セッジャーノの宿は食事自慢のアグリツーリズモで、毎ディナー25ユーロで決め打ちのディナーが出てくる。もちろんワインも宿のもの。3日もいると「ロッソ」というだけでこれが出てくるようになりました。カイザー・ソゼ似のまったく英語をしゃべってくれないウェイターさん良かったな。
あとから調べてみるとこのあたりもモンテクッコと言うサンジョベーゼ種のDOCのワインが有名で、きっとこれもそうだったんじゃないかな。私たちの部屋の名前もモンテクッコだったし。毎日飲みたい、若いんだけど若々し過ぎない果実味たっぷりの赤でした。
前菜は、牛肉を塩漬けにしたものを薄くスライスしたもの。ちょっと燻製されているのかな。そこに白いんげん豆とトマト、この農園で作られたおいしいオリーブオイルをたっぷり。オリーブオイルのうまさを感じられ、食欲がぐんぐんあがる。ワインもぐんぐん飲みたくなる。
パスタはリガトーニというかなり太めのマカロニ状のパスタ。ズッキーニに、三種のチーズ。モッツァレラ、パルミジャーノ、それにフォンティーナというもの。具はズッキーニ、オリーブオイルとニンニクに少しトマト。いやー、チーズたっぷりでうまい。
メインは鳥の煮込み、これで二人前。別に炒めた色違いのパプリカとトマトを直前に合わせているそう。肉はほろほろ。量が多くて死にそうだよ。
あまりにも量が多いので、ディカプリオ似のかわいいウェイターに「デザートはちっちゃくちっちゃくお願いします」と言ったら、こんなに薄くスライスしてくれた。チョコレートケーキはふわっとしていてでも濃厚でおいしい。
二日目のディナー。当然だけど、連泊しても料理が重なることはありません。
スモークサーモンはマリネしてネギのソースで。このネギソース、まるで牛タンにかけるねぎ塩たれだった。オリーブオイルを使わなければまるで和食だ。イタリアンと和食の調理法は本当に似ている。ちょっとのバルサミコが効いているね。
レンズ豆やひよこ豆など数種の豆と麦のスープ、ポルチーニなどの数種のきのこにたっぷりのパルミジャーノ。オリーブオイルの旨さが引き立つスープ。こうやって麦を食べるのは初めて。
メインはニンニクとローズマリーを効かせたスペアリブ。窯焼きポテトを添えて。量が多く、しかも脂っこくてふたりともダウン。
デザートは脂でやられた胃にやさしいレモンのシャーベット。ガツンと甘いのが来たらどうしようかと思った。
三日目のディナー。毎日毎日ここの食事が楽しくてたまらない。きちんと英語で説明してくれるオーナーのおもてなしも好きだなぁ。私でもわかるような英語で何度も説明してくれるし。
前菜は、アスパラにモッツアレラチーズと生ハムを巻いてグリルにしたもの。豆のソースにレバーのパテ。今でもこの味、思い出せるなぁ。アスパラをこんな風にして調理するの、私もやってみよう。
パスタはペンネ。ローマの昔からのパスタであるアマトリチャーナとカルボナーラをミックスしたものらしい。なるほど、こんなふうにミックスしたものは食べたことがないけれど、とってもおいしい。量が多くてつらかったけれど、おいしくて食べきってしまった。アマトリチャーナはノンスモークのベーコン「グアンチャーレ」を使っているみたい。
メインは、ビーフをローズマリーと塩コショウで表面をよく焼いたもの。肉々しくて香ばしく、とてもおいしい。下に敷いてあるポテトはパターを入れずに2種類のチーズでマッシュにしたもの。
デザートはバニラクリームの中に、チョコソース、パリパリしたものが上に載っている。すでにメインまでですっかりお腹いっぱいで戦意喪失。
この宿は連泊してこそだと思いました。一週間くらいいてもいいかも。毎日毎日旬を感じさせる家庭料理や郷土料理ばかり。私が食べたい料理ってこういうものなんだなと改めて思いました。量が多いのはなかなかつらいけど、こんなにおいしいと「減らしてほしい」と言いたくなくて、結果的にメインとデザートは残すことが多かったかな。
毎日ディナーは20時からと遅かったので、16時くらいにビールを飲みながらおやつを食べてお昼寝し、お風呂に入ってさっぱりしてからディナーに向かうという毎日。ちょうど19時ころに夕焼けで丘が赤く染まり、ボケッとしていると寒くなってきて、上着を羽織ってディナーに向かう。おいしいワインと料理で体があたたまる。あー、贅沢。
ストレスなんてなかったなぁ。
次はここのキッチンでランチを作るお話です。