ひさしぶりのブログはまたしても地方情報。
仙台から仙石(せんせき)線で約30分、三陸沖の魚が揚がる塩釜に行ってきました。旅の目的は寿司!塩釜は日本有数のまぐろの水揚げ高を誇るだけでなく、三陸沖の豊かな漁場で取れた近海物が食べられるんです。
塩釜って言うとぴんと来ない人も多いかもしれませんが、日本三景の松島と言えば有名ですよね。このエメラルドグリーンの海と美しい白い岩、岩に必死にしがみつく松、こんな美しい風景が湾いっぱいに広がっているんです。松島湾は船の通るところでも水深8メートル、もっと浅いところでは2メートル足らず。海苔を育てるための竹の棒が何万本も刺さっていたり、牡蠣の養殖場が至るところにあったり、おいしいものが詰まった湾なんです。
塩釜はその松島湾の南に位置する漁港で、一平方キロメートルあたりの寿司屋の数が日本一なんですって!この「塩竈すし哲」は本塩釜駅の駅前にある超有名な老舗店。安くて塩竈ならではの魚が食べられる元気のいい店らしいんです。駅からその店に直行!平日だったのですんなりカウンターに座れました。ラッキー!
何を頼んでいいのかわからなかったので、まずは適当につまみをチョイスしてもらいました。最初の一皿はこの店の看板でもあるつまみ「かつおの酢の物」840円。かつおの酢の物って初です。かつおのタタキを薄くスライス、そこにたっぷりの大根おろしとミョウガの刻んだものをのせ、さっぱりとした三杯酢をたっぷりひたしたもの。大根おろしをよく三杯酢に浸して、たっぷりとかつおに挟んで食べるように勧められたのでまずはおすすめどおりにぱくり。すごくきれいな赤く透き通った身はこの時期らしい脂のないさっぱり感、予想以上に酢の物も合うんだなと納得。春の味ですね。
続いて適当に刺し盛り。値段不明。上から時計回りに白魚、フグ、まぐろ、赤貝、タコの頭。どれも鮮度抜群でここまで来た甲斐があった!と納得できるものばかり。この店で始めて知ったのですが、同じ漢字を使っても「白魚」は、「しらうお」と「しろうお」で違う魚らしい。これは「しらうお」。「しろうお」は躍り食いすることでも有名な魚ですよね。この「しらうお」、結構大きくて味がしっかりしました。「しろうお」は味を感じるほど食べるには何十匹もいっぺんに躍り食いする必要ありですよ。フグはかなり身が大きくて、まったく臭みもなく1枚で食べても繊細な甘みを感じられる。養殖のフグとは大違いです。
塩釜と言えばまぐろ!この本マグロの中トロ、赤身のうまさと脂身のうまさが絶妙。甘くて味が濃くてこれぞ日本人が虜になる味なんですよね。身もきれいでしょう?大トロだと勝手に口の中でとろけてしまうけれど、中トロはかみしめるほどに口の中に味が広がるんです。あーー幸せ。
赤貝は注文が入ってから剥くからもちろん新鮮。鮮度の良さが身の締まり方でわかるでしょ?この写真を見て塩釜に行きたくなったでしょう?私が食べたベスト赤貝かもしれないです。珍しいのはタコの頭。これがタコ?と思えるような味。かろうじて食感はタコの足に近いものの、イカとタコの中間のような味。
続いて寿司。お好みで頼んでも良かったのですが、コースで頼むと特上でもかなり安いみたいなので注文。残念なのはカウンターなのに皿に盛られて出てくること。寿司屋の楽しさは、ひとつひとつ目の前で握ってもらって、自分のペースにあわせて食べていくことなのに。酢飯のあたたかさもなくなってしまうこの出し方はかなり残念です。もっと残念なのがその後、お好みで追加で頼んでもお皿ででてくること。いい素材の旬の魚をやすい値段で提供するためにはしょうがないのかなぁ。
寿司の中で一番おいしかったのは「あわび」。新鮮だけれどコリコリしているだけのあわびと違って、コリコリの後にうまみがしっかりでてくる。生のあわびの握りで感動したことはあまりなかったのだけれど、これは大変おいしかった。シャリも少なくて握られた魚とのバランスもよかったです。
追加で注文した「煮だこ」。とろけるくらいに軟らかく煮たタコの間にシャリをサンド。たっぷり塗られたツメが甘くっておいしい!この煮だこだけを丼にして食べたい!と言ったら、実際に穴子とハーフにする丼があるそう。もうお腹が一杯で丼ものはさすがに無理だけれど、この煮だことご飯をかきこみたいです。
