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アートな直島への旅:その3家プロジェクトとか地中美術館とか

直島での食事は全般的にいまいちで、瀬戸内海の海の幸が楽しめる店とか、気取っていないけれど安くておいしい店とか、なかなか見つけることができなかった。その中でも島唯一のうどんや「山本手打ちうどん」はさすが香川県、おいしい讃岐うどんがいただけました。本来、讃岐うどんはもっと安価なものだろうけれど、島価格。そこは否めない。
これはたしか肉うどんだったような。500円ちょっとくらい。
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こっちはぶっかけうどん。たまごトッピングするの忘れたよ・・・。コシの強い麺がすごくいい。するするとあっという間に食べ終わる。観光客と地元の人と半々で賑わう店だったよ。ただベネッセハウスからは不便な場所にあるので、車かバスがちょうどいい時間に来た場合じゃないと行きにくいよ。となりは島一番の大きなコープです。
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港とベネッセハウスのあいだくらいにある本村地区では、いたるところで家プロジェクトがある。この家プロジェクトとは、アーティストがもともとあった民家を利用してアート作品を展示しているもの。家そのものがアートであったり、中に入ると外観とは思いもよらないようなアートが展開されていたり、歩きながら驚きを体験できる。写真を撮れるものは少なかったんだけれど、この大竹伸朗の「はいしゃ」はとっぴおしもなくて笑ったよ。もともと浴室があった場所には、あのお台場にあった自由の女神。入浴=ニューヨークをかけてるんだって。あほくさくておもしろいー。
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二階の窓の奥に巨大な自由の女神が見えるでしょ。この自由の女神を入れるために、天井を開けてクレーンで吊る仕入れたんだって。
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安藤忠雄が建て替えた「南寺」と言う家プロジェクトがあって、そこは中に入るとジェームズ・タレルの作品になっている。まっくらやみを案内されながら壁伝いに進むと、そこには椅子。目を凝らして暗闇を見続けると、次第に暗闇の先にぼんやりとスクエアの光りが見え始め、目が慣れれば歩けるようになる。そういう作品。このジェームズ・タレルは、今後追って行きたいアーティストのひとりになった。写真で見せられないのが残念。
「角家」と言う宮島達男の作品は、古民家に一歩足を踏み入れると、和室に一面に水が張られ、その水の中には無数のデジタルカウンターがそれぞれのスピードでカウントアップ、ダウンしている。うすぐらい和室に不自然に水が張られ、そこにさらに不自然なデジタルの明かり。不自然なのになぜか調和していて気持ちがいい。寒くて板の間に座ってみているのが苦痛だったけれど、暖かければここでお昼寝したいなぁ。
写真はその角屋の外にいたねこちゃん、名前聞いたのに忘れちゃったな。人懐こくて、写真を撮ってくれとばかりに近づいてきたよ。
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島の奥にある「地中美術館」は安藤忠雄が設計した地中にある美術館。写真はNGでした。建築そのものが作品になっているほか、あのモネの巨大な「睡蓮」が6枚も展示されている。「展示」と言うとうまく伝えられていない気がするな。建物と、差し込む光と作品がどれも見事に調和しているんです。きっと「睡蓮」の表情も天気や季節で違うんだろうな。
ここで気に入ったのも「南寺」のジェームズ・タレル。「オープン・スカイ」は天井がスクエアに切り取られた空間。私が訪れた日は気持ちの良い小春日和で、スクエアから見える青空が気持ちよく、光がふんだんに取り込まれて、気持ちよかった。天気の悪い日もあれば、夕焼けの時もあるんだろうな。今度行く時はきちんと計画して、ここのナイトプログラムに参加しよう。日没にかけての時間の特別鑑賞で、さまざまな色で照らして鑑賞できるらしい。
直島の良いところはまだまだあるのだけれど、この島の良さはのんびりとアートともに時間を過ごすことかなぁ。夏は混むらしいし、このアートを暑い中見るのは簡便なので、小春日和のこの季節に行ったのは正解だったかもしれない。
と言うわけで、現代アートに感化されてしまって、来週、金沢の21世紀美術館に行くことにした!こうやって刺激されていろいろトライするのが楽しい毎日です。
