早稲田「松下」の懐石料理 10点


matusitaこの店はここで紹介するのは初めてなのだけれど、私がもっとも愛する店のひとつ。何度食べても10点。だから写真もたんまり載せてみました。写真を撮らせてくれたお店の人、ありがとう。
余裕を持って家を出たつもりが、東京をおそった震度5の地震で、交通網はめちゃくちゃ。タクシーも拾えず予約の時間を1時間もオーバー。そんな焦った私にビールよりも先に出されたのが冷たい茶碗蒸し。渇いたのどに、冷たいお出しがすーっとしみた。最初の数品は写真を撮ることをすっかりわすれるくらい、お店にどっぷりつかってしまう。
写真に沿って上から出てきたものをご紹介。これはおまかせ16品15,000円のコース。一番高いコースだけれど、食べ終わった後に決して高いとは思えないくらいのものを出す。とにかく素材がいい。写真にないけれど、このメニューの前に、絶品「鰯の揚げたもの」と刺身などが出ました。
●毛蟹の蒸したもの
ツメの部分の大きさからするとかなり大きな毛蟹。身とミソを和えたものがまた美味。
●穴子の白焼き
どこの穴子だって言っていたから・・・。この辺じゃないなって思ったんだけれど。ふわふわ。
●あわびの蒸したもの
巨大なあわびのスライス。殻の大きさは横12センチはあったな。
●白甘鯛
上に酢みそのようなものがかかっている。
●ハモと松茸のお椀
もう松茸が食べられるんだと思った一品。味は土瓶蒸しっぽいかんじ。薄い塩味なのに濃厚。
●丸茄子の煮物。
この丸茄子にはびっくりした。2時間も煮込んであるらしいので箸を入れると崩れるほどに柔らかいのに、まったく崩れていない。甘い出汁と柔らかい茄子ににうっとりと目をつぶってしまった。お行儀が悪いなぁと思いながら汁を飲み干したら、お店の人に「煮物の汁を最後まで飲んでもらうと、担当のものはすごく喜ぶんですよ」って言われた。作った人にしてみればそうだよなぁ。。
●天然鮎の焼き物
高級な天然物。鮎なんてそうそう食べられないのに、天然物なんて。極めて上品なお味。
●フルーツトマトと、イカにイカの塩辛を詰めて焼いたもの
名前の通り、フルーツのようなトマト。よくタマネギを添えるが、ここはネギ。
もう一品は、イカにイカの塩辛とイカの身を和えて詰め、それを輪切りにして和えたもの。日本酒が進みました。
●確か、カレイの揚げ物
端の骨の部分が美味。
●鯖の薫製と、本マグロの炙り
以前に、まだ試作の段階なんだと言って店主の松下さんが出してくれた「鯖の薫製」がメニューに出てきた。カウンターにおかれた瞬間に、「あ!めちゃくちゃうまい鯖の薫製だ!」と叫んだら、「ありがとうございます」と深々と頭を下げられてしまった上に、一人2切れのところ、追加で2切れいただいた。藁で薫製にするらしい。おいしいベーコンを食べたときのような煙の風味がふわーっと広がります。
本マグロは、青森大間の反対の北海道側でとれたもの。大トロの部分を炙ってお寿司に。一瞬でとろけました。
●冬瓜の煮物 (と冬瓜を持ったお店の人)
冬瓜を器にして作られた煮物。実際の冬瓜を見せて頂きました。このお店の人がとっても感じのいい人で、この人以外の焼き物、煮物、揚げ物担当の人もそれぞれ、自分が働くこの店を愛し、お客様をもてなすことに喜びを感じているようだった。それと、お店のスタイルとか作法とかそういうのより、美味しいものを食べてもらいたいという本質を感じられる。
●豚の角煮チャーハンとふわふわたまご
ここの名物。一度食べる価値あり。和風なんだけれど、オムライス。
●稲庭うどん
「この稲庭うどんはおいしいですよ〜」と自ら松下さんが出してくれた。確かにうまい。汁がうまい。
後半の1時間くらいは、ずっと若いお店の人たちと築地話で盛り上がってしまった。その話では、築地の野菜の市場のことは「やっちゃば」というらしい。野菜と茶場がくっついて「やっちゃば」。茶場とは近くにある休憩所のことらしい。ちなみに魚の市場は河岸(けし)。いい野菜を買える店は、意外なんだけれど場外らしい。場外の「わさび山伝」という店で、私もよく買う店だった。卵焼きの丸武の前の道(波除通り)を波除神社方面に向かった左側の店。めずらしい野菜がよくおいてあるのでちょっと目立つけれど、閉店は早い。
そうそういける店じゃないけれど、一年に一度くらいは行きたいな〜。最愛の店です。
日本料理 松下
〒162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町556
03-3202-4404
定休日 水・第3火曜日
営業時間
昼食 11:30〜13:30(L.O.13:00)
夕食 17:30〜22:00(L.O.20:30)


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