逆に水量が少ないと左側1本になってしまうそう。こんな風に、屋久島には滝が多いんです。そりゃそう、周囲100キロの島に1,000メートル級の山が30以上あり、月に35日雨が降ると言われるくらいの降雨量なんですから。滝も随所に見られるわけです。この大川の滝、滝壺近くまで行くと、冷たい霧のシャワーを浴びられます。大きな岩に寝転んで、風が吹けばふわーっと冷たい霧が飛んできて気持ちいい〜。マイナスイオン、出てます出てます。
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島の西部の県道は、世界遺産指定地域なのに車が走れる世界唯一の道だそう。道は細いけれど、屋久猿や屋久鹿に出会うことができます。猿たち、グルーミング中。
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永田岬の屋久島灯台で日の入りまで昼寝。そしてこれがそこからみた夕焼け。もう少し雲がなければ海に沈む夕日をみることができたんだけれど、これでも満足。
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宿のご主人には、島一周なんて3時間ほどのドライブだよ、なんて言われていたのに、私は10時間以上かかってしまったよ。それだけ見所も多く、立ち止まるだけの価値があると言うこと。屋久島に来たら、縄文杉だけじゃなく、島一周もしてほしいな。
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Kitchen Cafe Ose
屋久島麦生416-294
月曜、第2・4火曜定休
0997-47-3450
かなり混むので予約必須

屋久島の山奥の澄んだ空気 10点

屋久島に到着した初日の午後は、借りたレンタカーでそのままヤクスギランドに行ってきました。ヤクスギランドという名称から想像するに、子供の遊具や観覧車でもあるかと思いきや、屋久杉の散策コース。ネーミングが良くないって思う人は私だけじゃないみたいです。このヤクスギランド、車で行ける屋久杉がみれる場所なので登山まではしたくない人でも屋久島の雰囲気を十分楽しめます。30分コースなら遊歩道が整備されているので、サンダル姿の観光バスの人も多くみられました。私は全体を回る150分コースへ。途中からそれなりの登山道になるので、縄文杉に行く前の練習には最適でした。写真は30分コースのキレイに整備された遊歩道。
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空気が濃いんです。ひんやりしているわけでも、何か特別なにおいがするわけでもないんですが、濃いんです。そして雑なものが何もない感じ。酸素が濃いとか、空気がおいしいってこういうこと言うんだなって感じるんです。
こんな風に流れる水ももちろん飲めます。冷たくて軟らかくておいしい〜。苔ってなんだかジメジメして好きじゃないけれど、ここの苔はイヤな感じがしない。新芽のクッションみたいな感じ。
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どこの沢もとてつもなく大きな岩がゴロゴロ。この島は花崗岩でできていて、土は表面の2メートルくらいにしかないとのこと。そこに屋久杉みたいな大きな木がへばりついているんです。何千年も。
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台風や雷の自然発生的に、または人間の手によって切り倒された屋久杉の切り株の上に、また別の木々が芽を出し、根を張り、しがみついて、大きな株になっていく。これを切株更新というそうです。
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この屋久杉は150分コースのちょうど中間地点あたりにある「母子杉」。母も子も樹齢2600年と言うから、どっちも母だよ。
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この日の屋久島初の食事は、民宿がやっている食事処へ。飛び魚の唐揚げや首折れ鯖の刺身、亀の手など地のものばかり。まー、正直一度食べれば満足かなー。パンチにはちょっと欠けます。
屋久杉が住むほどの山奥の澄んだ空気は間違いなく10点です。
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屋久島の山奥の水 10点

