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幡ヶ谷「龍口酒家」のその日のおまかせメニュー 9点

会社帰りに新宿の高島屋とか東急ハンズで買い物をした後、高島屋デパ地下内にある「龍口酒家」によく行くんですよ。19時も過ぎちゃうと家に帰って自炊する気力がないからなんです。この、デリの一角で数席あるカウンターで食べる「坦々麺」や「里麺(りーめん)」という、この店独特の緑色の麺の料理を食べるんですけれど、これがうまいんです。安いのにあまりにもうまくて、さらにお店のおばさんの対応も良くて、本店のことを根掘り葉掘り聞いちゃいました。というわけでGWにさっそく行ってきました。

この店には基本的にメニューがなくて、ストップというまで料理が出続ける、串揚げ屋タイプの店。でもその心は串揚げ屋とは違っていて、ざっとまわりを見渡すと同じ料理がどのテーブルにも並ぶ。一度にたくさん調理することで、テーブルの人数が少なくても関係ないし、仕入れも安定し、食材を無駄にしないで旬のものを提供できるからとのこと。嫌いな食べ物もなく、シェフのおすすめのものが食べられるこの店のスタイルがひと目で気に入ってしまいました。

さて、GWの初日の割と早い時間だというのに、8割方埋まっていて、それも地元の人っぽい家族三世代の団体さんも多い。最初に出されるのはどのテーブルも同じく、定番の「大山地鶏のロースト カブの甘酢漬け添え」。パリっとした大山地鶏は冷えていても柔らかくてうまく、すっぱいカブが食欲増進に。

二品目は「黄ニラと金華ハムの塩炒め」。黄ニラは火加減ちょうどよく歯ごたえを残し、金華ハムの風味と塩加減の絶妙さがたまらない。

「フカヒレと衣笠茸のスープ」。私はまだまだフカヒレのうまさがわからない。。。この機会に復興したら気仙沼のフカヒレを食べて旨さを知ろう。

「金時草(きんじそう)の塩炒め」。金時草は加賀野菜だそうで、空芯菜のようなシャキシャキ感があり、塩炒めに最適。噛むとちょっと粘り気があって、加減のよい独特の味も。

「海老団子とそら豆の炒め物」。アツアツでふわっふわの海老団子に季節のそら豆。

「蝦夷鹿のカシューナッツ揚げ」。この店で一番印象深かったのはこれ。蝦夷鹿のような若干固めの癖のある肉を、薄く伸ばしてたっぷりのカシューナッツをまぶして揚げたもの。それを塩で。噛めば噛むほどと蝦夷鹿の肉の旨味がじわじわとでてくるし、香ばしさもスバラシイ。

「定番のシューマイ」は大きくてジューシー。持ち帰りもできるらしい。

シメは麺か炒飯かと言われて「炒飯」と言ってしまったんだけれど、後々考えれば麺にしておけばよかった。でも炒飯もいわゆる定番中の定番の炒飯で、チャーシューとネギ、卵の黄金の組み合わせ。こういうあたりまえのウマさがこの店の素晴らしだと思う。

なんで麺にしておけばよかったかかというと、ここには翡翠麺と呼ばれる見たことがない緑の麺があるから。この写真は高島屋デパ地下内の「龍口酒家」にある「里麺(りーめん)」なんだけれど、麺にはクロレラが練りこんであるらしい。食べてクロレラかーと思えるほど特徴的な風味は感じはしなかったんだけれど、つるつるとしっかりとした冷麺のような麺はなかなかうまい。そこにチャーシューとネギとザーサイをちょっと辛味をつけて混ぜてあるのが絶妙。

もうひとつ、高島屋デパ地下から、日替わりの坦々麺のセット。ザーサイにシューマイ、バンバンジーにマンゴープリンまでついて1000円行かなかったと思う。麺は同じ翡翠麺。

