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【東北特集】弘前「ダ・サスィーノ」のランチ 9点

前回の続きより。
「リゾートしらかみ」で秋田を出て、ぐるっと五能線を回って弘前へ。美しい日本海の海岸線や白神山地を見ながら、ぽかぽか日差しの差し込む車内でうとうと。外はまっしろの雪景色でまぶしいくらいでした。写真は津軽富士とも言われる岩木山とリンゴ畑。こんな景色を見ながら、車内では津軽三味線と津軽弁の語り部が登場すると言う、なんともまあリゾートな列車なんです。
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これは先月のdancyu。新潟駅の乗り継ぎ時間に購入したのですが、この表紙のイタリアンの店、なんとこれから行く弘前の店なんです。速攻で予約して行ってきたのが、この「ダ・サスィーノ」です。
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場所は弘前駅からタクシーで10分ほどの大学の真ん前。ちょっとわかりにくいですが、入ってしまえばまるで恵比寿か代官山かって雰囲気のイタリアンです。まずはスパークリングワインで乾杯。
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私は、前菜とパスタとメインの3500円のコースを注文。値段も決して安くなく、西麻布価格。前菜は軍鶏ロックのレバー。レバーにはサクサクとしたパンと蜂蜜がかかっていて、普通のレバーより一段と濃厚で口当たりのやさしいレバーとぴったり。口に入れた瞬間にこの店の力量が分かってしまう、そんな前菜です。写真には載せませんでしたが、別添えのパンもすべて自家製。種類も豊富で小麦の味がたまらないです。
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雪中にんじんのスープ。にんじんが雪の中にいることで甘くなるそうです。何も言われずに食べてしまえばかぼちゃと間違えてしまいそう。この店の食材は80%が自給自足。東京じゃできないからこそ、この地に店を開いたそうです。こういうおいしいにんじんを収穫してすぐに調理できるのって本当の意味の贅沢ですよね。私の両親が畑で育てた野菜を食べさせてくれるのですが、まさにこの野菜のおいしさは同じ贅沢です。
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パッパルデルのボロネーゼ。パッパルデルはかなりふといパスタで、横幅2センチくらいあります。こんなおいしいお肉で作ると定番のボロネーゼもごちそうだよ。
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詰め物をしたウズラのロースト。ウズラは肉が締まっていて、野性的な味。皮もぱりっとグリルされていて、くるくると丸めた中にはクルミが入っていて、食感も良し。付け合わせのじゃがいものローストの加減もなかなか。これはうまい。
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こちらは母に出された、金柑のコンポート。毎年、母が煮てくれる金柑を思い出します・・・・と言ったら煮てくれました。小腹が空いたときに金柑はおいしいよね。
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私のは、リンゴのミルフィーユ仕立て。かりかりのリンゴとコンポートにしたリンゴがなかなか。さすがリンゴの国です。
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総評ですが、こんな店が私の家の近くにあったらいいなぁって思いましたが、ここは弘前!弘前のイタリアン好きに重宝されつつ、東京からもたくさんの人が来るんだろうな。残念だったのが、「dancyu見てきたんです!」って言ったのに、店主がひと言も挨拶にも来なかったこと。あんなに狭い店なんだからちょっとくらい席を回ってきてくれてもいいのに、そういう気遣いがないところが残念なところです。
シェフ以外はどうもどんくさく、サービスの質はいまいち。そこばっかりはここは弘前だなって感じてしまいました。普通のコーヒーが置いていなく、エスプレッソが苦手な母に、「エスプレッソをお湯で薄めましょうか?」とは目がまん丸になってしまいました。普通のコーヒーは弘前でなくても置いておいてもいいと思う。
そんなこともあったので9点と辛口ですが、青森に旅行に行くことがあれば、弘前まで足を伸ばしてここに行く価値は十分にあると思いますよ。サービスはこのブログを見て少しでも改善してくれればいいけれど・・・・。
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OSTERIA ENOTECA DA SASINO
弘前市本町56-8 グレイス本町2F
0172-33-8299
11:30〜13:30(L.O.)
18:00〜21:00(L.O.)
日曜定休

