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【京都特集】竹屋町通堺町「麺屋○竹」の中華そば全部入り 9点

Dscf0152京都でラーメン!?なんて思うでしょうが、京都って意外に有名なラーメン屋が多く、今じゃ東京にいくらでもある「天下一品」だって京都発。「ますたにラーメン」だって有名だよね。和風出汁のすっきりしたものばかり食べているとこってりしたものが食べたくなるのか、京都ラーメンって言えば豚骨。鶏と豚のどろどろとしたスープに私も若い頃は引かれましたが、今じゃ東京ラーメンみたいなさっぱりしたのが大好きです。京都に来てラーメンを食べようって思えるくらい、自分が京都に対して余裕が出てきたことがちょっとうれしい。
お目当てのこの店はそんな京都では一線を画している魚系スープがベースの店。ホテルを自転車で出て、京都御所から堺町通りを南下、人気のない竹屋町通りにこの店はある。あまりにも普通の住宅街なので、路地を何本も越えてしまい、郵便配達のおじちゃんに訪ねると一発で教えてくれた。当たり前か・・・。自転車だから路地を数本越えてしまうのもなんてことはないが、歩きだと思うと恐ろしい。
ちょうど入ると開店と同時だったらしく、二番着。朝ご飯抜きだったので、「中華そばの全部入り」確か1000円くらいを注文。話題の魚系スープにわくわくしながらできあがりを待っていると、ガスバーナーの炎がボーボーとすごい音を立てている。どうも「チャーシュー担当」の人が厚いチャーシューを網の上に並べ、火力の強いガスバーナーで両面を炙っているらしい。「俺、この仕事に誇りを持っています」という感じの顔つき。よく見ると、麺担当のお姉ちゃんも、奥でゆで卵を向いているお兄ちゃんも「この仕事スキです」っていう真剣な顔をしている。なんとなくこういう緊張感漂うラーメン屋って苦手。寿司屋で頼み方を間違えて叱られる雰囲気にちょっと似ている感じ。一番奥でチャーハンを作っている、一人格好が違う「哀川 翔」似の金髪兄ちゃんが店主か?
Dscf0154そんなことを思いながら飽きずに店内を眺めていると、ラーメンが私のもとにやってきた。魚系というか、甲殻系の良い香り。一見ならぬ一香ではラーメンって言う感じではなく、漁師が食べるまかない飯のような香りか(そんなもの私は食べたことがないが・・・)。スープを飲むと、なかなか奥が深くて、なんの魚とすぐに当てることはできそうにもない。あとで調べてみると、焼きアゴ、渡り蟹、干しエビ、さんま、貝柱に加え、タマネギも入っているらしい。ここまで魚系と一口でわかり、さらに麻薬的に口に運びたくなるスープは初めて。特にトッピングのあおさのりとつるっとした麺を一緒に食べると海の味が口いっぱいに広がってなかなかおいしい。これは癖になる。
ここのゆで卵はちょっとすごい。中を割ると半熟のよくあるラーメンゆで卵かと思いきや、黄身にすでに味が付いている。おそらく針か何かで刺してゆで卵の外から味付けを施しているのだろう。これは持って帰りたい。
ひとつ気に入らなかったのがチャーシュー。これは好みなのだろうが、厚切りの脂っこすぎるチャーシューがせっかく繊細なスープを壊してしまっているような気がする。3枚はいただけなかった。もっとさっぱりとした薄味のチャーシューの方が私にはあうような気がするんだけれど。
ちなみにチャーハンはいただけません。新しい物に挑戦する気持ちはわかるけれど、小・中・大の大きさまで用意するほどおすすめできるチャーハンとはとても思えません。
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麺屋○竹
京都府京都市中京区竹屋町通り堺町西入ル和久屋町101
075-213-1567
11時〜20時30分
月曜定休
麺屋○竹

