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【バスクへの旅その3】サン・セバスティアン(San Sebastian)の食以外についてつらつら

バスクへ行こうと決めて、いったいバスクがどんな地で、どうやっていけばいいのか調べるのにはちょっと一苦労した。行きたいと本気で思ったのは、2008年の雑誌「旅」のバスク特集、決め手は去年NHKが直木賞作家が食べるヨーロッパの田舎旅特集の「角田光代のバスク」だった。ネット上にも情報はあるけれど、まだまだ情報が少ないので記憶があるうちに書き留めておきたいと思う。今回はサン・セバスティアンの食以外について。

ちょうど私が訪れた7月の第二週はスペイン三大祭のひとつパンプローナの牛追い祭りが開かれていた。パンプローナは南に50キロほどの街なので、このサン・セバスティアンにも牛追い祭りの衣装を着た若者で溢れかえっていた(写真で見えるかな)。衣装は白の上下、首には赤いバンダナ、腰には赤いスカーフのような物。イッテQで見た記憶が強かったけれど、こんなに街が盛り上がっているとは思わなかった。パンプローナにはAMARA PLAZAの高速バスから行けるみたい。私たちはAMARA PLAZAのホテルだったから、ビルバオからのバスも、ビアリッツ行のバスでも便利だった。AMARA PLAZAからは旧市街へ向かうバスが頻繁に走っていて、確か28番、26番は行けた。28番はなぜか帰りは7番だったけれど、たくさんの人が乗るからすぐわかる。

街には二つの高台で囲むようにコンチャ湾があって、スペイン屈指のリゾート地。アチラコチラにトップレスのキレイなお姉さんが目に付く。うつぶせレベルじゃない、そのまま歩いているからびっくり。この写真はUrumea川を超えた向こう側の湾で、サーファー達がいっぱい。

西の高台はケーブルカーで行ける。旧市街地前の大通り16番のバスから行ける。不安だったらバスの運転手に「フニクラに行く?」って聞けばOK。バスは一律1.4ユーロ。ケーブルカーは片道か往復か選べて、往復は2.6ユーロ。

眺めは素晴らしい。夕焼けの時間に行きたいが、私たちが訪れた7月の日の入りは21:45。ケーブルカーは確かその時間までやっていないので帰りは歩きで降りる必要あり。でも大したことない距離だと思うよ。

このあとフランス側のバスクに行ってよくわかるんだけれど、スペイン側のバスクの街は道がとっても広い。いつも車の運転に慣れていない人でもあんまり苦労しないかも。その分、フランス側のビアリッツやサン・ジャン・ド・リュズは狭くて路駐だらけでしかも一通が多く、道は曲がりくねっているので、地図を読むのが得意ではない人は苦労するかも。その点、サン・セバスティアンはわかりやすい地形だし、人が集まるのはバルのある旧市街だから買い物だって食事だってわかりやすい。

お菓子屋はどこで買っても絶品、カフェも併設されていて遅くまでやっている。ガトーバスクはもちろん、クラシックなタルトの種類は多く、チョコレートの種類も半端ない。ひとくちサイズのものから大きなものまで、フルーツやナッツの使い方も見事。ホテルの高い朝ごはんを食べずにこういうお菓子を買ってすましていたけれど、安くてうまくておすすめです。

旧市街のマクドナルドの隣では規模はそんなに大きくないけれど朝市が出る。魚や肉は地下らしい。お花からはちみつ、野菜、加工品まで豊富。この豆とトマトと唐辛子のセットは何の料理のためにあったのだろう。

塩だらを使った料理は多く、旧市街には塩だら専門店があり、一本買いから部位別まで干して塩をしたタラだけでさまざまな種類がある。有名なピルピルは機会がなくて食べることができなかったけれど、次回は絶対食べると決めた。塩だらは持ち帰ろうとしたが、女店主にあっさり止められた。残念。日本で手に入る場所はないかなぁ。