目黒「トラットリア・デッラ・ランテルナマジカ」のディナー 10点

ひさびさの10点店は目黒にあるイタリアン「トラットリア・デッラ・ランテルナマジカ」。いつも店選びの参考にしている友里さんの超辛口ブログで、めずらしく絶賛しているイタリアンだったんですぐに予約。その記事はこれ。記事にも書かれているけれど、まるでイタリアに来たかのような雰囲気。そうそう90年代に一世を風靡した「イル・ボッカローネ」や「ラ・ビスポッチャ」を彷彿とさせます。ホイチョイの「いい店やれる店」を思い出す人は35歳オーバーですね(笑)。私はこの本もコレ系の店も大好きです。
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コレ系の店と言うのは、イタリアの店をそのまま持ってきたような活気ある店で、黒板に書かれたメニューはイタリア語、店員はイタリア人またはイタリア語ペラペラ、装飾はイタリアもの、一番大事なのは、料理がちまちまと懐石料理みたいになっていなく、シンプルにどさっと盛りつけるところ。いわゆる本場のトラットリアです。前菜のカプレーゼを見て。イタリアから直送したモッツァレラとトマト、それにバジル、良質でたっぷりのオリーブオイル、それに甘みも感じるような塩と胡椒。こういうシンプルなものを美味しく出せるのはすばらしいです。
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もう一品前菜は、マテ貝のグリル。先日新橋で食べたマテ貝もおいしかったけれど、調理法のうまさはまったくかなわない。小ぶりのマテ貝を縦にまっぷたつに切って、香ばしくグリルにしたもの。アマルフィで食べたグリルを思い出すよ〜。共通点は磯の味を活かしたシンプルな味付けとレモンをたっぷり搾って食べるところ。
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プリモは2種。ちょっとわすれちゃったんだけれど、右はたしかウニの平打ち麺だったはず・・・。左は薫製のスカモルツァチーズトとトレビスのリゾット。この薫製のチーズってところがミソ。これ必食。
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メインはテールの煮込みにほうれん草を添えて。ホロホロとくずれる肉がたまらない・・・。でもマテ貝の調理法が美味しかったので魚介にしておけば良かったな。
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お店の人とアマルフィの話で盛り上がったので、食後にリモンチェッロを軽く一杯。甘い。きつい。でもおいしい。
これでワインを一本空けて、ドルチェも食べてひとり1万円はしないからかなりリーズナブル。ただ予約は取りにくく、来年には3カ月先くらいまで予約できない店になっているんだろうなぁ。美味しい物好きでがやがややるのに最適です。
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トラットリア・デッラ・ランテルナ・マジカ(TRATTORIA DELLA Lanterna Magica)
品川区上大崎2-9-26 T&H Memory 1F
17:30〜23:00(L.O)
日曜定休

