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【トスカーナの旅その3】フィレンツェの流行りの丘の上のレストラン「L’Osteria del Milione」

この旅の最初の二泊はフィレンツェの町並みが見渡せる高台のアグリツーリズモでした。広い敷地内にレストランが併設されていて、宿と同じMilioneの名前が付いているのですが、どうも宿とは別経営のようで、ほとんどのお客さんが地元の人、それも若者やオシャレな大人たちが乗り込んできます。店はかなり広くてテラスも入れれば100人は入れるんじゃないかな。土曜日とは言えかなり賑わっていてテラス以外はほぼ満席でした。この写真は昼間に敷地内を散策した際に撮影した写真。ディナーの開店は20時からです。

 

フィレンツェの夜景を見ながら食事ができるのが売りです。手前はいちめんのオリーブとぶどう畑。ちょうど中央にドゥオモが見えます。

今回の旅はおいしいワインを堪能する気まんまん。このあたりはChianti colli FiorentiniがDOCGでこのFattoria il Milioneの農園のものは12ユーロ。レセプションで買った時は8ユーロだったから4ユーロしか載せていないのは良心的だよね。と思ったけれど、そのあとイタリア内どこでもかなり手頃な値段でワインがあり、どれもおいしかったのでワインにそんなに上乗せしないのかな。

私達が飲んだのは、Chianti colli Fiorentini DOCG 2008 Villa poggio Arniano 16ユーロ。意外とガツンと来てもう少し前に開けておいたほうが良かったのかもな。この時は一口目でうまい!とは感じられなかったけれど、買って帰ったのでみんなで開けてみよう。

前菜は生ハム、それに生ハムの下には食べたことがないもちもちとした食感の小麦でできた何かをふっくらと揚げたもの。それにサワークリーム的なチーズ。ハムはうまいけれど、この揚げ物が難解で理解できず。私は典型的な料理や家庭料理を求めていたので、こういう流行り?の料理はよくわかりませーーん。いやでもハムが美味かったからよしとしよう。というか今後ハムが期待を裏切ることはこの国ではないのですが・・・。

外にはグリルコーナーがあったので肉が食べたいと訴えてみた。それもビーフがいいと言ったのだけれど、思ったより小さかったよ。今までフィレンツェで食べた肉料理はどれもででーんとでかくてびっくりさせるような量だったから拍子抜けしたのかも。ポルチーニを添えてもらったんだけれど、軸はなく傘の部分をグリルにしただけ(上に添えてあるやつ)。いや、でも肉は赤身でジューシーでおいしかったよ。でもさ、この皿見るとフィレンツェで料理食べてきたって感じじゃないよね。

ポルチーニのグリルがもっと食べたかったから追加したんだけれど、やっぱりこんな量しか出てこなかった。ポルチーニってこんなシイタケみたいなのかー、もっと軸を含めたとろっと柔らかい感じが食べたかったんだけれどなぁ。醤油がかかっていないのにまるでシイタケの醤油焼きのようだ。いや、おいしいんだけれど。不完全燃焼。

 

初日なので、ま、こんなものですかね。アグリツーリズモ内のレストランだから宿につけてくれると思ったらしっかり別会計でした。うーん、このアグリツーリズモは、アグリツーリズモらしい家庭的な感じはまったくありません。でもひとつの宿として選択するのはいいと思います。

 