びっくりするくらい寂れた駅ビルの地下街にあるんだけれど、ここだけは賑わっていて、地元の人で溢れている。嫌いな物がない人なら、このお任せメニューに満足するはず。予算はひとり5000円行かないくらいかな。ランチはもっとおとくなセットがあるみたいなので、土曜の昼に脚を運んでみようと思う。混んでいるのかな。

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銀座「飄香(ピャオシャン)」の四川料理 9点

小田急線沿線に引っ越してきてからもうすぐ3年。代々木上原の四川料理「飄香(ピャオシャン)」にはずっと行きたいと思っていたのに結局行く機会がなかった。そんなことをしている間に銀座三越新館に支店ができて、「あーあ、支店出すとたいてい良くないんだよなぁ」と思いながら、代々木上原の店に行く前に銀座の店に行ってしまいました。結論から言うと、かなりおいしくて、雰囲気も良く、ゆっくりとでき、大満足でした。銀座三越新館からは皇居まで見渡せ、銀座を見下ろすというすてきな眺め。17時なんて言う早い時間に入ってしまったものだから、夕焼けもきれいで、店もガラガラ。

ここのところ食が細くなってしまったのでコースはやめて単品注文。「飄香お楽しみ6種盛り」の前菜はこれで1人前2100円。右上から時計と反対周りに以下。印象的なものだけコメント。

  • 山芋とセロリの四川ピクルス
  • クラゲと睡蓮菜の赤酢ソース和え
    睡蓮菜は大変美容にいいらしい。クラゲがうまい店って信用できる気がするんだよね。
  • 金柑とクワイ
  • 蒸しなす、ピータンの唐辛子黒酢ソース
    ピータンの黄身部分が驚くほどクリーミーだった。自家製唐辛子ソースはさほど辛くなく他の食材とも合わせてみたくなる。
  • 四川名物よだれ鶏
    これはうまかったので、次の写真で。
  • 鴨のスパイス煮唐辛子ジャム掛け
    オレンジのジャムという組み合わせなのに自然。

これがこの店の名物の酔っ払い鶏。ふっわふわで後から残る辛味が品が良い。こんなふうに出てくるから忘れていたけれど、この店は四川料理だった。辛い料理はどれもガツンと来る辛さではなく、後からじんわり来る辛さ。汗を拭き拭きというより、ほほ笑みを浮かべて食べる四川料理って感じ。

「天使の海老」のスパイシー炒め2940円。大皿でどーんと来たので興奮してしまいました。下に敷いてある唐辛子は食べられません。かなり入っているから辛いかと思えばこれも上品。海老は胴体の部分のみ殻を剥いてあるんだけれど、頭と尻尾はそのまま。串に刺さって揚げてあり、頭からカブリと行くと、濃厚な味噌が行儀悪く溢れ、それをこぼさないように吸うのが幸せ。海老の素材も確かでぷっりぷり。ナッツやネギも一緒に揚げてあり、箸休めにいい。パクチーは大胆に茎ごとで、かじることで一度味をリセット出来る。だから何度、海老の頭をかぶりついても初心に帰れる!

迫力加減をアップで。

季節の野菜炒めは油麦菜(ようまいさい)。初めてであった中国野菜でしたが、これがとてもうまい。茎部分はブロッコリーの芯のような柔らかくて甘みのある食感、葉の部分はなんだろうなー、ギョウジャニンニクのようなみずみずしい。火の通し加減もにんにくの量も絶妙。この油麦菜、空芯菜のように5年後には日本には普通に流通している気がする。

坦々麺。汁なしでした。「辛いですけれどいいですか?」と言われたけれど、それほどでもなかった。もちろん後味にじんわりとは来るんだけれど。肉味噌はカリカリとしていて他の店にない初めての感覚。私は四川飯店の汁なし黒ごま担々麺のような辛味もゴマもきっちり効いているのが好きなので、銀座や代々木上原のマダム向けっぽくて物足りなかったです。