トラットリア・デッラ・ランテルナ・マジカ (TRATTORIA DELLA Lanterna Magica) (イタリアン / 目黒)
★★★★★ 4.5

【南イタリア特集】ナポリ「Di Matteo」のマルゲリータ 10点

ごぶさたしています(笑)
イタリアへ行った夏休みから1ヵ月。やっとこさ、現実の生活になじんできた感じです。これが最後のイタリアの記事です。
ナポリの最後の日、やっぱりもう一度ピザが食べたいと思い、朝を抜いて早めのランチに。治安の悪いナポリ駅からスパッカ・ナポリと言う、細い路地が続く旧市街地へ。対面通行ができないほどの細い路地の両サイドは昔ながらのアパートが建ち並び、延々と続く商店街。細い路地からは突然ステキな教会や広場が見えたりして、なかなかステキな街。
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そのスパッカ・ナポリのメイン通りにある「Di Matteo」へ。ここも「Da Michele」同様にピザ専門店。これがメニュー。マルゲリータだけで10種類もあり、ただのマルゲリータならなんと3ユーロ!というわけで、やっぱりマルゲリータと、ここの名物揚げピザPizza Fritta、それにビールを注文。
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これがマルゲリータ。皿が見えません(笑)サイズはかなり大きく直径30センチほど。生地は厚めで、やっぱりモチモチ、トマトがフレッシュ。正直「Da Michele」とどう違うのかあんまりわからなく、わかることはとにかくうまいってこと。立ち上る湯気は私を興奮させるし、もうあわてて口に運ぶものだからオリーブオイルまみれだし。マルゲリータの海でおぼれたい・・・って思うくらい(笑)
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こっちは揚げピザPizza Fritta。ほわーっとふくらんでいてピザとは違う揚げ物の香ばしさが食欲をそそります。
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割ってみると中はほとんど空洞で、トマトに、リコッタチーズかな、それにベーコンのような脂身の多い豚肉。ピザの生地の肉まんみたいな感覚なのかな。1つでおなかいっぱいになります。
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スパッカ・ナポリを抜け海へ。歌でも有名なサンタルチアを抜けケーブルカーで丘の上のサンテルモ城へ。この写真はそこから見たナポリの街。右手にナポリ湾、その奥はヴィスヴィオ山。新市街へまっすぐ続いている道が、「Di Matteo」の前のスパッカ・ナポリのメイン通り。ナポリ駅付近ではもう二度とナポリなんて来ないって思ったけれど、有名な言葉「ナポリを見てから死ね」の意味をやっとここで理解できました。また行かなくちゃ。
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で、夜の便でミラノ経由で日本に帰ってきたんですけれど、東京駅でまっさきにお出汁の効いたおうどんをいただきました。あんなに大好きなイタリア料理もさすがに食傷気味に。だってどんな料理にも必ずオリーブオイルが使ってあるんですもの。油の使っていない日本の料理が恋しかったんです。でも今じゃあのマルゲリータが恋しくてしょうがないんですけれど。
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Di Matteo
Via dei Tribunali 94
081-455252

【南イタリア特集】ナポリ「Mimi alla Ferrovia」の魚介のリングイネミミ風 10点

南イタリアを9日間まわってきたこの度もこの日が最後の夜。ナポリの魚介を食べないと・・・と訪れたのがナポリ駅から5分ほどの場所にある「ミミ」というレストラン。ここも「ベッラ・ナポリ」の店主に教えてもらいました。
店を入って目の前に魚介がずらり!一目でうわっ!期待できそう。量が多そうだったので私は前菜をパスしてプリモへ。メニューはイタリア語、英語に加えて、日本語もあるので便利。イタリア旅行9日間にしてこんなわかりやすいメニューは初でした。英語があるだけでもうれしかったのに・・・。プリモはこの店のおすすめ「魚介のリングイネミミ風」!お皿が来た瞬間に「おいしそ〜、サイコーすぎる〜」と奇声を発してしまいました。長細いのは東京湾でも取れるマテ貝、あさりにスカンピ、ムール貝。ベースは基本のトマト。魚介の出汁がリングイネにたっぷり染みこんでうまい〜。貝類は火が通りすぎているわけではなく、ちょうどいい加減。ピザに続き、ナポリに来て良かったパート2です。
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こちらはメインの「タコのトマト煮込み」。タコをこうして普通に食べるのはイタリア人と日本人くらいなの?タコは火を入れてもまったく硬くなくやわらか。油がかなりきつく、白いご飯がほしかったよ。タコを食べない国の人が見たら、気持ち悪いんだろうな。
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こちらはもう一つのメインである「魚介のスープ」。ナポリの魚介のスープは水分が少なく、魚介そのものを食べるもの。ベースの味は「魚介のリングイネミミ風」とほぼ同じ。どうしたらこんな風に魚介の出汁がスープにしみ出すんだろう。魚介を築地で仕入れて家でも作ってみようと思う。
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この日は、ヴェスヴィオ周遊鉄道で約40分、ポンペイ遺跡に行って来ました。1700年間にヴィスヴィオ火山が大噴火を起こし、このポンペイの街は一瞬にして火山灰の下に・・・。風向きが悪かったらナポリの街が埋まっていたそうです。火山灰の下は当時の文化がそのまま埋まっているんです。
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石畳には馬車のわだちがそのまま。1700年前のわだちだなんて、背筋がぴんっとしてしまいます。
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生活は今とあまり差はないそうです。大きな闘牛場、劇場、スポーツジム、居酒屋、浴場・・・。この写真は二つある内の大きな方の劇場です。
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急に降ってきた火山灰から逃げられずにそのまま埋まって死んでしまった人たち。腐敗した死体は跡形もなく、固まった火山灰の中で空洞になっていたそうです。その空洞に石膏を流し込んだ、当時そのままの像。逃げる暇もなかったほどなんですね。
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ポンペイ遺跡はあまりにも広いので要注意。水は必ず持っていくこと、あと野犬に注意ね。
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Mimi alla Ferrovia
Via Alfonso d´Aragona 21
081-5538525