宿はこちら。(Aの位置)
Fattoria Il Milione

レストランはこちら。(Bの位置)
L’Osteria del Milione 


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【イタリア特集】オルチャ渓谷の広大な丘陵地帯は圧巻です

今回の旅の一番の目的は、南トスカーナに広がる「オルチャ渓谷(オルチヤ)」。日本で言う渓谷と違って、丘陵地帯かな。延々となだらかな大地が広がります。このオルチャ渓谷を知ったのは、数年間に放送したNHKの世界遺産番組。イタリアの世界遺産と言えば、遺跡や町並みがほとんどなのに、これはその大地そのものが世界遺産だという。なのに、自然遺産ではなく、文化遺産。人の手で作られた美しい大地に対して認定されたのだ。
車窓からも、ヴェッキオの町でも、サンジミニャーノでも、広大なトスカーナの大地は見てきたけれど、このオルチャ渓谷はひと味もふた味も違うんです。私が二日間で撮影した写真をご紹介します。
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この地はもともと不毛の粘土質の大地で、耕作には向かなかったのですが、農民達に開墾の意欲をわかさせる税制度の改革によって、荒れ果てた大地が、人の手によって作られた美しい大地に変わったんです。
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大地の至る所で見られる「糸杉」。無作為に植えられているわけではなく、土地の境界線や、家のまわりに植えられ、大地の景観に意図的にアクセントを加えています。
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私が訪れた7月は、ちょうど牧草を刈り取った後でまるで秋のようでした。Flickrで調べると、この地が緑にあふれるのは春のようです。
この夕焼け写真を撮影するために、右奥の民家の敷地に入っていって番犬に追いかけ回され、甘噛みされました。
半泣きしました。。。
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無作為に写真を撮っているように見えますが、実はFlickrでこのオルチャ渓谷のステキな写真の場所をgoogleで探し当て、道路地図と照らし合わせながらそのポイントに向かいました。私の腕がいまいちなので、感動的な写真になっていませんが、本当はこんななのです(涙)。場所は同じでしょ?
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翌日、やっぱりオルチャ渓谷が忘れられなくて、3時間かけてもう一度訪問。行きの道のりでこんなステキな空を見かけました。あー、なんて最高なんだ・・・。私は幸せすぎるぞ。
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オルチャ渓谷のど真ん中にある「ピエンツァ」にて。奥に見えるのがオルチャの大地。
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高台にあるピエンツァの町から見下ろすオルチャ渓谷。これがすべて青々とした緑だった時のことを想像してみる・・。あぁ、もう一度見なければと心に誓いました。美しいトスカーナの写真ばかりの入った写真集をピエンツァで購入。その中には朝霧に包まれた幻想的なオルチャ渓谷が・・・。この景色だけでもこんなに心揺さぶられるのに、そんな幻想的な景色を見たら失神してしまうかも知れないな。
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十勝平野と何が違うの?と聞かれるのですが、その規模と計画性と芸術性なんだと思う。意図的に美しく作られているところがすごい。
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広大な大地にひとっこひとりいません。
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次回トスカーナを訪れる時は、このオルチャ渓谷のど真ん中の英語の通じるアグリツーリズモで、まるまる5日は滞在するぞ!と決めました。できれば3月の新緑の季節。5月の青々とした緑でもいいなぁ。おいしいワインとチーズ、それに肉料理をたらふく食べて、この大地をのんびり散策するなんて夢みたいだなぁ。
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【イタリア特集】サンジミニャーノと広大なトスカーナの大地

フィレンツェから車で2時間くらいかな、世界遺産サンジミニャーノに来ました。ここは「塔の町」と呼ばれていて、かつては富の象徴として100本以上の塔が建っていたようですが、今はわずか14本に。高台の山城のようになっていて、町のまわりは高い城壁で囲まれています。14本の塔を一度に見ることは難しくて、せいぜい4本程度。城壁を一周している間に、こんな風にして数本見ることができました。
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町の数カ所には門があって、これがとても小さい。どの門も町の中央にあるドゥオモ広場を目指している。町は縦横1キロ程度しかなく、とっても小さく、通りにはステキなお土産物屋や、レストランが軒を連ねている。
この写真は北門から入ったすぐのところで町の中央の塔を見上げたところ。門をくぐった瞬間にこの町が気に入ってしまいました。
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町の北にあるサンタゴスティーノ教会。青空がきれいでしょう?日向にいると暑くてやられます・・・。建物の影を狙って町散策・・・。
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ちょっと小道にはいると、観光客もほとんどいなくなる。もうこんな風景を何百年続けているんだろう。ステキだなぁ。
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町の中央のチステルナ広場にて。ここに世界一位(と書いてあった)のジェラート屋があって、世界ふしぎ発見の取材記事も貼ってあった。ジェラートもうまかったけれど、レモンシャーベットがこの暑さには最高のうまさだった。忘れられない味。ポジターノのレモンシャーベットには若干負けるかも知れないけれど。
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町の城壁外から、広大なトスカーナの大地を見下ろす。一面のぶどうとオリーブの畑。ここはトスカーナのど真ん中だ!そんな思いが胸にずしんと来る。
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次回は、この旅の目玉「オルチャ渓谷」です。

