引き続き、オーベルジュ・バスクについて(前編はこちら)。オーベルジュと呼ばれるからだけに食事はなかなかのもので、朝食以外は宿泊者以外にも解放されています。レストランだけでなく、昼間はカフェ利用もあり、この緑いっぱいの空間にふらっと立ち寄ることもできるわけです。宿泊しない方で、このあたりをドライブされる方はふらりと寄ってみるのも良いかもしれません。
このオーベルジュの良さは、そのないようにみえて、きちんとあるサービス(おもてなし)です。「きっちりサービスしています」というようないかにものサービスというわけでもなく、おもてなしの心だけはあるけれど民宿的な距離の近さや田舎くささがあるというわけでもなく、洗練されていて、しかもおしゃれなのに格好つけていなく、前からここにいたような心地よさを感じるんです。「この緑と空と風を贅沢に味わってほしい」という気持ちと、それをサポートするためのやりすぎではないサービス。そしておいしい食事。ここに来たらぼけっと昼寝をし、太陽のまぶしさと日陰の心地よさ、吹き抜ける風に少しテンションをあげ、雨が降ったら木陰でしっとりと緑が塗れていくのを感じる。そんなことを感じてほしいので宿泊、それも2泊以上をオススメします。
さてさて、まずはここの朝食から。朝食は南側のレストランの一角でとることができますが、「外で食べてもいい?」と聞いたらもちろんOKで、2泊目は外でいただきました。この写真の太陽の下あたりにある外テーブルです。朝は日差しがいっぱいです。
これがその朝食!一日目にダイニングで食べているところです。私は大きなポットにたっぷりのコーヒー、やまぴーは南部鉄器に入った紅茶。パンはガトーバスクを含む4種類、ヨーグルトにルバーブとナッツのジャム、それに選べるフレッシュジュース。パンケーキにはハチミツをたっぷり。これで16ユーロ。28ユーロのもうワンランク上の朝食は見ていないけれど、これ以上豪華にするってことはハムや野菜や卵が付くのかしら。
翌日は外で。バスク・リネンのカラフルな色が朝の日差しに映えてすがすがしい~。パンは食べきれないので持って帰ろうと思い、ナプキンがほしいと言ったら、このレストランのおみやげ物を入れる上等な厚い紙袋を持ってきたからびっくり。みんな持って帰ったりしないのね。となりのテーブルもほとんど残していて、朝食に喜びを感じている様子もなし。こんなステキな空間と贅沢な朝食をもっと満喫しようぜ~、フランス人♪
どちらかと言えば好んでヨーグルトを食べない私ですが、このヨーグルトは濃厚で牛乳の味がしっかりして酸味も少なく、もちろん甘くなく、とってもおいしかったの。ナッツ入り手作りのルバーブのジャムとベストマッチで毎日食べたいヨーグルトでした。EKIAというヨーグルトでバスクで生産されているみたい。調べてみたけれど日本では売っていないヨーグルトだったよ。残念。
続きまして夕食。夕食は20時以降の予約なのですが、まだ20時はこちらでいう夏の17時くらいで結構強い西日です。料理は基本的にはコースで、前菜とメインの数で値段が決まります。初日は前菜とメインが二つの36ユーロのコースを選択(調べたら値上げしているよう)。一つ星の味がこのお値段で食べられるのはとってもお得。でも正直、料理のことは詳しいことは忘れてしまいました・・・・。細かいことをかけなくてスミマセン!やっぱりブログは記憶の新しいときに書かなくちゃダメだな、反省。
私はグラスのシャンパンやワインでしたが、お酒を飲まないやまぴーは、終始このプランツドリンクを選択。お茶という感じではないらしいがとても気に入っていた様子。
アミューズ。瓶に入っていてフタを開ける仕組みになっているの。やっぱりアミューズはわくわくしないとね。下にひかれた唐草模様のプレートステキでしょ。
初日の前菜。盛りつけはさすがフレンチ。美しい~。
やまぴーの初日の前菜。中からどろっと黄身が。
私のメインは肉。
やまぴーのメインは魚。いろいろな種類のにんじんを使っているとのこと。
デザートの時間になってようやく日も暮れてきました。
このデザート共にコーヒーや紅茶がだされるんだけれど、紅茶を入れるポットに南部鉄器を使っていたのは印象的でした(朝食の写真参照)。そして添えられたのはこんぺいとう!ふたりで喜んでしまったのですが、これは紅茶に入れるお砂糖として使うためだったようです。そういう発想は日本人にはなかったけれど、いやいややっぱりこんぺいとうは口に含んで、あの凹凸とやさしい甘みを舌の上で感じるのがいいんじゃないかと思います。日本のいいところをうまく取り入れようとする気持ちがここでも、ムガリッツでもあったけれど、若干日本を勘違いしているのは、「ブレードランナー」の頃から変わらないですね。
私たちの席でいつもステキな笑顔を振りまいてくれていたのは、この写真の右手の男の子。はにかんだ笑顔がかわいいんですよー。この日はパリ祭の日だったから、この田舎町でもなにかイベントがあるのかと思ったのですが、何ら変わらず。「パリでは花火が上がるよ」と教えてくれました。パリ祭だからか、家族三代で来ているお客様もあり、私も少しだけパリ祭の雰囲気をいただけました。
そうそう、歩いて2キロほど先の大きなスーパーに行ったんですよ。そうしたらエスパドリーユが5ユーロだったんです。定番の白を二人で履いて、るんるん気分の足下です。もっと他の色も買っておけば良かった。
二日目の夕食。前日のコースの量が多く、メインは1品でいいねということで、26ユーロのコースを選択。これは料理も決めうちなので、ふたりとも同じものを食べました。まずはアミューズ。
前菜は、根菜を中心とした野菜仕立てのもの。
そしてメイン。
今日もデザートを食べる頃になって日が暮れていきます。すてきやん~。雲が遠く感じるよ。
刻んだナッツがのったプディング。ル・クルーゼの使い方がうまいなぁ。こんな風に冷やす料理に使ってもステキなのね。
イケメンオーナー兼シェフのセドリック・ベシャド。デュカスの元で修行を積んで基本のフレンチを学び、バスクの素材を使った料理を提供することにしたんですって。料理の腕もさることながら、古民家を買い取ってここまでセンスのあるオーベルジュを若くして作り上げるとはすばらしい。
最後にいつもチョコレートがでるんですよ。でもお腹がいっぱいで食べられないんです。ここでもまた朝ご飯の時のようにナプキンをくれというと、「なんで?」と聞くんです。「部屋で食べたいの」の言うと、「皿ごともっていけばいいよ」とのこと。オーベルジュならではの当たり前と言えば当たり前のサービスに、これまたすてきやん♪と思いました。
フランス側のバスクに行かれる方は、ぜひぜひ海から少し離れたこの丘の上のオーベルジュにも止まって欲しいです。
オーベルジュ・バスクのホームページはこちら。