こっちのバルは夜だけの営業ではなく、昼間もやっている。行きたかったBorda Berriはタイミング悪く行けずじまいだった。。。残念、次回の課題にしようと思う。

以上、サン・セバスティアン3日間の滞在でわかったことでした。これから行く人のための参考になればいいなぁ。

【バスクへの旅その2】サン・セバスティアン「GOIS ARGI」の立ち飲みバル 10点

バスク初の街は、スペイン側最大の街San Sebastian(サン・セバスティアン)。海沿いのリゾート地で小さな旧市街地に100件以上ものバルが軒を連ねていたり星付きのレストランが密集していたりと美食の街として有名。日本からやっとついたのが夜の9時半ごろだったのだけれど、さっそく市内バスで旧市街地に向かいバルへ。市内バスは一律1.4ユーロでたくさん走っているのでとっても便利。24時間周遊券が12ユーロであるみたいだけど、その都度払ったほうがお得みたい。

バルについては数年前の雑誌「旅」やツイッターで出会った人に教えてもらい、たくさんある店の中から滞在中3軒4回まわることができた。この「GOIS ARGI(ゴイスアルギ)」はあまりにも安くておいしかったので2回行った店です。一回のバルはふたりで1杯ずつ飲んで、ひとり2品ずつくらい食べて10ユーロちょっと。高くても15ユーロ程度。胃袋の小さい日本人は量を調整できるので合うみたい。

ここではみんな白ワインはチャコリと呼ばれる大衆ワインを飲む。発泡を抜くためにこんな風にして高いところから注ぐのがかっこいい。このチャコリ、地元で90%は消費して外にはでまわらないそう。この店ではたったの2ユーロ。町の酒屋で2瓶ついつい買ってしまったけれど、7ユーロ程度ととっても安かった。シードルもこの地発祥のお酒。


店の外まで人が溢れかえっていて、おしわけおしわけ入っていって、無理やりカウンターを陣取った。注文の仕方も流儀もわからないまま、指差しと隣のスペイン人のアドバイスで注文する。英語はあんまり通じないんだけれど、第二外国語がスペイン語でよかった。数字とかちょっとしたあいさつとか思い出したよ。オラ!とアディオス!とグラシアス!覚えてた・・・。その程度でも笑顔さえあればどうにでもなった。フランス側のばすく含めて全体に言えることだけれど、どこの街も治安が良くてきれい、人々はやさしくてフレンドリーで愛想が良い。

この店の名物、海老の串焼き1本2ユーロ。この店のピンチョスは注文が入ってから作ったり温めたりするから、どれも温かい。この海老、すごくうまい。柔らかくて、上にのっているにんにくと玉ねぎベースのソースがうますぎる。やみつきになる味なんだけど再現できそうにない。ソースは下のパンに染みこんでこれまたうまい。二回目に昼間に行ったとき、女将に若干余裕があって話ができたときに「これはこの店のスペシャルよ!」と教えてくれた。この店に来た人はみんなこれを注文している。

赤ピーマンのバカラオ(塩だら)詰め1.8ユーロ。この地では塩だらメニューが豊富。ソースは赤ピーマンと生クリーム。とても立ちのみとは思えない作り込み。こういうソースがうまい料理が出てくると、さっとパンが出てくる。最後の一滴だって残したくないうまさ。

生ハムの入ったクロケッタ。揚げたてで中からクリームがとろっと出てくる。生ハムのクリームコロッケって考えたことなかった。今度やってみよう。

左は地元で採れる毛蟹チャングローの肉と味噌を和えた物1.8ユーロ。毛蟹を使った値段とは思えない。肉はたっぷり、味噌の濃厚さがたまらない。注文されてから表面をこんがりさせるから香ばしい。他のバルでもこのチャングローを食べさせる店があった。

右はボルチーニ茸かなぁ、何かのキノコと生ハムの炒めた物。パンの上に載せるとうまい。

種類が多くて食べられなかったけれど、いわしを使ったピンチョスは豊富だったよ。

バルのお会計は結構いい加減。注文したときにその分を払ってもいいし、あとでまとめて払ってもいい。ただし申告制で現金のみ。料理はピンチョスと言われる串に刺さったりパンにのったものが多いから、手がとっても汚れる。紙ナプキンで手を拭いたらそのまま床へ。串だって床にぽいっ。このゴミの量が通りからバルをのぞいた時の流行り具合の目安になるってわけ。そのままカウンターの上においていたら、お店のおいちゃんにドヤ顔で下に落とされた。流儀を教える方法も嫌味一つないところがいい。

またバルではひとつの店でお腹いっぱい食べちゃいけない。1杯のんで数品頼んで、ささっと会計をし、また別の店へ行ってお気に入りの料理を注文する、そういうハシゴが常識。自分流のバル巡りを見つけられればいっぱしのサン・セバスティアンっこになれるわけで、あこがれちゃうなぁ。

この店は近所にあったら毎日行ってもいいな。昼からやっていて、昼はコーヒー飲んでいる冷ベビーカー引いてくる人もいる。

バルはもう2軒行ったので紹介出来ればいいな。

【バスクへの旅その1】日本からバスクに乗り込んだよ!

