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下北沢「魚真」の季節の魚 9点

梅ヶ丘の「ビストロ・クルル」の店主と、この近辺の魚屋はどこがいいかという話になったときに、経堂の「魚真」が良いと教えてもらいました。この魚真、何店舗も展開する魚を中心とする居酒屋を経営していて、その味もなかなかとのこと。さっそく立て続けに下北沢の店舗に二回行ってみました。余震が続く中で下北沢の街もいつもの活気がなかったのにもかかわらず、この店は予約のプレートで半分以上が埋まっていました。きっといつもは予約なしでは入れないんだろうな。安くて旬のお魚が食べられる使い勝手の良い居酒屋です。

刺し盛り二人前は確か1500円くらいだったはず。4月の頭は、金目、鯖、かつお、アジ、ボタンエビ、タイラギでした。

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5月の頭に行ったときの刺し盛り二人前は、金目、ヒラメ、赤身、ボタンエビ、いわし、鰆、タイラギでした。鰆うまかったなぁ。いわしも脂が載っていてうまかったなぁ。

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4月の頭に行ったときに食べた、子持ちヤリイカの焼いたものは、この時期ならではの濃厚な子供とハラワタが絶妙。春はやっぱり子持ちヤリイカだよなぁ。

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好きな魚を三つ選べと言われたら、「ノドグロ」「キンキ」「金目」と答えるつもりなのですが、その「ノドグロ」があったので煮付けに。2680円とこの店一番の高級メニューでしたが、ノドグロの値段を考えれば当然。味は若干濃すぎでしたが、この味付けにも負けないしっかりとしたホロホロとした白身がうまい、うまい。気品を感じます。次回はとなりの「すしや魚真」でノドグロの握りを炙りで食べたいなぁ。

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もうひとつ、この店ならではのメニュー、ホタルイカの沖漬け。生のホタルイカもボイルしたホタルイカも良いけれど、沖漬けは酒が進むよね〜。

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諏訪に訪れている後輩とツイッターで舞姫の「翠酔」の話をしたばかりだったので、さっそく注文。ひとり2合とビールのんで、ひとり4〜5000円だからコストパフォーマンス良いです。渋谷、新宿、乃木坂、吉祥寺にもあるようなので機会があれば他の店も行ってみようと思う。宴会メニューも安くて便利そうだから複数人数も悪くないよなぁ。

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西荻窪「食べごとやのらぼう」の野菜中心のおもてなし料理 10点

ずっと行きたかった西荻窪の「のらぼう」へ。最初に言っておきますと、この店の料理、おもてなし、雰囲気、インテリア、私好みで10点です。こういう店を探していたんだよなぁ。

今回はアラカルトでなく、いろいろな料理がすこしずつたべられるコースメニューの「の」で。「の」は一番おてごろ価格の3500円。でもボリュームは十分。まずはお通しで「法蓮草のナムル」。ほうれん草は三鷹産とのこと。ほうれん草だけでなく、にんじん、豆もやしもたっぷり。一口食べた瞬間にぐっと引きつけるこの味付けはなんだろう。ごま油と塩コショウ、みりんだけではこの味は出せないはず。席には春を感じさせるこでまりの花が。私の家でも使っている柳宗理の醤油差し、センスのいい楊枝、馴染んだカウンターに白の食器が生える。このお通しの器はなぜか野球選手の柄だった。使い込んであって手に馴染んで器もいい。気になるのは段ボールで作られたメニュー。うまいことこうやってつくるよなぁ。

奥がスペアリブと大根のあっさり焚き。手前は初鰹のたたきサラダを新たまねぎで。私の座った席はカウンターの火を使う厨房の目の前で、料理が出される課程をずっとみることができました。スペアリブと大根は煮こんでタッパーにしまったものを温める分だけ蒸し器に入れ、取り出す1分前にプティベールを投入。スペアリブは箸をそっと入れるだけで身がホロホロと外れるほど柔らかく、三浦大根は驚くほどやわらかくやさしい。出汁も一滴残さず飲み干しました。

初鰹は焼津の物。私は冷えて冷たすぎる刺身が嫌いんだけれど、ここの刺身は常温。ここだけでグッと気に入ってしまった。この時期の新たまねぎは甘くてうまいです。

地野菜とお豆腐のサラダ。何品目入っているのか聞いていたところ、20はあるんじゃないかとのこと。私がわかったものだけ並べてみました。

生野菜

  • 大根
  • レタス数種
  • ネギ
  • インゲン
  • ブロッコリー
  • 水菜
  • 妙に葉が起毛していた野菜(よくデパ地下でみる)

