Archive for 9月, 2007

【南イタリア】マテーラ「LA CANTINA DELLA BRUNA」のディナー 8.5点

アルベロベッロを出て、マテーラへ。マテーラはちょうど足踏まずの部分に当たるバジルカータ州にある世界遺産の街で、サッシと呼ばれる岸壁に穴を空けた洞窟住居の丘が広がっているんです。その光景は、アルベロベッロとは真逆・・・。暗く、静まりかえった見たことがない胸にずしりとくる景色。できれば写真をクリックして大きな写真で見てください。
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そんなサッシのど真ん中に泊まることができるんです。崖を掘った洞窟住居と崖に張り付くように立てられた住居をうまくホテルにしているんです。部屋まではくねくねと迷路のような階段を上って行くんです。ステキでしょう?
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元々はホントにこの写真のように崖に穴を掘って家畜と一緒に暮らしていたらしいんです。(見にくいですが写真の右側の崖にも穴があって初期のサッシです)それがだんだんと崖にうまく住居を作るようになって1枚目のようなサッシになったのですが、崩れるおそれと貧困の原因を撲滅するためについに50年前に新市街に移るよう勧告が下され廃墟となってしまうんです。今はこのサッシの歴史を保護するべきだという動きから修復され、世界遺産となり、今ではまた戻って住む人や、ホテルやレストランやお土産物屋ができたりして観光地化されつつあります。このサッシを見渡す高台は、新市街地でまるで別世界。新市街地からサッシを見渡すと思わず息をのんでしまいます。
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さて夕飯。そのサッシのど真ん中にあるトラットリア「LA CANTINA DELLA BRUNA」へ。ホテルのフロントの方が勧めてくれました。入り口がテラスのようになっていて、サッシが一望できるんです。まったく英語が通じないマンマに注文。
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おなじみカプレーゼ。量多すぎだよ・・・。どこに行っても、オリーブオイルとモッツァレラは上質。
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このショートパスタの種類を忘れました。。。日本ではほとんど見ないけれど、誰が知っていたら教えてください。ズッキーニと辛くない乾燥した唐辛子、それに豚の肉団子のシンプルな塩味のパスタ。ショートパスタのゆで加減は絶妙!ねじれた部分にニンニクとオリーブオイルが染みこんでうまい!
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メインは、ポークソテーのレモンソース。生姜焼きよりも厚めのポークをニンニクとレモンたっぷりのソースで味付け。これはパンが進む。
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食事もたったの30ユーロ。観光地でもまだまだ日本人も少ないマテーラではまだまだこの価格。安くてうまくて最高です。帰りがけに撮影した夜のサッシ。赤く浮かび上がるサッシが幻想的なんです。
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ローマの圧倒的な遺跡も良いけれど、日本人がほっとんどいないマテーラのサッシもステキです。次の街は待ちに待ったアマルフィです!
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LA CANTINA DELLA BRUNA
Via Spartivento, 20 (Sasso Barisano)
75100 – MATERA
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上のサイト内の地図、パッと見わかりませんが、行くとよくわかりますよ。