最後に総評。東京から塩釜までたったの2時間。つまみとにぎりと少しのお酒でだいたい7000円くらい。もちろんもっと安く食べようと思えば4000円くらいでも満足できるはず。ここまで来る価値は十分あります。すべてが最高と言えるわけではないけれど、1.気持ちよく楽しんでもらおう、2.なるべく安くおいしいものを食べてもらおう、3.塩釜の良さを知ってもらおう というポイントをきちんと抑えた店です。だから人気店なんだよね。仙台駅近くのエスパル仙台に支店が入っているらしいのでそっちもぜひ。
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塩竈すし哲
宮城県塩竈市海岸通2-22
022-362-3261
Archive for 3月, 2007
【松島特集】本塩釜の「塩竈すし哲」 9点
【福岡特集】折尾駅の「かしわうどん」 7点
博多駅から初めてのJR九州乗車。大分行きのソニックと言う特急に乗車したんですが、これがまたすごくかっこよくておしゃれ。外観はまるで超合金かスポーツカー(言い回しが古い?)なんだけれど、内装は白木を使っていてデザインもユニーク。ヨーロッパの列車に乗ったときのような感覚でした。がんばっているな、JR九州。そのソニックに乗ってひと駅で「折尾駅」に到着。
こっちは車内。車両によって基調にしている色が違う。
九州では鶏肉のことを「かしわ」って言うらしい。ここ数年、その「かしわ」という言葉を知ってから、デパ地下でよく「かしわ飯」と言うのを買うんだけれどこれがうまい。甘く煮た鶏肉やゴボウといっしょに炊いたご飯をおにぎりにしたものなんですよ。その同じ甘辛く煮たかしわが、素うどんにものせられている。
ウキペディアによると、
九州地方で食べられる。甘く煮た鶏肉(そぼろ〜細切れの大きさ)をうどんの上に散らしたもの。九州北部の各駅の立ち食いうどん屋では「うどん」といえば「かしわうどん」を指し、全てのうどんメニューに肉そぼろがのっている。その他、ブロック状に刻んで茹でたのみの味付けしない鶏肉が入っているものもある。
とあり、素うどんを頼んでもこのかしわの煮たのが入っているのが普通らしい。味は普通と言えば普通なんだけれど、シンプルな透明なスープにうどん、ねぎに薄く切ったかまぼこ、そこにこの濃い味付けのかしわがぴったり。何杯でも食べれそう。
なんでここで私の大好きなかしわ飯も注文しなかったのだろう。強く後悔。食べ物の下調べと胃袋調整は事前準備が大事だよね。
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【福岡特集】「牛もつ鍋おおいし」のもつ鍋 8.5点
博多に行ったらやっぱりもつ鍋を食べたかったんです。東京で安くて気軽に食べられる大好きな鍋と言えばダントツ「もつ鍋」。野菜もコラーゲンもたっぷりだから、食べていて「太るかも感」が若干薄まるんですよね。あんなにビールやつまみを食べていたら一緒なんですけれど。何食べてもぷくぷく太る今日この頃です。今回訪れたのは美野島にある「おおいし」。もつ鍋屋は博多の街に何百とあるらしいんだけれど、大抵お気に入りのこれっていう店がみなさんあるそう。これもそういう口コミで行かせてもらった店です。
この店は間口も座敷の店内も広く、威勢のいい店員さんの声が響き渡る活気ある店。お客でいっぱいの店内と扉を開けた瞬間から飛び込んでくるモツとニンニクの香りで気分は最好調に(その後携帯電話をなくして意気消沈したんですけれど・・・おかげさまですぐにみつかりました)。こういう元気のある店は大抵うまいんだよ。うまいものに吸い寄せられた人たちの笑顔ってホントにステキです。
メニューは、牛もつ鍋はみそ味、醤油味、しゃぶ風の3種類。それ以外は居酒屋メニュー的なものばかり。すでにこの夜2軒目だったので、3人でしたが「みそ味2人前」を注文。これがその写真。まだ野菜を全部のせない状態でこれが2人前ですよ。かなりのボリューム。もつは熊本産の牛モツとのこと。もつはコリコリ感とゼラチン部分のふるふる、そしてちょっと甘さを併せ持つ王道。若干モツのサイズが小さかったのが残念で9点には達しなかったのですが、スープは濃厚でありながらすっきりだから、いつまでもいつまでも飽きないんです。こういうもつ鍋が福岡の人に愛されるもつ鍋なのかもしれないな。お勘定もお財布に優しく、3人でちょっとお酒を飲んで5000円未満。今度は大人数でいろいろなしょうゆ味やしゃぶ風にも挑戦したいです。博多に行ったらぜひ。
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牛もつ鍋 おおいし
福岡市博多区美野島1-4-32 松永ビル1F
092-476-3014