Archive for 10月, 2012

【トスカーナの旅その11】オリーブ畑内のアグリに泊まる、何もしない贅沢なひととき。

トスカーナの3つめの宿泊地は「Antica Tenuta Le Casacce」というアグリツーリズモ。モンタルチーノやサン・クイリーコ・ドルチャから南に30キロほどのセッジャーノという小さい小さい街の近くの何もない丘。隣の家まで何キロ離れているんだろう。オリーブオイルを生産している農家の敷地内なので、周りはオリーブの大木だらけです。このあたりはオリーブオイルの生産で有名みたい。

 

坂の下が母屋でレストランはここにあります。宿のご主人は宿経営が長いようで、お客様のお相手も手慣れた英語も、距離感もいい感じ。スタッフは少ないけれどいごこちはよさそう。そしてこのご主人は世界中で経験を積んだ兼シェフで、食事が自慢のアグリツーリズモのようです。ワクワク。

 

 

地図を見てもわかるように周りには何もありません。

より大きな地図で 無題 を表示

 

宿のセンスは、ピカイチというわけではなく、素朴で、なんでももらったものを飾っちゃうような田舎の古民家?ってかんじ。いいんですいいんです。

 

私たちの棟は駐車場から一番近いここ。1階にある二部屋のうちの一部屋がうちです。ドアの前に大きなテーブルと椅子があって、このテラスが私たちのもの!

 

目の前はこんな景色!なだらかな丘は一面のオリーブ畑です。

 

 

毎日このテラスでこうして朝、昼、夜、とボケッとしていました。ブログ更新したり、カフェラテ飲んだり、何もしなかったり(さちえさんはよく寝てた)。3泊したうちの二日目はたまたま天気がぐずついていたので、洗濯して、ご飯作って、ボケッとして、野鳥観察して・・・こんな暮らしを満喫しました。人のいるところに出かけない、ただ雨の音や鳥の鳴き声を聞く、車の音もしない。贅沢ってこういうのです。私がしたい夏休みってこういうのです!うわーーー、幸せだ~。

 

 

部屋はとても広くてソファもある大きなリビングに、

 

 

立派なキッチン。

 

メインの寝室。

 

シングルベッドの部屋がひとつ。バスルームも他の宿同様、バスタブはないけれど、ビデもあって広くて清潔。

 

 

敷地内はとても広くて、ロバや羊がいたり、ハーブを育てていたり、とにかくボケッとできる空間が山ほどあります。

 

 

ここに来てちょっと標高が上がったからなのか、気温が10度を切る日(9月半ばです)もあり、肌寒かったのですが、さすが欧米人、こんな時でもプールで遊ぶんですよ。唇が紫になったりしないんですかね~。いや、でもこの眺めを独り占めできるプライベートプール、贅沢すぎです。でもこの部屋1泊69ユーロ。ここまでの2カ所の宿の2泊のお値段で、3泊泊まれます。

 

 

ずっとここにいたいと思いながらも、旅も後半日程に入り、東京に戻ってしまうんだという現実に引き戻されることもありました。。。いや、でもすんごくおいしい夕飯とワインでそんなのあっという間に忘れてしまうんですけれど。

 

次回はここのお食事です。

 

【トスカーナの旅その10】モンタルチーノ!ブルネッロもロッソもうまい。ワイン最高。

なんだかセンスのないタイトルだなとおもいつつ修正をしないのは、このたどたどしい感じが私たちのこの町での興奮を物語っているんじゃないかなと思ったからです。

さてこの日は、モンタルチーノへ。宿から車で30分程度の場所にあり、オルチャ渓谷の北西に位置しています。とっても行きやすいのでトスカーナを旅するならば絶対に行くべき街。なんて言ったってぶどう畑、ぶどう畑、ワイン、ワイン、ワイン!テンション上がります〜。

 

 

南側の街の入口の地図(この地図は北が上じゃないので注意)で街全体を把握。この街も目抜き通りが二本あるだけで、その二本さえあるけば、ほぼ街を歩いたようなものらしい。ここでは初めてチケット制の有料駐車場を利用したけれど、イタリア語がさっぱりわからなくて、何時間分の駐車代金を払ったのかわからなかったよ。最大料金を払ったから(っていっても2ユーロもしない)いいでしょー。窓ガラスの内側にレシートを置いて、ルンルン気分で街に繰り出します。

 

 

モンタルチーノ県にはこーーーーんなにいっぱいブルネッロ・ディ・モンタルチーノを作っている生産者がいるんです〜。この地図を見るだけでワクワクしちゃいます。

 