【南イタリア特集】アルベロベッロ「Casa Nova」のディナー 9点

そしてアルベロベッロの夜ご飯は、宿泊先のお姉さんが教えてくれたわずか30メートル先のリストランテ。この「Casa Nova」、間口は狭いのに地下に広がるお店は広く、100人近くは入れそう。ちなみに私が予約したのは夜の8時なのに、お客はまばら。こちらでは9時をすぎないとディナーじゃないんです。その分、昼間よく働くわけではなく、遅いお昼から夕方までは店はみんなお昼休み。いいな、昼寝なんて。
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前菜は、ランチで気に入ったプーリア州の典型的な前菜盛り合わせ。ランチに負けず劣らずの全10皿。ひと皿の量が多いから量的には同じくらい?左手前から、アーティチョークの入ったジャガイモのムース、チーズ、生ハムとサラミ、ソーセージ。このソーセージ、粗挽き、スパイシーで予想以上においしい。このチーズ、あとあと本を読んでいてわかったんだけれど、「ブッラータ」と呼ばれる袋状のチーズで、中から濃厚な生クリームがどろっと出てくる。
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5皿目は、ブルスケッタ。サクサクの水分が少ないパンにトマトとオリーブオイル。オリーブオイルが染みこんでもふにゃっとしない。写真にはないが、6、7、8皿目は、豚ロースとケッパーの煮込み、ランチにも食べたホルモン、それに挽肉などが詰まった揚げ物数種。
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ミントがたっぷり入ったスフレ。こんな風に甘くないジャガイモのスフレにミントが入っているなんて新鮮。
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前菜最後の10皿目は小さいイカのフリット。まるでホタルイカのよう。サクサクとしていてビールに合いそう。
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パスタ名を忘れてしまったのですが、巨大なラビオリのようなもの。中はモッツアレラ。ソースはトマト。上には何かを素揚げにしたものが添えてあるが、「ナス?」と聞いたのに、「メランザ」とのこと。なんかわーわーとイタリア語で言っていたが聞き取れず・・・。帰ってきたら「メランザ」ってナスのトマトソースのこと?ナスじゃん!
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スズキのソテー、フレッシュトマトとバジルのソース。
煮込んではいない生のトマトと刻んだばかりのバジルがさわやか。レモンの酸味も効いて、脂がたっぷりのったスズキをさわやかに。
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なんて量が多いんだ・・・。おいしいのに最後には苦痛に。デザートを食べたかったのに食べられないじゃないか!
という訳で次の日はマテーラに移動です。そうそう、これが宿泊先のトゥルッリ。奥の扉を開ければこのレストランがある坂道。ちょっとステキでしょう?もし行く機会があればトゥルッリに泊まってみて!
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Casa Nova
Via Monte S.Marco, 13/Via Monte S.Gabriele, 16/28
70011 Alberobello
080-4323292

【南イタリア特集】アルベロベッロ「Il Pinnacolo」のプーリア料理 9点

夏休みに南イタリアに行って来ました〜。旅の目的は3つ。
【1】南イタリアのおいしい食材を食べ尽くす。特にショートパスタ類。
【2】ダラダラとステキな場所で読書。イタリア屈指の避暑地で。
【3】ナポリのピザ!
途中、チーズとハムには食傷気味になりお腹も壊したものの、いろいろと食べ尽くしてきましたよ。
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まずは飛行機でバーリに入り、世界遺産でも有名なプーリア州のアルベロベッロへ。ブーツにたとえるなら、ちょうどかかとの上の部分あたり。北と南では風景がまったく違い、乾燥した岩肌の広がる荒涼とした大地にはオリーブの木ばかり。そんな風景にぽつぽつと石灰の白壁にとんがり帽子の屋根の「トゥルッリ」と呼ばれるかわいらしい家が見え始めてくるんです。その家が多く残った街がこのアルベロベッロ。未だにこの家で暮らしている人たちがたくさんいるんですよ。私もホテル暮らしではなく、この「トゥルッリ」に泊まってみました。
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街は狭くて、2時間も歩けば一周してしまうほど。広場を境に、半分がおみやげ物屋やレストランが入った街、半分が今でも暮らす人たちの街。こうしてFIAT500も未だに現役で、街の至る所で見受けられました。あまりにもたくさん走っているので、500(チンクエチェント)というイタリア語を覚えてしまったくらい。
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それにしても日本から遠い・・・。14時の便で成田を出て、この街に着いたのが日本時間の朝の6時。イタリア時間でも深夜12時ですからもうクタクタ。なのに、トゥルッリなんて泊まっちゃったものだから、袋詰めのビスケットとジャムがのみが朝ご飯!(ビスケットなんて食ってられっか!)使ったこともないアナログのエスプレッソマシンの使い方をフロントのお姉さんに教わりつつ、一杯のエスプレッソのみの朝。それでも、日差しは強いのに涼しい風が気持ちいい朝のアルベロベッロでのエスプレッソは至福です。
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と言うわけで、お腹ぺこぺこのランチ。12時開店一番乗りでふらっと入ったお店「IL PINNACOLO」は、テラス席になっていて気持ちいいんです。
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まずは前菜。「antimasto della casa」、この店のおすすめの前菜盛り合わせを注文。これが度肝を抜く前菜なんです。なにってその量。小皿で14皿出てくるんです。ちなみに写真は1人前の量。お皿が小さそうに見えますが、直径20センチはありますよ。左手前から時計回りに、カプレーゼ(トマトとモッツァレラのサラダ)、ブルスケッタ(ガーリックトーストトマト載せ)、ズッキーニ炒め、きのこ炒め、パプリカ炒め。オリーブオイルが上質だから、どれを食べても素材の味が引き出されていてシンプルでいておいしい〜。
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続いて、写真はとばしますがモッツアレラとベーコンのオーブン焼き。写真が鰯の酢漬けと生ハム。
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さらに続いて、なすの肉詰め、肉団子トマトソース、牛?ホルモンの煮込み、オリーブ焼き、きのこ焼き、ジャガイモ焼き。この時点であまりにもおかしくて笑いが止まらなくなる。5皿目くらいでウエイターが「まだまだでるぜ」って顔をしていたのをこの時点で思い出し笑い。とりあえず完食したものの、量が多すぎるぞ!だからおまえらみんなデブなんだ!
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ランチなのでメインはなしでパスタのみ。これは旅の目的のひとつでもあった「オレッキエッテ(Orecchiette)」という南イタリアのショートパスタ。きっかけは「ウルルン滞在記」でゆうこりんがイタリアのマンマに教わりながら、この「オレッキエッテ」を粉からせっせと作っていたこと。直径1センチの棒状にした生地を、ナイフで軽く滑らせて親指でくるんとひっくり返すんです。南イタリアのプーリア州の名物パスタで、「耳たぶ」「小さな耳」という意味です。これはトマトソースと肉団子で味付けしたものです。基本のトマトソースは塩加減もちょうどよく、甘酸っぱさが最高。
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まるで焼きうどんのようなショートパスタは「シャラティエッリ(sciallatielli)」。すごく太くてコシがあり、アルデンテを越えています。味つけはボンゴレ。生のバジルがさわやか〜。
この日のランチは36ユーロ。観光地とはいえ、田舎町のランチはしっかり食べて飲んでもたかがしれてます。ランチならトゥルッリを見渡せるテラス席がおすすめ。遅くに行くといい席が埋まってしまうから、12時の開店同時に行くか、予約した方が良いかも。
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・・・時差ぼけがひどいです。
Il Pinnacolo
Via Monte Nero, 30 (Alberobello)
080 4325799