【京都特集】銀閣寺道「一銭亭」の一銭洋食 7.5点

Dscf0009GWは京都に行って来ました。
今回の京都旅行のテーマは「新緑と読書」。自転車を借りて街をまわり、緑を楽しんだりのんびりと本を読むという優雅な旅です。こんな旅ができるようになったのも大人になったのかなって思います。
GW後半は最終日を除いて見事な快晴。Tシャツ一枚で自転車をこぐとうっすら汗が出るほど。
初日のお昼はあまりたくさん食べてしまうと夕食が食べれなくなるかもしれなかったので、銀閣寺道にある「一銭亭」で一銭洋食にしました。一銭洋食は、昭和の初めの頃に京都で親しまれていた食べ物で、小麦粉を水で溶いて九条ネギや桜エビ、紅ショウガなどを入れて鉄板で焼いた物。お好み焼きのルーツだそうです。まぁ目玉が飛び出るほどおいしいっていうわけではないけれど、500円程度で食べられるちょっとお腹にたまるおやつって感じでしょうか。ただの薄っぺらいお好み焼きだと物足りないけれど、さすが京都、九条ネギを使っているあたりが味に深みを出しています。ちょっとした有名店なので、銀閣寺近くに来たら是非。あの「なかひがし」のすぐとなりです。
Dscf0024銀閣寺道からそのまま哲学の道に入り、新緑を満喫しようと思ったらすごい人混み・・・。ちょっとイヤになったものの、前回訪れたときに焼いた八つ橋を売っている店があってその香りに誘われながらも買わずに後で後悔したことを思い出し、今回こそと思いその八つ橋の店へ。300円の形の悪い八つ橋を購入。個人的には生八つ橋より焼いた八つ橋の方が好きかもしれない。ちょっと硬くてぱきっと割れ、ニッキの香ばしさがやみつきになるんですよね。
写真は、新緑が気持ちいい哲学の道。一部八重桜がまだ咲いているところはあったけれど、ほとんどの桜は花が終わり、一部山吹が咲くところも。花と言うより、新芽がどんどん大きな葉になり、どんどん光合成をしている力を感じられるそんな緑でした。川の流れに八重桜の花びらが流れているところもステキでしょ?
Dscf0040_1その後、JR東海のCMでおなじみの「そうだ、京都行こう」で、GWまでポスターに使われていた「安楽寺」へ。「安楽寺」は通常非公開で、GWとこのツツジやサツキの時期のみの公開。だからツツジやサツキが咲き乱れていると思いきやまだちょっと早かったよう。ポスターのようにまでは行かなかったけれど、こぢんまりした敷地はとっておきのお寺を見つけたような気持ちに。裏手はもうすぐそこが山で、その手前に小さな庭があり、まあるくきれいにカットされたサツキのほんの一部に花がつき、紅葉はまだ薄い黄緑で風にさらさらと揺れて、なんとなく心臓の鼓動がゆっくりとするような感覚に。ぼけーっとその庭を見ながら縁側でなんにもしませんでした。写真がそのお庭。本当はJR東海のポスターと同じ写真をここに載せようと思ったのですが、私にはこのお庭の方が印象的でした。「春と夏の間に、いったいいくつ季節を隠しているんだ、この町は」って本当に京都にぴったりなキャッチコピーだなって思います。
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茶房 一銭亭
075-751-9440
11:00〜20:00
火曜日定休
一銭亭