街の周りはブルネッロ種のぶどうを作る畑がいっぱい。

 

ここも。一面。

 

 

丘の向こうまでずっとぶどう畑。

 

ずっとずっとぶどう畑。ステキすぎる。それもたわわに実っています。収穫は10月上旬らしいので今頃忙しいのかなぁ。

 

 

街の目抜き通り。エノテカやオステリアやトラットリアやら、ぶどう関連の店ばかり。午前中だからかもしれないけれど、街が人でごった返す感じはなく、静かで、でも寂れているわけではなく、観光客はみんなワインを手に下げている。みんなワインを買うためにこの街に来ているんだ。私もだよ〜。

 

ベランダに植えてあるゼラニウムがステキ~。乾燥している地方だからこそこんな風にできるんだよね。日本じゃむずかしい~。

 

 

エノテカでさんざん試飲したのに、写真はまったくないのですが、たぶん街で一番大きいエノテカ「Enoteca di Piazza」へ。場所はここ。

大きな地図で見る


試飲は、買わなければ1.何ユーロか払うことになるけれど、買えば払わなくてもいいとのことでした。きれいなお姉さんが「どんなの飲みたい?」と聞いてきたので、困っていると「重いの?エレガント?それとも・・・」と聞いてきたので、「エレガント」をお願いしてみる。当然、ブルネッロ(DOCG)は飲みたかったので、ブルネッロで数種、あと2004年のものが飲みたかったので、その年のものを1種、それにロッソ(DOC)も数種。その都度、グラスはきちんと買えてくれるし、たっぷり注いでくれる。どれもおいしいんだけれど、飲んでいるうちに、これは好みだなとか、飲みやすいからこれはデイリーワインだなとか、わかってくる。その中で私が選んだのが、これSan Lorenzoという生産者のBulunello di MONTALCINO。20ユーロはしたなと思ったんだけれど、このお店のwebを見たら27ユーロでした。だいたい日本だと倍の金額なので、なかなかいいお値段ですね。個人的には、Rosso di MONTALTINOもかなりおいしくて、毎日飲むなら断然こっちだなと思ったんだけれど、重さを考えると良いワインを買いたくなってしまいました。ロッソだと5ユーロくらいから、ブルネッロだと15ユーロくらいからあるみたい。

あまりにも興奮してしまったので、日本への送料も聞いてみたら、6本で100ユーロだって!あー、でもそれでも6本買ってきても良かったなぁと今なら思います。それくらいおいしかった。

で、日本に帰ってきてすぐにあけました。お姉さんに言われた通り2時間前に開封。ぐわっと来る香り、飲んだ時には思ったよりガツンと来るわけではないのに、いつまでも余韻が残る、繊細でベルベッドみたい。しあわせ〜。

 

小さな街なのに、おしゃれな店が点在していて我ら酒飲みチームもたまに女子と化します。この手織りものの一点ものの服やバッグを置いている店が気に入ってしまいました。

 

店内には手織りものをしているおばあさんと、近所にお住まいっぽいおねえさんがたまたまいて、英語をイタリア語に通訳してくれました。どれもこれも一点ものばかりで意外と高価なんだけど、その柔らかい肌触りに一目惚れ。

 

私はこの白と黒のツートンの肩掛けバッグを購入。80ユーロのお買い物です。でも満足。肩紐が調整できなかったり、インナーの布がほどけてきたりと作りは雑な部分はあったけど、自分で直して使えば良いのです。

 

 

さて、次回はトスカーナ最後の宿に向かいます。

 

 

【トスカーナの旅その9】モンテプルチアーノにワインを買いに行く

トスカーナと言えばワインですよね。日本人に一番馴染みのあるのは「キャンティ・クラシコ」なのかなぁ。もう少し南には、ここモンテプルチアーノや、モンタルチーノと言った一大ワインの産地が広がります。と言うわけで、宿から車で30分ほどの場所にあるモンテプルチアーノに行って来ました。北側の街の入口に駐車場があるのですが、せまい駐車場が嫌だったので、バスターミナル近くの広い駐車場に車を止めて街の中心に向かいます。こんな小さな町、ガイドブックにもないのですが、だいたい「centre」という中心地、つまり教会に向かおうとすれば目抜き通りを知らぬ間に歩いて、街を一周できます。

 

ここもやっぱらいこんな風に街は城壁に囲まれていて、目抜き通りは1本ある程度。その通りのほとんどがワインを売るエノテカか革製品の店です。

 