この店に来て、代々木上原の店に行かなくちゃいけない気持ちが高まりました。お店の人がきちんと説明できる人とできない人がいることや、注文を聞きにくるタイミングがいまいちとか、いろいろ課題はあるけれど、素材もよく、代々木上原と違ってすんなり入れることもあり銀座では使えそう。特にランチは1500円程度で食べれるみたいなのでまた行ってみよう。

この日は、お酒はなしでふたりで1万円弱とそれなりに手頃。飲み物は凍頂烏龍にしたんだけれど、茶葉も期待を裏切りませんでした。蓋ずらしながら飲むのってなんだか楽しいんだよね。

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三宿「香港麺 新記 三宿本店」の牛バラつゆなし麺 9.5点

ふらりと香港に出かけている友達をTwitterで見て、うらやましくてたまらなかったぽちです。きっと食べるものは何でもおいしかったんだろうなぁ。悔しかったから香港料理を食べに行ったんじゃないですよ!いや、心のどこかでいいなぁと思っていたからかも・・・。

池尻大橋のギャラリーまでぶらぶら歩いて出かけたついでに、前回も成城学園前の「成城風月堂」を教えてもらった雑誌「世田谷ライフ」に載っていたこの店に行ってきました。お店に入ったのはお昼過ぎ14時ということもあってお客様はまばら。雑誌にも載っていた「牛バラつゆなし麺」830円を迷わず注文しました。それがこれ。うまそうでしょ!うまいんです。

香港麺とは、日本のモチモチした麺と違って、とても細くてしっかり歯ごたえがあり、時間がたっても伸びないクセになる麺。雑誌によると、塩漬けしたあひるの卵の白身を練りこんであるそうです。だから独特の香りがしたのかなぁ。牛バラはホロホロと柔らかく、味付けはかなり濃い醤油味。パッと見ると焼きそばのように見えますが、炒めてあるわけではなく、麺にタレを和えて具を載せてあるんです。私にはなんだか新鮮でした。

麺は、香港麺ではなく、日本麺も扱っていて、どちらかを選べるそう。複数で行ったら、いろんな料理を香港麺と日本麺でいろいろと組み合わせてみたらいいかも。

出されるときに、ラー油をかけて食べるといいって言われたんだけれど、すっかりそのままで食べてもおいしくってその言葉を思い出したのは最後の最後だった!それでもラー油をたっぷりかけていただくと、ピリっとした深みのある辛さが加わってこれはうまい!このラー油、お店でも売っているみたいなので、今度行ったら買ってみよう。流行りのラー油と違って、ラー油そのものの旨さを感じられます。

麺はスープ入りの麺もかなり充実しているよう。つゆなし麺もまだまだ種類があるようなので、今度また食べたいな。300円台から500円台で手軽に食べられる小皿料理も、かなりおいしそうだし、黒板に書かれた季節野菜の炒め物も魅力的。今日は、空芯菜や黄ニラがあって頼もうか迷ってしまうくらいでした。夜も遅くまでやっているようなので、ふらりと会社帰りに田園都市線方面の人とご飯が食べられたらいいなぁと思いました。また行こうって強く思える店でしたよ。

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神楽坂「芝蘭(チーラン)」の酸辣湯麺 9点

先週の「チューボーですよ」が酸辣湯麺(サンラータンメン)だったんですよ。巨匠の店のひとつが芝蘭(チーラン)で、銀座ですごくおいしかった思い出があったので行ってみることにしました。すると、私が前回銀座のお店を訪れたときは、ビルの改装工事で閉店間際。「最後のコース」を食べて、四川料理のおいしさに感動したはずだったのに、その銀座のお店も先月なくなり、今は神楽坂とLou Ronと言う店になったとのこと。銀座での感動を追い求めて、神楽坂に行ってきました。