【南イタリア特集】ナポリ「Da Michele」のマルゲリータ 10点

アマルフィから高速船1時間半、ナポリへ。左にカプリ島を、右前方にはヴェスヴィオ火山、前方は大きな街ナポリ!今まで小さい街ばかりを回っていたので、ナポリの街がなんて大きく見えること!でもホテルのあるナポリ駅近くは、二重駐車が当たり前、クラクションが鳴り響き、街はゴミだらけ、バッタ物を売る露天がいくつもあり、ホコリっぽく、「アマルフィに帰りたぁぁぁい!」と叫んでました。
そんな私をにっこりさせたのはピザ!それもナポリのピザ!
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「ダ・ミケーレ」は、ナポリ駅から5分程度の汚い路地にあるピザのみの店。メニューはピザ2種のみでトマト、モッツァレラ、バジルの「マルゲリータ」とトマト、ニンニク、オレガノのマリナーラ。サイズは「大」「中」「普通」の3種、サイズに「小」がないのが笑えるよね。写真は「マルゲリータ」の「中」、4ユーロ!。直径は約30センチ!「中」なのにでかいよ!飲み物も、水かビールかコーラ。イタリア人でもやっぱりピザにはビールなんだね。
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イタリアを通して思ったこと、それはオリーブオイルとトマトがびっくりするほどおいしいこと。このトマトソースも甘酸っぱくて味が濃くてすごくおいしい。モッツァレラはとろとろに溶けて糸を引くほど。そして生地はモチモチしていて小麦の香りがふわっと鼻を抜けるんです。熱〜い、うまーーーい!ピザから湯気が出るほどのアツアツなんです。コルニチョーネと呼ばれる縁の部分には焦げ目もあって、日本で言うお焦げのような感じ。ここを残さないで食べるのは鉄則だそうです。
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店はかなり混み合っていて、まずは番号札をもらって店の外で待つこと。私の数字は「79」でも英語でなんて呼んでくれないから、「地球の歩き方」の裏の方で数字をチェック・・・と思ったら70代なんて載っていないよ〜。まわりをきょろきょろしながらノリで入れました。ナポリのピザやなんかじゃ英語なんてこれっぽっちも通じやしない。
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店内の釜。約1分で焼き上がる。このピザが10点じゃなかったら何が10点なんだっていう味です。店の対応とか、狭さとか、もーそんなの吹き飛ぶ味ですから。
あんなにイヤになってしまったナポリの街も、ピザ一枚で印象ががらり。この店は森下の「ベッラ・ナポリ」の店主が教えてくれたのですが、思った以上に「ベッラ・ナポリ」のピザが、ナポリのピザの味を忠実に再現しているんだなとびっくりしました。再現できていないのは、ピザのサイズと値段かな・・・。ナポリでは、ビールとマルゲリータ一枚で700円くらいですから1/3くらいの値段です。
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Da Michele(ダ・ミケーレ)
Via Cesare Serale 1
081-5539204