揚野菜

  • レンコン
  • さつまいも
  • にんじん
  • ごぼう

フルーツ

  • いちご
  • グレープフルーツ
  • キウイ

その他

  • おじゃこ
  • 豆腐

このサラダが驚くほどうまい。味付けしているカウンターを見ていると、下ごしらえした野菜にみりんのようなもの?で敢えてから豆腐とおじゃこを載せ、たっぷりとゴマのドレッシングを掛けている。揚げチップスは冷凍庫から出していたような気がするな。私も揚げチップスをサラダに入れてワンランク上のサラダを目指したいな。

にんじんとナッツのかき揚げ。最近、私もにんじんのかき揚げはするんだけれど、組み合わせは桜えびにすることが多かったんだけれど、ナッツとは思いつかなかった。このナッツ、おそらくかぼちゃの種ともう一種類なにか入れているみたい。キレイに束ねて揃えてから揚げているのは私もまねしてみよう。にんじんは甘くて味が濃い。いつもついつい安いにんじんを買ってしまうけれど、さほど値段も変わらないんだから、色も濃い土の香りがする人参を買うことにしよう。

衝撃的なおいしさだったごまとさつまいもの玉子焼き。これは目の前で調理していたんだけれど、卵にかなり多めの黒ごま、それにみりん、焼いている最中に蒸かしてざっくりきざんださつまいも。さつまいもと黒ごまって合うんだなぁ。卵焼き器にはたっぷり油を入れて鍋をじっくり温めて、一度油をあけてから調理していた。最後にそっと巻きすで整形していたのも仕事が細かい。

締めのごはんは、牡蠣と牛蒡の炊き込みご飯。これも厨房をのぞき見したんだけれど、ささがきにした牛蒡と牡蠣を甘辛いタレでかなりの強火でワッと煮込み、その煮汁のみでまず炊き、仕上げに上に具材を載せ、菜の花とごまを添える。小粒のしっかり味の詰まった牡蠣を使っていて、炊き込みご飯向き。食べきれなかった分はおにぎりにしてくれた!こういう細かい気遣いがスバラシイ。

その炊き込みご飯を一膳分もってくれたとこおろ。すべてが私好みの器というわけではないのだけれど、普段使いの器を少し欠けても大事に使っているところや、使い込んでこそ味が出る器の使い方、私が大好きな民藝の精神を自然と取り入れている気がした。

一緒に注文した漬物。こんなに品目があるとは。わからない野菜が数多かった。切干大根がお気に入り。

私はもうお腹がはちきれんばかりだったので注文しなかったけれど、具沢山の味噌汁。この味噌汁と漬物とごはんだけでも十分ごちそうだよ。

地の野菜を数多く使って、野菜の旨さを引き出している。野菜嫌いの人にはこういう本当においしい野菜を食べて本当に味のする野菜を知ってほしいな。味は全体的に濃いめだけれど、外で食べる食事はちょっとくらい味が濃いほうがいいと私は思います。

お酒の種類も多く、お酒が苦手な人でも楽しめるようなソフトドリンクのメニューもあり、ただの居酒屋という感じではない。

お店の人のマルチタスクで仕事をさばく感じは、カウンターから見ていると尊敬するレベル。ここまでマルチで仕事が出来れば、料理人じゃなくてもどこでもやっていけます。どの人も白いシャツをパリッと着こなし、清潔感があり、どの人も感じがいい。おいしい野菜を食べて欲しいという情熱が伝わってくる。こういう店こそ私が10点にしたい店です。

難点をひとつ言えば、カウンターの椅子が硬くておしりが痛くなっちゃいました。それくらいかなぁ。

またぜったいにいく!

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築地「やまだや」再訪してもやっぱり10点

久しぶりに年末に築地の「やまだや」へ。前回訪れたのはしーちゃんの送別会だから、もう4年も前なのね。あの時でもふらりと入れるほどすんなり入れる店ではなかったけれど、今では予約がかなり取りづらい店だと言うからびっくり。でも食べて、ここのおもてなしを受ければそれもそのはず。茅場町に勤めていたときからお世話になっている、今も昔もかわらずおいしい料理とお酒を飲ませてくれる店です。