ランチの予約はコースの注文が必須なのは最初はどうかなぁと思ったのですが、どうもサービスランチが大盛況のようで店はごったがえしてました。広い個室に案内されてお店の人との会話も楽しみながらゆっくり食事もできたので結果的には予約してよかったです。コースは3900円の「神楽坂 芝蘭ランチコース」。「チューボーですよ」で取り上げられた酸辣湯麺がどうしても食べたかったので相談したら、最後の坦々麺は快く変更してくれました。

前菜は中華くらげの酢の物。くらげは普段中華料理屋で食べるものより太くて歯ごたえはやさしくしっかりあり美味。

海老とエリンギ、金針菜の塩炒め。葱と生姜が効いていてふつうにうまい。こういう普通の塩炒めがうまいことは中華の大前提。金針菜は大好きなのでもっとたくさん食べたかったな。


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手作り餃子対決 赤坂璃宮風VS浅草龍圓風!

先週末、我が家にて餃子好きが集まり、皮から作る餃子を2チームに分かれて味を競う、餃子祭りが開かれましたー。過去10年分のdancyu餃子特集をあさり、赤坂璃宮のレシピと浅草 龍圓のレシピに私が勝手に決定。3人対3人で競いましたよ。

餃子対決

こちらは龍圓チームの具。野菜は水分をきっちり絞るとか、白くなるまでよく混ぜるというのはどちらのレシピにも共通している。200gの豚肉で約30個できるらしい。

餃子の具

こちらは赤坂璃宮チームの具。野菜は水気を絞って直前に入れるらしい。なんと110ccものチキンスープが入っている。だから具はこの時点でかなりとろとろ。これが食べた時のジューシーさを生み出すというわけ。

餃子の具

龍圓チームの皮作り。こちらのチームは強力粉メインで1/5程度の薄力粉が入っている。ツルンとなめらかな皮がウリ。革を伸ばす作業は男子中心。予想以上に力を使うみたい。

餃子の皮づくり

こちらは赤坂璃宮チームの皮作り。米粉が入っていることで、伸ばしづらい様子。力もかなり使うし、なかなか丸くできなくて苦戦している。

餃子の皮づくり

これは包んだ状態の龍園の餃子。小さい頃から餃子包といえば私の仕事だったので、見た目がキレイに包むのは得意なんだー。親にほめられたのをよく覚えている。皮から作る手作りの餃子は、一般の餃子より一回りサイズは大きめ。

包んだ餃子

焼きあがった龍圓チームの餃子。皮はモチモチしていて、手作りならではのうまさ。肉もジューシーで旨い。見た目もきれい。

龍圓チームの餃子

こちらは赤坂璃宮チームの餃子。具にスープをたくさん入れたので、噛んだ瞬間においしい肉汁がジュワーッとしみだして来る。そして皮は米粉が入っているからかパリっとしている。見た目はちょっと焦げているけれど、味はどちらもびっくりするくらいうまく、甲乙つけがたし!

赤坂璃宮チームの餃子

ゆみちゃんが手作してくれた手作りラー油入りのつけダレ。カリカリになったオニオン、ニンニク、桜えびの食感がたまらない。特に桜えびのうまみがスバラシイ。

この勝負、イーブン!どちらも驚くほどうまく、次回もやろうという話になりました。ビールを軽く飲みながら作り、お腹いっぱい餃子を食べてひとり1000円かからない安さ。餃子はやっぱり安くてうまいのが魅力だよね。ただ、皮作りは予想以上にしんどく(私は伸ばしていないけれど)、この時間と手間は避けられない。時間をかけてわいわいやりながら作るのが楽しいんだけれどね。この皮はお店で売っているものよりはるかにうまいから、手作するだけの価値はあるんだよなぁ。

また餃子祭りをやろうと思う。100点のうまさだとは思ったけれど、120点に出来る課題もいくつかみつかったよね。米粉を入れるときの水加減は難しいとか、スープはいちからきちんと作ればもっとおいしいはずだし、羽づくりにも挑戦したいね。

年末までにもう一回やろうと思うので、また餃子メンバーうちに集まって!