今年の夏休みは、かねてから行きたかったバスク地方へ。バスク地方はスペインとフランスにまたがる四国程度の大きさの7つの県をもつ地方で、バスク語を話すバスク人が住む文化的にまわりの地とは独立している地方だ。特にスペインにある三星レストランのうち3件がこのバスク地方に密集している美食地帯。国内一のバル街があり、今私がいるサン・セバスティアンだけで100件以上のバルが旧市街に密集している。

このバスクの地に日本からスムーズに乗り込む交通手段にはちょっと苦戦した。今現在、スペインに行ける直行便はない。バスクに行くには、ビルバオ空港、サン・セバスティアン空港、ビアリッツ空港、パリから鉄道と選択肢はあるんだけれど、日本からヨーロッパの主要都市に降り立ち、それらの空港にスムーズに乗り継げる便があんまりないんだ。特にサン・セバスティアン空港はスペイン国内からの便しかないし、ビアリッツ空港へのパリからの乗り継ぎはあまりにも待ち時間が多い。パリで一泊し、TGVでフランス側のバスクからボルドーを経由してスペイン側のバスクへ行く方法もあったけれど、今回は、ルフトハンザ航空でフランクフルトに入り、ビアリッツ空港に行くプランを取った。ここまでの結論にいたるまでに、1ヶ月くらいかかったよ。震災前の話です。

ラッキーなことに、フランクフルト行きの便はA380!日本ではまだシンガポール航空とルフトハンザ航空でしか乗ることができない。ルフトハンザ航空でも15機注文してまだ8機しか納品されていないそうだ。二階建てでエコノミーの席のピッチもかなり広く、包みこむようなシートは疲れない。ヨーロッパ行きの飛行機でここまで疲れがなく乗れたことは初めてかもしれない。この機体は乗る価値アリ。みんなちゃんとこの機体の素晴らしさを理解して乗っているのかなぁ。

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機内での食事は3回。朝の9:30の便で11時間程度のフライトで到着は15:30。時差はあるけれど、昼間が長ーい感じ。出発してから2時間程度で3食のうち一番豪華な昼食に。牛肉の柳川丼など、和食を選択。味付けは甘くて濃いけれど、とってもまとも。

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一緒に行ったやまぴーは、面白半分で乳製品有りのベジタリアン食を事前に注文。野菜カレーは結構いける。そうそう、ルフトハンザカラーの食器がどれもすてき。もって帰りたかったよ。

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私の夕飯はチキンを甘く煮込んだものに煮しめを添えて。これもまとも。

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こちらはベジタリアン食。肉の代わりに厚揚を使った煮込みときし麺のようなもの。

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突き抜けるような青い空と共にフランクフルト到着。空が日本じゃない、ヨーロッパ。そしてあたりまえだけどルフトハンザの機体だらけ〜。入国審査はここですませ、トランジット。その間に買い物できるエリアは広く楽しいー。やまぴーはリモワとルフトハンザのコラボショップに夢中。限定のルフトハンザカラーのイエローの旅行カバンがめちゃくちゃほしくなっていた。あのカラーリングは日本ではほとんどみないし、値段も日本で買うより安いから買いだと思うなー。

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フランクフルトからビルバオまでの便では日本人がひとりもいなかった。身長2メートルはある高校生のバスケットボール選手に右と後ろを囲まれ、むさくるしく圧迫感のある2時間を過ごしてあっというまにビルバオに。ビルバオ空港はとっても小さく、閑散としている。そうそう、バッゲージレーンはEUとEU以外で分かれているから注意。なかなか荷物が出てこないなぁと思ったらレーンが違ったよ。