【イタリア特集】フィレンツェの町は都会だなぁ

宿泊していたヴィッキオの町はフィレンツェの北にあるんだけれど、フィレンツェからさらに車で2時間ほど南の場所を転々とするために、レンタカーを借りることにしました。私が運転するわけではないけれど、日本で普段運転しない人が右側通行、それも運転の荒いイタリア・・・。十字路じゃなくて、くるくる回りロータリー・・・。不安をいっぱい抱えて出発しました。
レンタカーを借りるためにフィレンツェの町へ。あまりにも人が多くて、暑くて、だいぶ参りました。田舎暮らしばかりしていたせいか、人の多い町に抵抗を感じましたよ。
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フィレンツェの町で腹ごなし。フィレンツェ中央市場に、8年ぶりに行ってみると、野菜市場のあった二階には行けなくなっていたよ。生ハムがずらずらと並ぶ加工肉店が何店舗も!一度はこの生ハムの一本買いをしてみたいなぁ。生ハムスタンドと専用のナイフもセットで。
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総菜はどれもおいしそう。指をくわえて見てました。
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精肉は種類がかなり豊富。鶏肉はしっかり頭付き。
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日本のトマトと違って、赤みが強く、熟している感じがする。しわが多くて不格好だけれど、なんだかおいしそう。
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あまりにも暑くて、ジェラりたい(ジェラート食べたいの略)んだけれど、フィレンツェのジェラ屋でぼられた話をよく聞くのと、並んでいるのがイヤで敬遠。そう言えば私がイタリアから帰ってきた日に、イタリア観光協会がローマのレストランでぼられた日本人に対して返金したいとか言っているニュースが流れていたな。
で、料金も明確で、すっごくおいしそうだったのでアイスバーにしてみた。カラフルですごくキレイ〜。あ、私がウインドウに映ってる。ちゃんとPLフィルター使ったのに。
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カラフルでキレイ〜とか言っておきながら、チョコバーをチョイス。イタリアのチョコはどこで食べてもうまい。でもこんなアイスごときじゃ暑くて死んじゃいそうな気分を癒すことはできず・・・。
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おなじみヴェッキオ橋。藻がはえてなんか美しくない。。。私の中のポンテヴェッキオはもっと美しいはずなのに〜。
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迷ったあげく、レンタカー屋に到着。一方通行ばかりのフィレンツェの町を抜け出すのに一苦労。冷や汗と脂汗を最初の1時間で1年分出した気がしたよ。
次回は南トスカーナです。

