バスクのフランス側の港町「ビアリッツ」のマルシェはフランスバスクの食材の宝庫。町のほぼ真ん中に魚介系の棟と野菜・加工食品系の棟、そしてそのまわりにテントが張り巡らされ、こぢんまりしてはいるんだけれど、食材は新鮮で豊富なんです。ヨーロッパに行くとたいていの町には大なり小なり市場があって、その町の食材が手に入るんだけれど、フランスの市場=マルシェとなると、なぜがぐっとおしゃれにみえる。テントの色の配色、飾られた植木の花、商品の並べ方、路駐されたバイクまで急にフランスだから不思議。
日本ではなかなか見かけないアーティチョークも大きさ違いでたくさん置かれています。瓶詰めじゃないアーティチョークが食べられる季節だったのに、結局食べずに帰ってきてしまった。日本でも栽培する農家が増えればいいのになぁ。需要はあると思うんだけれど。
くるみ。その篭に、そっとスイカを置く彩りのセンスがすばらしい。スイカ売り場は別にあるわけで、意図的においているんだから、もうまいっちゃう。
生のアーモンド。この状態で買ったあと、どうやって果肉を剥くのかなぁ。殻付きのアーモンドのうまさは格別だから、生のアーモンドもきっとうまいにちがいない。
日本ではあまりみかけないルバーブも発見。5ユーロ/kgは、この市場ではお値段高め。あまり赤くないけれど、煮ると赤くなるのかなぁ。次の街のホテルで食べたナッツ入りのルバーブジャムおいしかったなぁ。すっぱいものが比較的苦手な私がこのルバーブだけは好きなんだよなぁ。
茹でたシャコ。並べ方がおしゃれだよね。日本でもシャコはよく食べるけれど、こちらではどうやって食べるのだろう。日本のシャコはキレイに剥いた状態をプラスチックのケースに並べてあるから元々の大きさがよくわからないけれど、これは大きい方なのかなぁ。
ホタテ。ホタテをこうやって赤い部分を残したまま並べる習慣は日本にはないよね。最初何かと思ったよ~。
加工肉のお店ではさまざまな種類の生ハムを売っている。手に持って食べられるように売っているんだけれど、これがたっぷり入っていてうまい!しかもたったの2.5ユーロ。ビールが飲みたくなるけれど、朝だから我慢したよ。にしてもこのお店のお兄ちゃん、ブルース・ウィルスに似てる・・・。
この町からほど近くにあるイッツァスーと言う村はさくらんぼが名産で、ジャム(コンフィチュール)やジャムの入ったガトーバスクがたくさんおいてある。ジャムは大きめの瓶で4ユーロとこのあたりの相場を考えると少し高め。でもそのあと日本に戻って、ちゃんとしたところでフランス産のさくらんぼのコンフィチュールを買おうとしたら1000円超えだったから、決して高くないし、このマルシェで高いものなんてほとんどないってことがよくわかる。でも今年はこのさくらんぼが不作らしい。
さくらんぼジャムと赤ピーマンの瓶詰めも購入。瓶詰めばっかり買っていて荷物が重い。
マルシェ前のデリはちょっとお値段高めだけれどおいしかったなぁ。良い感じにへたったマルシェバッグをもったおじさんがいたので「バッグ、ステキね」なんて声かけたらここに長期滞在している日本人だったもんだから恥ずかしかった~(つたない英語でしゃべりかけたことも、フランス人じゃなかったことも)。あんな風にマルシェバッグにリーキとかフランスパン(もちろん紙袋なし)とか刺して歩いたらそれだけでテンションあがるよなー。外食節約のためにここで3品とビールを買って部屋で食べたら、下手なバルよりよっぽど幸せだったよ。アパートに滞在して料理しながら暮らすのも楽しいだろうなぁ。
パテやフランスっぽいサラダやキッシュ、見ているだけでワクワクしちゃうんだよね。
どこの国に行ってもなるべく市場には訪れるようにしているのだけど、よく考えると日本は一般公開された市場は少ないほうかもしれないな。六本木や恵比寿の広場でマルシェっぽいものをやっていたりするけれど、おしゃれとオーガニックに偏りすぎていてぜんぜん大衆的じゃない。
そう考えると去年訪れた、燕市の三八の市はよかった。三と八の付く日にやるから「三八」。地元の野菜や魚、加工食品が歩行者天国にした商店街にずらりと並ぶ。レンコンだけの店、豆餅を扱うおばあちゃん、正月の昆布巻き用の昆布を扱う店、はたまたもんぺばかり取り扱う店。地元のものが良心的な価格で道ばたに並べられている。残念なのは店数は減る一方らしく、行商のおばあちゃんも腰がまあるく曲がった高齢のかたばかりで、衰退の一途をたどっている。お客も年配層が多く、大型スーパーに推され気味みたい。
こういう良いものを扱う地方の市場をヨーロッパの田舎町の市場みたいに活性化させたいなぁ。食は豊かでありたい。なんて遠くフランスの地のマルシェに思いを巡らせました。