ビルバオ空港からサン・セバスティアンまでは100キロほどあり、75分かかる高速バスが出ている。14.78ユーロ。この時期は1時間間隔で毎時45分に出発し、サン・セバスティアン新市街のAmara Plaza前の高速バス乗り場に着く。結構遅くまで出ているから便利。タクシーだと100キロはあるのでかなりの金額になりそう。高速バスは広くてゆったり快適。車窓はまさに山バスクで、放牧されている牛や羊、ろば、ぶどう畑、なんだかすごい奇岩の山々が見えて全然飽きない。サン・セバスティアンという街の名前は、バスク語である「Donostia」と記載されていることがあるのでバスに乗ったりするときは要注意。

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サン・セバスティアンと言えば、小さな街なのに100件ものバルがひしめく美食の街!2キロほど離れた旧市街までバスで移動する。Amara Plazaからは旧市街へ向かうバスは頻繁に出ていて、ひとり1.4ユーロだった。その場で運転手に現金払いできる。旧市街に入ると急に人が増えて街がにぎやかになるのですぐわかるかも。

さてさて、旅の途中にどれだけ記事がかけるかわからないけれど、次はバル巡りについて書きたいと思います。Hasta la manana!

庄内「アル・ケッチャーノ」のディナー 9.5点

ずっと行きたかった山形県鶴岡市にあるイタリアン「アル・ケッチァーノ」へ。今年の3月に予定していたのに震災で行けず、「JR東日本パス」で1日1万円でJRが乗り放題だというので、思い切って一緒に行く相手が決まらないまま予約してしまった。今回の旅は、私の場合あと6万食しかない毎日の食事について、「どこで、誰と、何を食べるか」をゆっくり考える良い機会になった。

コースは、3000円台、7000円、1万円の3コースが基本で、素材は惜しみなく使って欲しいけれど量はほどほどの(それでも多い)7000円のコースに。この店はずっと行きたかったので、雑誌「クロワッサン」に掲載されていた奥田シェフのコラム本「田舎町のリストランテ、頑張る」でしっかり予習してきた。この本を読んでいると食材宝庫な庄内はもちろん、日本という四季のある国に誇りを持てる。なんて豊かな国に産まれたんだろう。もしも「アル・ケッチァーノ」に行くことになったらこの本を読んでから気分を高めてから行くことをおすすめします。

私が頼んだコースはドルチェを入れないで全11品。いろいろな食材が楽しめるように一皿の量はとても少ない。それでも11品をゆっくり3時間以上かけて食事をすればお腹はかなりいっぱいになる。

本にもあるんだけれど、この店の料理は庄内浜でワラサがとれない場合をのぞいて必ず「庄内浜のワラサと塩」というメニューから始まる。ワラサは、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリとなる出生魚で、脂ののった冬の旬に食べるのが一般的だけれど、この夏の時期の比較的淡白なワラサを塩とオリーブオイルだけで食べる。つまり、食材の味が一番わかるシンプルな味付け。塩は「月の雫の塩」というもので、庄内の海が星の力によってちょうどいい具合になった年に数日しかない日の海の塩だそう。庄内の海の香りと、オリーブオイルの青さと新鮮なワラサを口いっぱいに感じる一口です。

最初の一品目で食欲がグッと増して、テンションが上がる、最高の前菜です。

2品目は「庄内浜のオオイヨのセビーチェ」。「塩とオリーブオイルだけ」の料理に少しずつ食材と調味料が加わります。セビーチェとは柑橘系のマリネのこと。出すほんの直前に少しのレモンを加えたもので、塩とオリーブオイルを感じながら、庄内浜で取れた淡白なオオイヨとセロリ、そしてイタリアンパセリを感じる。オオイヨは初めて聞いた魚なのですが、日本海で取れるかなり大型の淡白な白身魚なようです。奥田さんが魚の頭を被っている写真を見せてもらいました(笑)。

3品目は「自家製ヤギのリコッタチーズとフルーツトマトの冷たいカッペリーニ」。枝に付いたままで熟した「樹熟トマト」を使用。ただ甘いだけじゃなく酸味もあり、トマト自身の味が豊か。この豊かさのおかげでバルサミコ酢を使わなくてもカッペリーニのしっかりとした味が出せるとのこと。チーズは自家製のヤギの搾りたてのミルクで作っているからか、驚くほどフレッシュ。こんなにおいしいリコッタチーズは食べたことがない。ここに白い皿なので目を凝らさないとわからないのですが、宮古島の「雪塩」がふってある。カッペリーニ自体はこのままでも十分おいしいんだけれど、このたった一口にも二段階の味が用意されていて、リコッタチーズにこの塩をつけて食べるとまるでカマンベールのような変化を楽しめる。これはちょっと驚きでした。味だけじゃなく、サプライズも重要な食事の要素だよね。

