会社帰りに新宿の高島屋とか東急ハンズで買い物をした後、高島屋デパ地下内にある「龍口酒家」によく行くんですよ。19時も過ぎちゃうと家に帰って自炊する気力がないからなんです。この、デリの一角で数席あるカウンターで食べる「坦々麺」や「里麺(りーめん)」という、この店独特の緑色の麺の料理を食べるんですけれど、これがうまいんです。安いのにあまりにもうまくて、さらにお店のおばさんの対応も良くて、本店のことを根掘り葉掘り聞いちゃいました。というわけでGWにさっそく行ってきました。
この店には基本的にメニューがなくて、ストップというまで料理が出続ける、串揚げ屋タイプの店。でもその心は串揚げ屋とは違っていて、ざっとまわりを見渡すと同じ料理がどのテーブルにも並ぶ。一度にたくさん調理することで、テーブルの人数が少なくても関係ないし、仕入れも安定し、食材を無駄にしないで旬のものを提供できるからとのこと。嫌いな食べ物もなく、シェフのおすすめのものが食べられるこの店のスタイルがひと目で気に入ってしまいました。
さて、GWの初日の割と早い時間だというのに、8割方埋まっていて、それも地元の人っぽい家族三世代の団体さんも多い。最初に出されるのはどのテーブルも同じく、定番の「大山地鶏のロースト カブの甘酢漬け添え」。パリっとした大山地鶏は冷えていても柔らかくてうまく、すっぱいカブが食欲増進に。
二品目は「黄ニラと金華ハムの塩炒め」。黄ニラは火加減ちょうどよく歯ごたえを残し、金華ハムの風味と塩加減の絶妙さがたまらない。
「フカヒレと衣笠茸のスープ」。私はまだまだフカヒレのうまさがわからない。。。この機会に復興したら気仙沼のフカヒレを食べて旨さを知ろう。
「金時草(きんじそう)の塩炒め」。金時草は加賀野菜だそうで、空芯菜のようなシャキシャキ感があり、塩炒めに最適。噛むとちょっと粘り気があって、加減のよい独特の味も。
「海老団子とそら豆の炒め物」。アツアツでふわっふわの海老団子に季節のそら豆。
「蝦夷鹿のカシューナッツ揚げ」。この店で一番印象深かったのはこれ。蝦夷鹿のような若干固めの癖のある肉を、薄く伸ばしてたっぷりのカシューナッツをまぶして揚げたもの。それを塩で。噛めば噛むほどと蝦夷鹿の肉の旨味がじわじわとでてくるし、香ばしさもスバラシイ。
「定番のシューマイ」は大きくてジューシー。持ち帰りもできるらしい。
シメは麺か炒飯かと言われて「炒飯」と言ってしまったんだけれど、後々考えれば麺にしておけばよかった。でも炒飯もいわゆる定番中の定番の炒飯で、チャーシューとネギ、卵の黄金の組み合わせ。こういうあたりまえのウマさがこの店の素晴らしだと思う。
なんで麺にしておけばよかったかかというと、ここには翡翠麺と呼ばれる見たことがない緑の麺があるから。この写真は高島屋デパ地下内の「龍口酒家」にある「里麺(りーめん)」なんだけれど、麺にはクロレラが練りこんであるらしい。食べてクロレラかーと思えるほど特徴的な風味は感じはしなかったんだけれど、つるつるとしっかりとした冷麺のような麺はなかなかうまい。そこにチャーシューとネギとザーサイをちょっと辛味をつけて混ぜてあるのが絶妙。
もうひとつ、高島屋デパ地下から、日替わりの坦々麺のセット。ザーサイにシューマイ、バンバンジーにマンゴープリンまでついて1000円行かなかったと思う。麺は同じ翡翠麺。
びっくりするくらい寂れた駅ビルの地下街にあるんだけれど、ここだけは賑わっていて、地元の人で溢れている。嫌いな物がない人なら、このお任せメニューに満足するはず。予算はひとり5000円行かないくらいかな。ランチはもっとおとくなセットがあるみたいなので、土曜の昼に脚を運んでみようと思う。混んでいるのかな。