福岡から鹿児島へ飛行機で移動し、そのままたまたま同じ飛行機で屋久島へ。プロペラが回る飛行機ってなんだか興奮します。鹿児島空港から飛び立って35分、あっという間に屋久島です。屋久島と言っても周囲は100キロ以上のかなり大きな島。空の上から島を見渡すことなんてできないくらい大きいんです。
着いた日の午後はヤクスギランドに向かったのですがその話しは後日。翌日はあの縄文杉を観に行きました。4時起床、車で島の中心部、山間いの荒川登山口に1時間ほどかけて向かい、まずは頼んでおいた朝弁当で腹ごしらえ。うっすらと明けていく登山口は何百人という人でいっぱい、真夏だと車で入れないと言うから1000人くらいが1日に登山するのかも知れません。軽く準備体操をして往復10時間の登山を開始。
最初の2時間ほどは延々とトロッコ軌道の上を歩きます。勾配はきつくないのですが、枕木の幅と歩幅が合わなくて歩きづらいんです。途中から枕木の上に縦に板を敷いてある道に変わり、少しは歩きやすくなりますが、こんな道が2時間くらい続きます。
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トロッコ軌道は沢に沿っているので、川を何度もまたぎます。鉄橋はかなり長くて高いものもあり、高所恐怖症の私には顔面蒼白もの。5つくらい渡って少しは慣れましたけれど、風が吹いていたら泣いていたかもしれません(^_^;。
途中、トロッコも通過。以前は林業のための集落もあり、500人ほどが通う小中学校もあったというのですから、このトロッコも頻繁に稼働していたんでしょうね。
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トロッコ軌道と分かれて本格的な登山道がスタート。勾配がきつくて3分くらいで息が切れました(笑)。そんな道を30分ほどヒーヒー言いながら登っていくと「翁杉」に到着。推定樹齢2000年、ヒノキやヤマグルマ、サクラツツジが着生していて見事です。
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そしてこれが「ウィルソン株」。推定樹齢2000年、300〜400年前に切り倒され、大阪城に使われたと言われている屋久杉。数百年経っても樹液が濃いため切り株は腐らないんです。ウィルソンさんが発見したからウィルソン株と言うそうです。このウィルソン株を切り倒したときに、あたりの杉も切り倒したようでここは開けて明るいんです。そのあと小さな小杉が生えてきて、森はまた元通りになろうとしています。
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切り株の中に入ると水が沸いていてほこらになっています。見上げるとハート形に空洞。中はヒンヤリしているんです。
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かなりきつい勾配が続き、だいぶイヤになってきました。数十年前まではこの屋久島で一番大きいと言われていた「大王杉」、「夫婦杉」と続きます。写真は「夫婦杉」。まるで手をつないでいるかのように、もう一方の幹に食い込んでいるから「夫婦杉」。縄文杉まではあともう少し。
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登山口からわりとゆっくり歩いて約4時間、縄文杉は見上げた上にどっしりすわっていました。木を守るために近寄ることはできず、手前の観覧台から鑑賞。幹の太さ、うねるような皮の模様・・・圧巻です。樹齢は7200年、いったいどのくらいの時をこの場所で過ごしたのでしょうか。縄文杉の名称は、縄文時代からあるからと言う説と、縄目の模様があるからと言う説のふたつがあるそう。時折、霧が立ちこめ、目の前の縄文杉が消えてしまいそうになるほど。登ってきたから汗がひどくでていたけれど、ここは町よりも10度は温度が低く、ヒンヤリを超えて寒いくらいでした。
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縄文杉を振り返ると「メデューサ」と呼ばれる不思議な杉。頭髪は無数の毒蛇、イノシシの歯、青銅の手、そして黄金の翼を持つ女王「メデューサ」。月夜でみたらぞっとしそう。
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もう一つのお弁当を開いてお昼。持ってきたアクエリアスも底をついたので、沢で水を汲んで水筒に入れます。ここまで登ってきても水は豊富で、至る所から流れていて、もちろんどれも飲めるんです。冷たくて軟らかくて、甘みさえ感じるここの水は、日本一の軟水だそうです。
そして同じ道を下山。途中、大粒の雨が降り出し、買ったばかりのゴアテックスのカッパが大活躍。岩がごろつき、苔むす山道はまだ良いものの、トロッコ軌道は同じような風景が続いてちょっと退屈。こんな道が5時間も続いてようやく登山口に帰ってきたときは夕方4時でした。ガイドも付けず、甘いものも持たずに登山してしまったので、途中の休憩所でキットカットを食べるカップルを恨めしそうに見ちゃいました。登山口にはかき氷屋が!練乳たっぷりのかき氷、こんなにおいしいと感じたことはなかったです。
屋久島の水と、下山した後のかき氷は間違いなく10点です。
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福岡中州「もつ擴」のもつ鍋 8点

呼子でイカを食べて、海岸線をつたって博多に戻って来て夕飯。もつ鍋なら二日連続でも良かったので、りょうちゃんおすすめのもつ鍋屋に連れて行ってもらいました。前回は美野島のおおいし、今回は「もつ擴」。「幸」と同じく、薬院だったはずなのですが、お店は中州に移転していました。
この店はなんと昨日行った「幸」で働いていた人が開いた店とのこと。でももつ鍋はまったく違うもので、鍋の上には餃子の皮、もつもセンマイやハツが入っている。別添えのタレがあって、柚子胡椒でいただくのはちょっと気に入りましたよ。餃子の皮はアクセントにはなるけれど、ワンタンの皮みたいなもの。もうちょっとたくさん入れてくれたら良かったのにな。
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こちらは煮た後。師匠の「幸」が王道なら、こちらはみんなの声を聴いてできあがった弟子の工夫有りのもつ鍋。店も居酒屋風だし、メニューも多いし、こういう店が博多では実は人気なのかも知れないね。個人的には昨日の王道もつ鍋が好きかな。
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博多ではよく見る一口餃子。奥はもつ炒め。濃い味でとろとろのもつ炒めはお酒が進む!
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こちらはとろとろのもつを卵で綴じたもの。私の好みはこういうふわふわのもつ。
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締めのちゃんぽんはなんと黒胡麻。かなりの量の擦り黒胡麻を入れて、汁気がなくなるまで煮る。胡麻が香ばしくておいしいが、デートには不向きかな?この店に着たら黒胡麻でちゃんぽんを締めてもらわないと。
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もつ擴 中州店
092-733-3533
福岡県福岡市博多区中洲3-3-3
[月〜土]18:00〜翌4:00(L.O.翌3:30)
[祝]18:00〜翌2:00(L.O.翌1:30)