お通しも手を抜いたりしないのはかわらず。大根と肉団子。お通しの基本は、食欲が増すことだよね。すっかり食べる気満々になりました。赤絵の皿も気分が高まるよね。

4人前の刺し盛り。手前から、寒ブリとサーモン、マグロ。この時期にうまいブリを食べると冬だなぁと実感します。ヤスっぽくないこの脂身のうまさ、黙ってうなづいてしまいました。日本人の舌が好むうまさですよね。

レバームース1つ168円(メニューには5つで840円)。スライスしたパルメザンチーズとミニトマト、イタリアンパセリの葉がにくい。私も刻んだりしないで葉のままのイタリアンパセリでかっこよく演出してみよう。

定番中の定番、野菜いろいろ温サラダ735円。この店に来たら必ずこれを頼まなくてはいけないのだ!ちなみに私はこれをまねたくて同じ大きさのせいろをまねしたくて買って、家でもやっています。タジン鍋もいいけれど、やっぱりセイロが好き。野菜の甘みを出したかったらゆでちゃ行けないのはもうここ数年の料理初心者でも定番になってしまいましたね。

事前に「食べるなら確保しておきますがいかがですか?」と見せられた伊予水軍鶏の炊き込みご飯。こんな鍋を見せられて頼まないはずがない。押しつけがましくなく、食でワクワクさせるこの店のおもてなしはスバラシイ。鶏肉は味が濃く、炊いても風味がご飯に移りきるわけではない。でもご飯にはしっかり出汁が出て呑んだ最後に食べるのに最適!

定番中の定番、手揉みキャベツのアジの開きの和え物630円。アジが釣れすぎたときに私もこのメニューにトライしてみたが、どうもこうしんなりとうまく作れないんだよね。作り方をちゃんと聞いておけば良かった。そうそう、この店は「作り方は教えられません」なんて言ったりしないんですよ-。

これも定番中の定番、やまだやベーコン997円。お腹がいっぱいになってきてちびちび呑みたいときに、こういう肴があるとホント楽しくなります。粗挽きした黒こしょうでいただくのも家で何かでやってみよう。

定番中の定番中の定番、手作りホタテクリームコロッケ1つ168円(メニューでは5つ840円)。これと野菜いろいろ温サラダはこの店に来たら絶対に注文しないと行けないです。このコロッケ、もし後半で頼んで人数分なかったとなると友達の間で戦争になるので、まずは最初の注文時に人数分確保しましょう。と言っても、なくなってしまいましたと言われたことは今まで一度もありません・・・。真四角なのはバットで冷たく冷やして、そのままカットし揚げているからです。さっくりかじるとホタテがゴロゴロ出てきますが、ホタテの数以上にホタテのパワーが強いのはヒモを刻んだものをクリームに入れているからと聞いたことがあります。

私はこの日、体調の関係で本の一口しか飲めなかったんだけれど、みんなが飲んでいた山形県南陽市の鳥上坂という白ワインが、とても興味深かったです。まるでお酒ではないかのような甘みをもち発砲しています。なんと澱(オリ)を集めたワインとのこと。だから一瓶ごとに味がわかるくらい違うそうです。春に庄内に行くから、ワイナリーに行けるかなと思ったら、米沢に近いとのこと。ちょっと庄内から距離はあるけれど、帰りによってみようかなぁ。

何度行っても満足度が高く、常に新しく、常に変わらない。また近い内に行きたいです。

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神田錦町「野らぼー錦町本店」の釜玉醤油うどん 9点

讃岐うどんをおみやげにいただいてから、おいしいうどんが無性に食べたくなり、神保町の丸香に行ったのは先月の事。続けて、評判の良い同じく神保町、神田界隈の野らぼーに行ってきました。運動不足の解消とダイエットを兼ねて、東銀座で終わった打ち合わせから徒歩で店へ。涼しくなったこの季節、いくらでも歩けるような気がしてしまいます。お腹が空かなければ。。。

店は夜は飲み屋にもなるようで、つまみの種類も豊富なよう。カウンターは私のような一人客が昼同様、うどん目当てにやってくる様子。女性一人でも入りやすいですよ。注文したのは「釜玉醤油うどん」570円。あっつあつのうどん、ネギ、かつおぶしはたっぷり。生醤油を適量かけてずずずーっとすする。うどんの小麦粉の香りが蒸気と共にふわーっとやってきて、なんとも幸せな気分に。

こちらは生醤油も入れて混ぜた状態。量は結構多いので、天ぷら屋つまみを頼んだら、私は食べきれないかもしれないです。こんなおいしいうどんやが会社の近所にあったら毎日行ってしまうのに。