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アートな直島への旅:その2屋外アート

直島にはベネッセハウスに泊まらなくても観ることができる数々の屋外アートがある。その代表的な直島のシンボルにもなりつつあるのが、この草間彌生の「南瓜」。
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これは午前中に撮影したもの。この日は私が滞在した三日間の中で唯一青空が望めた日で、雲ひとつない!ベネッセハウスのパークの近くの埠頭にポツリと座っている。海が透き通るようにきれいで、内海だからか、天気が悪い日も海が荒れているように見えることはなかったな。おだやかな海。
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以前、草間彌生展をどこかの六本木ヒルズの美術館で見たときに、そのどぎつさに辟易してしまった。目に見えるものすべてが水玉と原色。遠近感がわからなくなって気持ち悪くなった。でもここで観るこの水玉の巨大な南瓜は、瀬戸内海の海や青い空に溶け込んでいる。作品を観る場所って重要なんだな。あ、直島の良いところってそこなのか!
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こちらは夜の南瓜。バックは高松の夜景。大きな船が通りすぎる様子が光の帯でわかる。
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蛇の抜け殻みたいで不気味。
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こちらは、宮浦港の桟橋近くにある赤い南瓜。船の出航が迫っていたので、船上から撮影。こちらの南瓜は中にも入れるみたい。
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これはミュージアム近くの海岸の屋外アート二つ。埋まった船。誰もいない浜辺。
大竹伸朗の「シップヤード・ワークス 切断された船首」と「シップヤード・ワークス 船尾と穴」。
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朝日に照らされる穏やかな瀬戸内海の海。海苔の養殖をしている風景がいたるところで見られたんだけれど、この岩についた緑の藻は海苔?こんなに緑色はしていないか?
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朝日に照らし出された三枚の金属の板。ジョージ・リッキーの「三枚の正方形」
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パークのカフェの前の水辺。高松の夜景が空に写って幻想的。このオブジェは風でゆらめくんだけれど、重さが違っている。左のほうが軽くゆらめきやすい。寒い寒いと言いながら写真撮影したけれど、ホントはこんな風景を見ながらお酒飲んだらステキなのに。
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今こうして写真を見ていたら、また行きたくなってきたぞ。
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アートな直島への旅:その1ベネッセハウスと島の食事

瀬戸内海に浮かぶアートで有名な直島に行ってきました。三菱マテリアルという銅の精錬所ではげ山化していた島を、ベネッセと共にアートな島に進化した直島。最初はアートになじみの薄かった島民も今では誇りに思っているのが肌で感じられるステキな島です。
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周囲数キロの小さな島ですが、起伏もあるため歩きや自転車で回るには少々苦労するものの、ベネッセハウス宿泊者専用のバスや町営のバスも1時間に1本ほどはあるため、計画的に回れば車は必要なし。この不便な感じがいいって安藤忠雄も言っていたけれど、本当にその通りだな。この島の見所は瀬戸内海のキレイな海と気さくで優しい島民、そしてそこに溶け込むアート。だからせかせか車でささっと見ることはオススメしません。
島の見所は大きく分けると5つ。この5つを堪能するには、一泊では無理。宮之浦港近くに民宿はあるけれど、予算に余裕があれば安藤忠雄の建物そのものを楽しめるベネッセハウスに是非泊まって欲しいです。
 ・ベネッセハウス自身の安藤忠雄建築の素晴らしさ
 ・本村地区の家プロジェクト
 ・島中に点在する屋外アート
 ・地中美術館
 ・瀬戸内海の島々と海の美しさ