森下「ベッラナポリ」のマルゲリータ 10点

ここでは2度目の紹介。もう10回以上足を運んだ「ベッラナポリ」にまたしても行ってきた!この店は、ファッション関係のライターであった店主が仕事でナポリに足を運ぶ内にナポリのピザに魅せられて、ナポリで2軒、4ヵ月修行してから日本に戻って始めた店。だから釜だって本格的な薪の釜。
まずはいつものマルゲリータ!トマトの赤、吉田牧場(夢の2連ちゃん)のモッツァレラの白、バジルの緑。まわりはカリカリでも中はもっちり。あーー何度食べてもこのピザは10点だよ。コルニチョーネと呼ばれる縁の部分が最高。ここを残すのはナポリでは鉄則。ご飯のおこげみたいなものでしょうか。
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このピザが焼き上がるのはぴったり1分。釜から出すまで1秒の狂いもないんです。動画でご覧あれ。

こちらは窯焼きポテト。ハートランドのビールに合うんだな。高温の釜でじっくり役からこんな風にうまい具合にこんがりするんだね。シンプルでおいしーい。
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これは4種のチーズのピザ。チーズと塩味の効いた生地がいいんですよ。シンプル。そばにネギみたいなシンプルな組み合わせ。アツアツのピザにはやっぱりビール。またハートランドのグラスが空いてしまう。
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これはマリナーラ。トマトとアンチョビのピザ。これがナポリでトマトを使った初めてのピザなんですって。マルゲリータが作られるようになったのは、このマリナーラが作られた1750年頃からさらに100年以上後らしいです。
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ナポリのうまいピザ屋をおしえてもらっちゃった!行ってきます(ホント)!
参考記事
「ナポリのピザの基礎知識」
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ベッラナポリ
東京都江東区高橋9-3
03-5600-8986
18時〜22時(L.O.)、日曜17時〜21時
定休日 月曜