4品目は「吹浦の岩ガキと鳥海モロヘイヤソース」。私が訪れた6月の半ばは岩牡蠣の走りで、途中の新潟の寿司屋でもおいしい岩牡蠣を食べさせてくれた。鳥海山の栄養分が流れ込んだ吹浦の岩牡蠣はぷっくりとしたミルクの部分が濃厚でとても大きいんです。そこに粘りのあるモロヘイヤとセロリとトマトをニンニク風味で。モロヘイヤって家庭で料理したことないけれど、こんな感じのソースなら白身魚のソテーにも合いそうだな。
5品目じゃ「キンカラ鯛と夏イカのズッキーニ」。キンカラ鯛って初めて聞いた。イカは真イカでとても柔らかく、ズッキーニはみずみずしい。
6品目は私がこのコースの中で一番気に入った「庄内浜の赤エビと庄内米“はえぬき”リゾット」。赤エビとは、この地方では甘エビのこと。でも東京でみるよりずっと大きくて立派で2尾でもしっかり主張する甘い身と味噌がたまらない。頭をしゃぶるのが楽しい。バーナーで香ばしくしてあり、山形のはえぬきでリゾットに。はえぬきもリゾットになるんだなー。
7品目は一口で一気にいただく「きゅうりのジェラート」。青臭くてジェラートなんてありえないと思いきや、この青い感じがいい。最近きゅうりが大好き。
8品目は、冒頭で紹介した奥田さんのコラム本の表紙にもなっている「月山筍の生ハム巻きフリット」。月山のそれも標高が1000メートル以上の場所でしかとれない高級食材である月山筍。この幻の月山筍を長い間研究して栽培できるようになったらしい。月山筍の皮と月桂樹の葉を一緒に風味付けに揚げてあるそう。さわやかなえぐみと生ハムの塩気、遅い月山の春を感じられる一品。幸せです。そうそう、この店からの月山の長めはすばらしかった。
9品目は「羽黒の丸山さんの“羊”スペアリブと糸カボチャ」。この丸山さんが育てている羊の肉は今までの羊の肉の概念を超える食感とうまみがたまらないんです。その脂身はいつまでも舐めていたいほど。黄色く見えるのは糸かぼちゃとパイナップル。見ても食べても味が似ているから不思議。
10品目は「サザエとインゲン豆のパスタ“オレキエッテ”」。個人的にはこの前、金沢から送ってもらったサザエが私の人生で一番美味しかったサザエだったんだけれど、これはただつぼ焼きにするわけではなく、オリキエッテと一緒に食べるのがいい。耳たぶ型の生パスタ「オリキエッテ」はサザエのスープをしっかり吸い込んでいる。そこに固くゆでたインゲンの食感。庄内の磯の味を口いっぱいに。
11品目最後は「庄内牛のローストと紅茶のタンニンを入れた人参ピューレ」。最後を飾るのにふさわしい美しく上質のロースト肉、ゆっくりとゆっくりと火を入れたらしく、中まで火は通っているんだけれど柔らかく、脂がちょうどいい感じで舌に当たる。人参のピューレがその味を盛り上げてくれるから不思議。
最後は「本日のドルチェ盛り合わせ」。少しずついろいろな種類を。うまく塩を使ったケーキ類が多く、量が多いコースでもぺろりと食べれてしまう。
イタリアンの食後はエスプレッソってのが流儀で、カプチーノは朝飲むものなんだけれど、私のお世話を心を込めてしてくれた新入社員久保くんが自分ができる料理はカプチーノだというので、カプチーノをいただくことに。彼の自信に満ち溢れているけれど、謙虚で前向きな仕事はきっとたくさんのお客様を幸せにするだろうことよ・・・。
残念ながら奥田さんはお店にいなくて会えなかったので、-0.5点。でも季節毎に庄内の味が食べられるから、初夏じゃない季節にまた来よう。サクラマスだって食べられなかった。前回、震災でいけなかったあとに会社の人がこの店を訪問するというのでサインをもらってきてもらった。その右には、いつか出世すると期待しているカプチーノを入れてくれた久保くんの初サイン。「店を出るまでボクのサイン見ないでください」と言ったときのあの表情、忘れられないな。