ベネッセハウスは、ミュージアム、オーバル、パーク、ビーチと4つの棟に分かれているが、おすすめするのはミュージアムかオーバル。ミュージアムはその名の通り、美術館内の宿泊。洗練された部屋の作りそのものがアートだし、直島からのすばらしい眺めがパノラマの窓に映し出されるのが魅力。向きは西なのですが、あいにくの天気で夕焼けはおがめなかったけれど、宿泊者には16時半から17時の夕焼けタイムにミュージアムカフェでシャンパンも配られる。ゆっくり流れる時間に身をゆだねるのが気持ちいいよ。
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写真はミュージアムの部屋からの眺め。あいにくの天気でガスっているけれど、晴れていれば瀬戸大橋が拝めるそう。あの三角の島、半分は香川県で半分は岡山県らしい。
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オーバルはミュージアムから専用の小型モノレールで登った高台の上にあり、ベネッセハウスの宿泊者しか足を運ぶことはできない。
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モノレールは手動でボタンを押して動き出す。なんだか楽しい。そうそう、ミュージアムとオーバルは子供は泊まれないので、大人だけの空間を楽しめます。
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ミュージアムからは南から西にかけての海しかみることができないが、このオーバルの屋上に上ると、ほぼ360度の眺めを楽しむことができる。朝焼けを拝みに二度来てみたが、二日目の日の出を拝めた朝は私たちしか人はいなかったよ。
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オーバルとは楕円という意味で、楕円の池を囲むように部屋が配置されている。安藤忠雄もこのオーバルには思い入れがあるってホテルの人が言っていたな。空や光、水をうまく取り入れたシンプルな作りがぐっとくるんだよね。いつか私もオーバルに泊まってみたいなぁ。
比較的最近できたパークは外観こそホテルだけれど、木をうまく取り入れた梁や傾斜した天井がなんだか心を落ち着かせる。明るい廊下ですら、光がうまく差し込む作りに心和む。やっぱり民宿じゃなくてベネッセハウスに泊まって良かったなと思わせてくれるよ。
パーク内にも作品が展示されていて、安藤忠雄建築と作品が融合した作りには目を見張る。私はスパとアートショップの間にある、水色の壁に埋め込まれたガラスのチップの作品が気に入った(テレジータ・フェルナンデスのブラインド・ブルー・ランドスケープ)。昼と夜ではまったく違う顔を見せるし、緩やかにカーブしたその壁は斜めから見るのと、真正面からみるのではこれまたまったく違う。22時過ぎに三脚をたてて撮影していてもほとんど人はいないから心ゆくまで撮影できたよ。
夜はこんなかんじ。
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昼。ぜんぜん違う顔を見せる。
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あとあと、町のお好み焼き屋のご主人と話してわかったのだけれど、この時期は直島の閑散としているらしい。ベネッセハウスのサイトで宿泊状況を見る限りでは週末はほとんど埋まっているようだけれど、民宿泊や観光のみの人はぐっと減るみたい。すいている冬か混み合う夏か、選ぶなら私は前者かなぁ。
旅で私が一番大事にする「食」については、この直島では期待はずれ。ベネッセハウスの夕食は、パークにある洋食か、ミュージアムにある和食の二択で、どちらもアラカルトはなく、5,000円程度からのコースのみ。メニューは部屋にも置かれていたから、ほとんど毎日同じメニューなんじゃないかなぁ。連泊するときは考えてくれるのだろうか・・・。
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写真は洋食の朝食。たしかバイキングで2300円くらいだった。おいしくて満足だけれど、その前の晩に街のお好み焼きで食べた食事が二人で3000円くらいだったから、物価は異常に高い。でも朝日に照らされながら、キラキラひかる海を見ながら朝食をとる贅沢はお金に変えられないのかもしれないです。
もう少しベネッセハウスについて。
建物そのものが素晴らしいベネッセハウスは、パークのロビーですら素敵。こんな当たり前の空間にお金を払っていると思えば、ベネッセハウスも決して高くはないです。問題は食事だけかなあ。
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