天ぷらは、定番の野菜天から、かしわ(鶏肉)やたまご赤ちくわなど種類は豊富。私はごぼう天120円を注文。揚げたてなのでサクサク、ごぼうの太さも丁度良く、うまい。こういう当たり前の天ぷら、もちろん天ぷら屋さんに行けば食べられるけれど、ちょっとしたうどん屋ではなかなか食べられません。べちゃっとしていたり、野菜の切り方が適当じゃなかったり。天ぷらは丸香よりこっちのほうがずっとうまいです。


私の大好きなハッピーアワー!早く帰れた上に安く飲めるなんてうれしすぎです。19時までなら、中ジョッキ500円が350円、小グラス370円が190円。さらにサワーは全品280円。ついついここのところお酒を飲まなくなっていたのに、小ビールを注文しちゃいました。お通しもついてお得。

うどんメニューは、かけうどん、釜上げを中心に、変わったうどんも多数。「釜チーズカレーうどん」ってなんだかよくわからないですけれど、今度いつか食べてみよう。

個人的には、食べたらすぐにでていけ的な丸香より、ゆっくりできるこっちの店のほうが好きかな。夜はリーズナブルに飲める宴会メニューもあるみたいだから、会社の歓送迎会にでも使ってみよう。私が最初に務めた会社から100メートルと離れていないのに、一度も行ったことがなかった。その頃はなかったのかなぁ。リピート率高くなりそうです。

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白金高輪「福わうち」のキンキの一夜干し 8.5点

ちょっとしたご招待でこの店へ。しかも私が店を指定していいと言うことだったので、自腹じゃ行かなそうなこの店をチョイスしました。よくテレビに出ている強面のご主人がカウンターに居る店で、その強面とは裏腹に繊細な料理を出す。でもその値段がメニューに書かれていないんですよね。白金高輪のバブリーさをまだまだ感じます。

こちらがお通し4人分。奥の青のりがすごく印象的。下にご飯が敷いてある。海の香りいっぱいの青のりに上質のわさびがたっぷり。これだけ丼で食べたいほど。

ひらめの箸置きがかわいい!これ、どこで入手出来るのか聞いておけばよかったよ。

刺し盛りは一切れずつ、9種類。ながーーいお皿に載せられている。左から、ヤリイカ、アマダイ、ひらまさ。ヤリイカの甘さにびっくりした。新鮮だけのコリコリしたものとは大違い。

続いて、イシダイ、大トロ、こち。大トロはうまいけれど、最近はどこでも食べられる。イシダイ、うまい。釣りたい。。。

続いて、ヨコワマグロ、アカムツ、コハダ。ヨコワマグロとはクロマグロの若い頃のモノ。若々しいさわやかな赤身がうまい。アカムツのあぶりはわさびたっぷりがうまい。

ワタリガニの塩辛(たしか)。上海蟹の老酒漬けを彷彿させる味。身がゼリー状になりコクを増して極上の味。特にオレンジ色の味噌部分はたまらない。

私がこの店で一番感動したのは、キンキの一夜干し。身は甘くジューシーで奥深い味、皮はパリパリで香ばしく上質の脂たっぷり。頭やヒレはパリパリ。残すところは殆どなし。上質の脂をしゃぶりつくりしたよ。きっと高いんだろうなぁ。築地場内に行ってもいい値段するもの。

アワビバター焼き。薄切りにしたアワビ、新鮮で太くて甘いアスパラ、しめじにエノキをバターで炒めたもの。アワビが柔らかくてうまい。アワビは値段と味のバランスを考えるといつもそんなに好きになれなく頼まないのだけれど、このアワビはうまかった。

この店で有名なトロかつ。わさびたっぷりでいただく。前に、麻布十番の穴蔵みたいな店でも食べたけれど、ほぼ同じものだった。あそこもメニューに値段のない恐ろしい店だったなぁ。。。

あとで調べて思い出したよ、麻布十番の「とらくまもぐら」だ。と思ってちょっと調べたら、とらくまもぐらから独立してこの店を立てたらしい。納得、メニューにてるもん。

他にも、鯨ベーコンとか、肉じゃがとか、アカムツの一夜干しとか、いろいろ頼みましたよ。四人でいったのでいろいろ種類が食べられました。これで四人で約5万円。ちょっと高いよなぁ。値段がわからなかったり、一見さんにはあまりやさしくなかったりするので、辛めの8.5点です。おごりならまたぜひ行きたい。