京都「草喰なかひがし」の夜メニュー 10点

DSCF0119最近好きな言葉は「hospitality」。
「思いやり」とか「気遣い」という意味で私はとらえている。自分に余裕がなくても、「hospitality」は忘れたくない。「hospitality」があるなと感じられる場所は癒されるし、リピートしたくなる。会いたい人も、食べたいものも、行きたいところも、「hospitality」次第なのかな。
私がこの店を愛するのは単に食事がおいしいだけでなく、「hospitality」を感じられるから。居心地が良くて、ふわふわするようないろんな香り、きびきびしているけれど無駄のないお店の人の軽い動き、食器や箸がふれる音、店主の私への思い、それが私を包んでくれるんです。素材がおいしいとか、調理法がうまいだけじゃなくて。
DSCF0123前置きが長くなった。。。。
この店は、今京都で一番話題の日本料理店「草喰(そうじき)なかひがし」。山野草や野菜を主な食材とし、お竈(くど)さんを使った料理を提供する。
私が訪れたのは紅葉が東山に訪れる12月の初旬。もう正直細かいところは忘れてしまった・・・。
八寸は、京都の晩秋がいっぱい。紅葉もクヌギも稲穂も、お店の人が拾ってきてこうして料理に色を添えている。なんてことない落ち葉に心奪われる。うっとりと葉っぱを眺めながら箸の近くにおいて眺めていると、店主のなかひがしさんがその落ち葉を水を張った器に入れてくれた。「水を張った方がよりきれいに見えるんですよ」。八寸だけで、この店が大好きになった。そしてずっとその葉っぱを手で返しては眺めているとガーゼに包んでお持ち帰りにしてくれた。
DSCF0135白みそのナメコ汁。カレイ。鯉のお作り。野菜の炊き合わせ。などなど。。。。
そして最後は、鶏のすき焼き。放し飼いにされた、無農薬の野菜や飼料で育てられた鶏をすき焼きにする。内臓を含む鶏の部位が入っているので、ひとつの鍋でいろいろな鶏肉を味わえる。バサッと入った九条葱が新鮮でいい。ここの野菜はなんとなく土の味がする。小さい頃に家の隣にあった畑でとれた野菜のよう。
といた生卵のソースでいただく。さっぱりした鶏なのにすごく味が濃い。卵までズズッとすすって飲んでしまったら、実はその後に炊きたてのご飯を載せてくれるという演出があったらしい。。隣の人がご飯を載せてくれるのを横目に、ボソッと「飲んじゃいました・・・」と涙目で言ったら、にっこり笑って卵だけ追加してくれました。
最後はめざしに、白いご飯、漬け物におから。朝定食みたい。めざしってこんなにおいしかったっけ。
DSCF0139結局、2005年で一番感動した店でした。半年後なら予約できると言うことで、またゴールデンウィークにでも行こうと思います。
草喰なかひがし
京都府京都市左京区浄土寺石橋町32-3
075-752-3500
翌月分の予約を1日から。一度行くと、その場で半年先から予約できる。

【京都特集】「ふうせん堂」のネギ焼き 9点

DSCF0034京都一日目の夜は、二条城近く御池通沿いの「ふうせん堂」というネギ焼きの有名な店へ。
ネギ焼きって大阪の食べ物ですよね。そのネギ焼きのネギを、京野菜の九条葱で食べられるというので行くことにしました。メニューはネギ焼きが中心かと思いきや、鉄板焼きが中心。左の写真はお豆腐を焼いて甘辛いソースと九条葱、それに山ほどの鰹節を載せた物。
すべてのメニューは、カウンター席のご主人が作り、各テーブルへはアルミホイルにのせた形で運ばれてくる。だから鉄板がアツアツのままで食べることができる仕組み。
DSCF0037もう一品、豚の軟骨の焼いた物に、生のキャベツを添えた物。軟骨はコリコリして脂ものっていて、味付けも甘辛く、ビールがすすむ。しばらくするとキャベツもしんなりしてきて、シャキシャキのキャベツとしなっとしたキャベツの両方を楽しめます。
今日のメインはなんと言ってもネギ焼き。なんとこの1枚に九条葱を8本も使っているらしい。8本というとスーパーで売っている九条葱一束より多いってこと。白い関東のネギとは違って、青い部分も全部食べるので8本のネギの量って言ったら、こんもり山盛り。ご主人がその山盛りのネギを少ないつなぎでみるみるうちにまん丸の小さいネギ焼きにしていく。
DSCF0040焼き上がったネギ焼きの上にもさらに刻んだネギ。その上にレモンを添えて出される。
食べると口いっぱいネギ。ふわふわと柔らかく、とろとろ。もっとまわりカリカリのイメージを想像していたのでちょっとちがった。京野菜とか言うと、どうも料亭のイメージが強いけれど、庶民が食べる京野菜ってこんなかんじなんだろうか。これでたったの500円。
お好み焼きも予想以上においしいので、ぜひ京都に行って京野菜をたべたかったらどうぞ。二条城の駅から3分くらい。御池通沿いです。
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ふうせん堂
京都府京都市中京区堀川御池西大文字
075-841-0853