【イタリア特集】トスカーナの北、ヴィッキオのアグリツーリズモに泊まる

チンクエ・テッレから列車で移動すること、3時間、フィレンツェに到着。アルノ川に沿って北に行く列車に揺られてさらに1時間、ヴィッキオ(Vicchio)と言う町が次の宿泊地。このローカルな列車、あの大きなフィレンツェの駅を、奥の奥のそのまた奥くらいにあるホームから乗り込むんだけれど、旅行カバンをひいて歩いたら暑さにすっかり参ってしまいました。
ヴィッキオの駅は、駅だと気がつかないくらい何もなくて、他の町並みに溶け込んでるんです。列車は1時間に一本。券売機は壊れているし、時間通りには来ないし、イタリアらしさ(笑)を肌で感じられる駅です。この写真はヴィッキオのちょっとした町の風景。
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そのヴィッキオ駅から、並木が美しい坂を上がり、町の中心地に出てしばらく行った丘の上に、今回の宿泊地「Montelleri(モンテッレリ)」があります。ここはアグリツーリズモと言って、アグリカルチャーとツーリズム(モ)を足した言葉で、農家が経営するB&B、そこにレストランが付いている宿泊施設を言います。このアグリツーリズモは、イタリアでは各地にあるようですが、このトスカーナには特に数多く見られ、施設によっては、農業体験や料理教室があるよう。そんな農村暮らしと、おいしい食べ物を求めて、フィレンツェから離れた片田舎を選んでみました。
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歩いて数分の所に、周囲20分ほどの小さな湖「モンテッレリ湖」があり、トスカーナの丘陵地帯のステキなオアシスになっています。流れ込む川も、流れ出す川もなく、水面は穏やか。水鳥と小さな虫たちばかり。
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朝焼けのモンテッレリ湖。湖の端は朝靄で包まれていて幻想的。写真の技術がなく、朝靄の写真を撮ったら温泉のようになってしまったのでお見せできないのですが・・・。
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高台に登って、湖面や牧草地を照らす夕焼け。日が沈むと涼しい風が吹き始めます。
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ここでの宿泊の目的はなんと言っても食!ここの看板メニューを数日かけて食べ尽くすつもりできました。メニューはこんな感じで英語はなし。iPhoneに入れていったイタリア語辞書で引きつつメニューをチェック。それにしても安い。チンクエ・テッレの観光地価格が嘘のよう。
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前菜は、トスカーナのアンティパスト5.5ユーロ。その1皿目はハムやサラミの盛り合わせ。どれも当たり前のようにウマイ。塩加減は少しきついが、ワインにはよくあう。手前のラード、京橋の東京バルバリで食べておいしかったのを思い出した。この店の安くてウマイ赤ワインがすすむ、すすむ。1リットル8.5ユーロ、1/2リットル4ユーロ(なぜ少ない方が安いのか不明)。
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アンティパスト2皿目は、ズッキーニときのこ、ニンニクのマリネとオリーブ。今年、両親から大量のズッキーニをもらった時に、焼いたズッキーニをマリネにすると言うのをクックパッドのレシピでやってみたが、これがまたおいしかった。
ズッキーニ、ホントにおいしいよなぁ。
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3皿目はブルスケッタ。レバー、トマト、きのこの三種。どれも驚くほどウマイという表現ではなく、当たり前のようにウマイという表現がぴったり。気取っていなく、食卓に並ぶような手軽さ。3皿で5.5ユーロの価格もスバラシイ。これだけで延々ワインを飲んでいたい。
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チンクエ・テッレで魚ばかりだったので、肉々しい肉が食べたかったんだ。だから、この店のおすすめのホロホロ鶏やうさぎ肉は後に回して、牛肉を喰らうことに決めた。メニュー上では「Butteca alla fiorentina」32ユーロ/キロ。量が多いのは前回フィレンツェに訪れた時に体験済みだったので、おそるおそる量を聞きつつ、少なめに頼めないか聞いてみる。結果は惨敗。小さくても800グラム〜らしい。頼んだ一番小さい800グラムの肉がこれ。
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その肉を、ざくざくと切る。表面は焦げ目がかなり付くほど香ばしく焼き上がっている。
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中はまだ赤く、肉汁がたれると言うより、噛みしめた時に肉のうま味がにじみ出ると言った感じ。シンプルな塩胡椒のみの味付けがこれまたウマイ。焼き肉より、ステーキより、すき焼きより、肉を食べている実感がわき出る。このアドレナリン、このトスカーナの地で食べるからこそ。
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オープンの19:30からひっきりなしにお客は来て、外の席は満席。この日だけと思いきや、滞在中毎日満席だった。地元では人気の店なのかな。2人で来る人は少なく、家族三世代で来るような団体が多かったよ。写真の奥の棟が私が宿泊した建物。1泊朝食付きでダブルルーム65ユーロだから安い。クーラーがないのが痛いけれど、夜は20度くらいに冷え込むので窓を開けていればそんなに暑くはない。
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デザートはとなりのアメリカ人親子にアドバイスをもらい、プリンを選択。素朴なうまさがいい。
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次回は、フィレンツェで車を借りてトスカーナの南に向かいます。
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