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幡ヶ谷「龍口酒家」のその日のおまかせメニュー 9点

会社帰りに新宿の高島屋とか東急ハンズで買い物をした後、高島屋デパ地下内にある「龍口酒家」によく行くんですよ。19時も過ぎちゃうと家に帰って自炊する気力がないからなんです。この、デリの一角で数席あるカウンターで食べる「坦々麺」や「里麺(りーめん)」という、この店独特の緑色の麺の料理を食べるんですけれど、これがうまいんです。安いのにあまりにもうまくて、さらにお店のおばさんの対応も良くて、本店のことを根掘り葉掘り聞いちゃいました。というわけでGWにさっそく行ってきました。

この店には基本的にメニューがなくて、ストップというまで料理が出続ける、串揚げ屋タイプの店。でもその心は串揚げ屋とは違っていて、ざっとまわりを見渡すと同じ料理がどのテーブルにも並ぶ。一度にたくさん調理することで、テーブルの人数が少なくても関係ないし、仕入れも安定し、食材を無駄にしないで旬のものを提供できるからとのこと。嫌いな食べ物もなく、シェフのおすすめのものが食べられるこの店のスタイルがひと目で気に入ってしまいました。

さて、GWの初日の割と早い時間だというのに、8割方埋まっていて、それも地元の人っぽい家族三世代の団体さんも多い。最初に出されるのはどのテーブルも同じく、定番の「大山地鶏のロースト カブの甘酢漬け添え」。パリっとした大山地鶏は冷えていても柔らかくてうまく、すっぱいカブが食欲増進に。

二品目は「黄ニラと金華ハムの塩炒め」。黄ニラは火加減ちょうどよく歯ごたえを残し、金華ハムの風味と塩加減の絶妙さがたまらない。

「フカヒレと衣笠茸のスープ」。私はまだまだフカヒレのうまさがわからない。。。この機会に復興したら気仙沼のフカヒレを食べて旨さを知ろう。

「金時草(きんじそう)の塩炒め」。金時草は加賀野菜だそうで、空芯菜のようなシャキシャキ感があり、塩炒めに最適。噛むとちょっと粘り気があって、加減のよい独特の味も。

「海老団子とそら豆の炒め物」。アツアツでふわっふわの海老団子に季節のそら豆。

「蝦夷鹿のカシューナッツ揚げ」。この店で一番印象深かったのはこれ。蝦夷鹿のような若干固めの癖のある肉を、薄く伸ばしてたっぷりのカシューナッツをまぶして揚げたもの。それを塩で。噛めば噛むほどと蝦夷鹿の肉の旨味がじわじわとでてくるし、香ばしさもスバラシイ。

「定番のシューマイ」は大きくてジューシー。持ち帰りもできるらしい。

シメは麺か炒飯かと言われて「炒飯」と言ってしまったんだけれど、後々考えれば麺にしておけばよかった。でも炒飯もいわゆる定番中の定番の炒飯で、チャーシューとネギ、卵の黄金の組み合わせ。こういうあたりまえのウマさがこの店の素晴らしだと思う。

なんで麺にしておけばよかったかかというと、ここには翡翠麺と呼ばれる見たことがない緑の麺があるから。この写真は高島屋デパ地下内の「龍口酒家」にある「里麺(りーめん)」なんだけれど、麺にはクロレラが練りこんであるらしい。食べてクロレラかーと思えるほど特徴的な風味は感じはしなかったんだけれど、つるつるとしっかりとした冷麺のような麺はなかなかうまい。そこにチャーシューとネギとザーサイをちょっと辛味をつけて混ぜてあるのが絶妙。

もうひとつ、高島屋デパ地下から、日替わりの坦々麺のセット。ザーサイにシューマイ、バンバンジーにマンゴープリンまでついて1000円行かなかったと思う。麺は同じ翡翠麺。

びっくりするくらい寂れた駅ビルの地下街にあるんだけれど、ここだけは賑わっていて、地元の人で溢れている。嫌いな物がない人なら、このお任せメニューに満足するはず。予算はひとり5000円行かないくらいかな。ランチはもっとおとくなセットがあるみたいなので、土曜の昼に脚を運んでみようと思う。混んでいるのかな。

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