【京都特集】「京都和久傳」の昼のコース 9点

DSCF0005「高台寺和久傳(わくでん)」と言えば、京都では大変有名な料亭。一人3万はくだらないので自腹を切って行けるような店ではないのですが、その「和久傳」の味わいをリーズナブルに食べることができる「京都和久傳」がJR京都駅に直結している伊勢丹の11Fにあります。リーズナブルって言っても・・・ですが。
デパートの上のレストラン街なので、予約しないでふらっと入れる店なのですが、予約しないと大変な混雑ぶり。しかも京都の町を一望できる窓側のカウンターはすべて予約席。並ぶのは大嫌いだし、せっかく京都についてわくわくする思いをこのカウンターからの眺めでまずは癒そうと思い、きちんと予約。お昼からあまりにも贅沢なのですが8000円のコースにしました。
DSCF0007この眺めすごいでしょ!?すぐ左手には修復中の西本願寺、写真の左手の方は愛宕山です。西本願寺の後ろの山は嵐山方面。こうやって眺めると京都が山に囲まれた盆地であることがよくわかります。
まずは渇いたのどに泡立ちがきめ細かいビールを一杯。真っ青な京都の空を眺めながら飲むビールは格別です。
一品目は、「車エビと芹の白和え」。
あとあと思い出してみると、この店の料理で一番おいしかったのはこの白和えかもしれないです。きめの細かい和え物で口の中でねっとり。セリがなんだか京都に足を踏み入れたことを感じさせてくれました。
DSCF0009二品目は、「白子の天ぷらの蕪蒸し」。
白子を食べると何とも言えない幸せな気持ちになるのですが、そのシアワセ感を辛みのある蕪がいっそう盛り上げてくれます。欲を言えば、蕪がもう少し少なくて、白子感を満喫したかったかも。
三品目は、「ヒラメのお造り」。
水にさらしただけの輪切りのネギがどっさり。その上に薄切りのヒラメ。ここまでネギは多くなくていいだろう・・・と思ったけれど、残すのがイヤで全部巻いて食べてしまった。柚子の風味だけで十分かも。
DSCF0010ここで、いわゆる懐石って言うスタイルのコースじゃないんだなぁと気がつく。
四品目は、「ローストビーフ」。
霜降りのいいお肉だったのですがどこの肉なのか忘れました。水菜(壬生菜?)で巻くとこれまたおいしい。
五品目は、「一口蕎麦辛み大根添え」。
どこの大根なのかちゃんと聞いたのに忘れました。。ぴりっと効いた大根を食べるために蕎麦をすするって感じ。
DSCF0023
六品目は、「大根の焚き物、芥子菜添え」。
箸ですっときれる大根。丸大根だったかなぁ。
京都の黒七味がほどよくかかっていて風味豊か。出汁のお味が最高。
七品目の前に、急に曇り空になり空に大きな虹が二本架かる。京都ってこんなに短時間で急に天気が変わるんだ。
七品目は、名物「鯛のお寿司」。
まぁおいしいって言えばおいしいけれど、他の料理も十分おいしいのでひときわおいしいって言う感じじゃなかったです。
DSCF0017八品目は水菓子、「代白柿(ダイシロガキ)」。
これがこの店で一番びっくりした品だと言ったらたぶんお店の人は怒るだろうな・・・。のちのち調べたら、京都では松茸に並んで忘れられぬ存在らしい。「江戸柿」と言われる柿をじっくり熟させた物。ゼリー状にとろとろとして、加熱したような感じ。
あまりにも感動したので、その後「錦市場」で1個250円で購入。ただいま熟成中。
九品目は、「西湖(セイコ)」。
レンコンを使ったお菓子。レンコンの味はまったくせず、和三盆のやわらかい甘みともちもちした食感、笹の香りがとても良い。レンコンを擦って、でんぷんをとりだして使っているそう。味と言うよりそのもちもち感はここから来ているみたい。デパ地下でも買えます。すごくおいしい。
DSCF0018休止してくれた若い男性の対応もすばらしかったし、料理の出るタイミングも絶妙。味も対応もなかなかでした。8000円の価値は十分あります。残念なのは予約しないで来たお客。赤ちゃんが泣いていたり、子供がはしゃいでいたり。大人が来る店に子供を連れてくるのはルール違反だよね。高台寺のお店には一度は行きたいです。
 
 
 
 
 
 
DSCF0026京都和久傳 
京都市下京区東塩小路町901 JR京都伊勢丹 11F
075-365-1000 
不定休(伊勢丹に準ずる) 
11:00〜15:30
17:00〜22:00