All posts in 鹿児島

屋久島の山奥の水 10点

福岡から鹿児島へ飛行機で移動し、そのままたまたま同じ飛行機で屋久島へ。プロペラが回る飛行機ってなんだか興奮します。鹿児島空港から飛び立って35分、あっという間に屋久島です。屋久島と言っても周囲は100キロ以上のかなり大きな島。空の上から島を見渡すことなんてできないくらい大きいんです。
着いた日の午後はヤクスギランドに向かったのですがその話しは後日。翌日はあの縄文杉を観に行きました。4時起床、車で島の中心部、山間いの荒川登山口に1時間ほどかけて向かい、まずは頼んでおいた朝弁当で腹ごしらえ。うっすらと明けていく登山口は何百人という人でいっぱい、真夏だと車で入れないと言うから1000人くらいが1日に登山するのかも知れません。軽く準備体操をして往復10時間の登山を開始。
最初の2時間ほどは延々とトロッコ軌道の上を歩きます。勾配はきつくないのですが、枕木の幅と歩幅が合わなくて歩きづらいんです。途中から枕木の上に縦に板を敷いてある道に変わり、少しは歩きやすくなりますが、こんな道が2時間くらい続きます。
2008_0909_064529ab
トロッコ軌道は沢に沿っているので、川を何度もまたぎます。鉄橋はかなり長くて高いものもあり、高所恐怖症の私には顔面蒼白もの。5つくらい渡って少しは慣れましたけれど、風が吹いていたら泣いていたかもしれません(^_^;。
途中、トロッコも通過。以前は林業のための集落もあり、500人ほどが通う小中学校もあったというのですから、このトロッコも頻繁に稼働していたんでしょうね。
2008_0909_081627ab
トロッコ軌道と分かれて本格的な登山道がスタート。勾配がきつくて3分くらいで息が切れました(笑)。そんな道を30分ほどヒーヒー言いながら登っていくと「翁杉」に到着。推定樹齢2000年、ヒノキやヤマグルマ、サクラツツジが着生していて見事です。
P1090035
そしてこれが「ウィルソン株」。推定樹齢2000年、300〜400年前に切り倒され、大阪城に使われたと言われている屋久杉。数百年経っても樹液が濃いため切り株は腐らないんです。ウィルソンさんが発見したからウィルソン株と言うそうです。このウィルソン株を切り倒したときに、あたりの杉も切り倒したようでここは開けて明るいんです。そのあと小さな小杉が生えてきて、森はまた元通りになろうとしています。
2008_0909_130541ac
切り株の中に入ると水が沸いていてほこらになっています。見上げるとハート形に空洞。中はヒンヤリしているんです。
2008_0909_130430ab
かなりきつい勾配が続き、だいぶイヤになってきました。数十年前まではこの屋久島で一番大きいと言われていた「大王杉」、「夫婦杉」と続きます。写真は「夫婦杉」。まるで手をつないでいるかのように、もう一方の幹に食い込んでいるから「夫婦杉」。縄文杉まではあともう少し。
P1090048_2
登山口からわりとゆっくり歩いて約4時間、縄文杉は見上げた上にどっしりすわっていました。木を守るために近寄ることはできず、手前の観覧台から鑑賞。幹の太さ、うねるような皮の模様・・・圧巻です。樹齢は7200年、いったいどのくらいの時をこの場所で過ごしたのでしょうか。縄文杉の名称は、縄文時代からあるからと言う説と、縄目の模様があるからと言う説のふたつがあるそう。時折、霧が立ちこめ、目の前の縄文杉が消えてしまいそうになるほど。登ってきたから汗がひどくでていたけれど、ここは町よりも10度は温度が低く、ヒンヤリを超えて寒いくらいでした。
P1090060_2
縄文杉を振り返ると「メデューサ」と呼ばれる不思議な杉。頭髪は無数の毒蛇、イノシシの歯、青銅の手、そして黄金の翼を持つ女王「メデューサ」。月夜でみたらぞっとしそう。
P1090054
もう一つのお弁当を開いてお昼。持ってきたアクエリアスも底をついたので、沢で水を汲んで水筒に入れます。ここまで登ってきても水は豊富で、至る所から流れていて、もちろんどれも飲めるんです。冷たくて軟らかくて、甘みさえ感じるここの水は、日本一の軟水だそうです。
そして同じ道を下山。途中、大粒の雨が降り出し、買ったばかりのゴアテックスのカッパが大活躍。岩がごろつき、苔むす山道はまだ良いものの、トロッコ軌道は同じような風景が続いてちょっと退屈。こんな道が5時間も続いてようやく登山口に帰ってきたときは夕方4時でした。ガイドも付けず、甘いものも持たずに登山してしまったので、途中の休憩所でキットカットを食べるカップルを恨めしそうに見ちゃいました。登山口にはかき氷屋が!練乳たっぷりのかき氷、こんなにおいしいと感じたことはなかったです。
屋久島の水と、下山した後のかき氷は間違いなく10点です。
▼この記事がおもしろかった方はクリックしてね。
人気blogランキングへ