 

目抜き通りからふと街の外が見えます。暖かく感じるうす赤や黄色の壁と乾燥した気候にあった植物たちが飾られた窓辺。こんな景色だけで癒されるんです。

 

 

町の外はぶどう畑がずっとつながっている。トスカーナの景色も一見同じようで同じではなく、オルチャ渓谷は一面の牧草地だったのに、一山超えるだけでこんな風にぶどうだらけになるんです。

 

 

この町には「Vino Nobile di Montepulciano」と言うDOCGの格付けワインがあって、どのエノテカもこのワインを生産者違いでたくさん売っています。日本で買うと5,000円くらいからなのですが、こっちだと半額以下。私たちはこの店で購入。ここはCONTUCCIという生産者の直売所。もちろん試飲もさせてもらえます。

 

リゼルバの2007年買っちゃいました。20ユーロくらいだったかなぁ。ヴィンテージの違いでもっと高いのはあったけど、ここ数年のものでは一番高かった。でも香りを嗅いだ瞬間に、ふわーーっと目が覚める。いつ飲もうか、ワクワクしています。このフルボディにあう料理をつくるほうが大変だぁ。

 

 

街は質の良い安い革製品屋がとっても多いです。フィレンツェやローマだとどこで何を買ったらいいかわからなかったのですが、こういうふうに街が小さいと、ふらっとのぞいて、お店の人と話をして、買い物を楽しむなんてあたりまえのことができます。無理に買わせようとしたり、ヘンな日本語使ったりしないし、英語はちゃんと使えるし。さんざん悩んだんだけれど、お店のお姉さんにのせられて、このショーウインドウの革ジャンを購入。ずっと革ジャン欲しかったし、250ユーロと安かったし。このあとトスカーナは冷え込んで10度以下になるんだけれど、この革ジャンがとっても役に立ちました。

 

 

これがその革ジャン。早く着たいなぁ。テンションあがるなぁ。

 

 

モンテプルチアーノの街を向かいの道路から撮影。こんな風に小高い小さな町で、そのまわりにはぶどう畑が広がっています。観光客もそんなに多くなく、トスカーナに行って、ワイン廻りをするなら、この街とモンタルチーノはかなりお勧めです!

 

 

そうそう、「神の雫」でも話題になっていて、私もよく飲む「モンテプルチアーノ ダブルッツォ」はモンテプルチアーノというぶどうの種類ではあるけれど、モンテプルチアーノで生産しているわけではありません。でもこのヴィノ・ノヴィレはサンジョベーゼですよね。よくわからん。イタリアはぶどうの種類が多くてわからん!

ってわけで、近所の信頼しているワインショップで「モンテプルチアーノ ダブルッツォ」買って来ました。1700円くらいだからリーズナブルだよね〜。いつも「神の雫」で話題になっていた「カサーレ・ヴェッキオ」のしか飲んだことなかったので、ここ「チレッリ」のも楽しみです。

【トスカーナの旅その8】オルチャ渓谷の有名な写真ポイントその2「La Foce」

この場所もオルチャ渓谷ではとっても有名なポイントで、宿のお姉さんに絵葉書を見せて場所がわかりました。どうもLa Foceという総合宿泊施設のような場所の一角にあるらしく(すごい広さでとても敷地内とは思えない、公道走っているし)、この糸杉沿いの山道の先にはアグリツーリズモがあるみたいです。La Foceに向かって車を走らせていたらそれらしき景色があったのですぐに分かりました。

より大きな地図で La Foce を表示

 

うーん、でもこの季節は大地が緑ではないのでぱっとしない。

 

もうちょっと角度がほしいのだが・・・。そして電線があるのが気に入らない。

 

上の展望台より。でも憧れのこの地にこれただけで満足。次に来るなら4〜5月かなぁ。

 

 

このすぐとなりには、フジツボのような奇岩が広がります。なんだこれ?

あの糸杉の道から振り返ると、まぁるく刈った松の木。青い空に映えます。

 

写真集より。やっぱりよく見ると電線はあるのね。ひなげしの花が咲いた頃はキレイだろうに。

 

 

この写真、よく見るとさんざん文句言いながら撮影した高台の展望台からのポイントだ。意外と悪くなかったのかしら。いや、この写真もいまいちだ。

 

つまり、どこを向いても絵葉書のような写真が広がっているわけなんですよね。

 

季節を変えてまた行きたい!もっとワイン三昧したい!何にもしない時間を過ごしたい!