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西荻窪「食べごとやのらぼう」の野菜中心のおもてなし料理 10点

ずっと行きたかった西荻窪の「のらぼう」へ。最初に言っておきますと、この店の料理、おもてなし、雰囲気、インテリア、私好みで10点です。こういう店を探していたんだよなぁ。

今回はアラカルトでなく、いろいろな料理がすこしずつたべられるコースメニューの「の」で。「の」は一番おてごろ価格の3500円。でもボリュームは十分。まずはお通しで「法蓮草のナムル」。ほうれん草は三鷹産とのこと。ほうれん草だけでなく、にんじん、豆もやしもたっぷり。一口食べた瞬間にぐっと引きつけるこの味付けはなんだろう。ごま油と塩コショウ、みりんだけではこの味は出せないはず。席には春を感じさせるこでまりの花が。私の家でも使っている柳宗理の醤油差し、センスのいい楊枝、馴染んだカウンターに白の食器が生える。このお通しの器はなぜか野球選手の柄だった。使い込んであって手に馴染んで器もいい。気になるのは段ボールで作られたメニュー。うまいことこうやってつくるよなぁ。

奥がスペアリブと大根のあっさり焚き。手前は初鰹のたたきサラダを新たまねぎで。私の座った席はカウンターの火を使う厨房の目の前で、料理が出される課程をずっとみることができました。スペアリブと大根は煮こんでタッパーにしまったものを温める分だけ蒸し器に入れ、取り出す1分前にプティベールを投入。スペアリブは箸をそっと入れるだけで身がホロホロと外れるほど柔らかく、三浦大根は驚くほどやわらかくやさしい。出汁も一滴残さず飲み干しました。

初鰹は焼津の物。私は冷えて冷たすぎる刺身が嫌いんだけれど、ここの刺身は常温。ここだけでグッと気に入ってしまった。この時期の新たまねぎは甘くてうまいです。

地野菜とお豆腐のサラダ。何品目入っているのか聞いていたところ、20はあるんじゃないかとのこと。私がわかったものだけ並べてみました。

生野菜

  • 大根
  • レタス数種
  • ネギ
  • インゲン
  • ブロッコリー
  • 水菜
  • 妙に葉が起毛していた野菜(よくデパ地下でみる)

揚野菜

  • レンコン
  • さつまいも
  • にんじん
  • ごぼう

フルーツ

  • いちご
  • グレープフルーツ
  • キウイ

その他

  • おじゃこ
  • 豆腐

このサラダが驚くほどうまい。味付けしているカウンターを見ていると、下ごしらえした野菜にみりんのようなもの?で敢えてから豆腐とおじゃこを載せ、たっぷりとゴマのドレッシングを掛けている。揚げチップスは冷凍庫から出していたような気がするな。私も揚げチップスをサラダに入れてワンランク上のサラダを目指したいな。

にんじんとナッツのかき揚げ。最近、私もにんじんのかき揚げはするんだけれど、組み合わせは桜えびにすることが多かったんだけれど、ナッツとは思いつかなかった。このナッツ、おそらくかぼちゃの種ともう一種類なにか入れているみたい。キレイに束ねて揃えてから揚げているのは私もまねしてみよう。にんじんは甘くて味が濃い。いつもついつい安いにんじんを買ってしまうけれど、さほど値段も変わらないんだから、色も濃い土の香りがする人参を買うことにしよう。

衝撃的なおいしさだったごまとさつまいもの玉子焼き。これは目の前で調理していたんだけれど、卵にかなり多めの黒ごま、それにみりん、焼いている最中に蒸かしてざっくりきざんださつまいも。さつまいもと黒ごまって合うんだなぁ。卵焼き器にはたっぷり油を入れて鍋をじっくり温めて、一度油をあけてから調理していた。最後にそっと巻きすで整形していたのも仕事が細かい。

締めのごはんは、牡蠣と牛蒡の炊き込みご飯。これも厨房をのぞき見したんだけれど、ささがきにした牛蒡と牡蠣を甘辛いタレでかなりの強火でワッと煮込み、その煮汁のみでまず炊き、仕上げに上に具材を載せ、菜の花とごまを添える。小粒のしっかり味の詰まった牡蠣を使っていて、炊き込みご飯向き。食べきれなかった分はおにぎりにしてくれた!こういう細かい気遣いがスバラシイ。

その炊き込みご飯を一膳分もってくれたとこおろ。すべてが私好みの器というわけではないのだけれど、普段使いの器を少し欠けても大事に使っているところや、使い込んでこそ味が出る器の使い方、私が大好きな民藝の精神を自然と取り入れている気がした。

一緒に注文した漬物。こんなに品目があるとは。わからない野菜が数多かった。切干大根がお気に入り。

私はもうお腹がはちきれんばかりだったので注文しなかったけれど、具沢山の味噌汁。この味噌汁と漬物とごはんだけでも十分ごちそうだよ。

地の野菜を数多く使って、野菜の旨さを引き出している。野菜嫌いの人にはこういう本当においしい野菜を食べて本当に味のする野菜を知ってほしいな。味は全体的に濃いめだけれど、外で食べる食事はちょっとくらい味が濃いほうがいいと私は思います。

お酒の種類も多く、お酒が苦手な人でも楽しめるようなソフトドリンクのメニューもあり、ただの居酒屋という感じではない。

お店の人のマルチタスクで仕事をさばく感じは、カウンターから見ていると尊敬するレベル。ここまでマルチで仕事が出来れば、料理人じゃなくてもどこでもやっていけます。どの人も白いシャツをパリッと着こなし、清潔感があり、どの人も感じがいい。おいしい野菜を食べて欲しいという情熱が伝わってくる。こういう店こそ私が10点にしたい店です。

難点をひとつ言えば、カウンターの椅子が硬くておしりが痛くなっちゃいました。それくらいかなぁ。

またぜったいにいく!

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銀座「京都花背 石楠花」のすみれコース 8.5点

京都花背の名旅館「美山荘」の中東さんプロデュースの店が銀座にできたというので来訪。「美山荘」には一度は行ってみたいと思っているあこがれの旅館、そしてご兄弟の中東さんが銀閣寺前でやっている「草喰なかひがし」は、ここ数年訪れていないけれど、この店のために京都に通っていたくらい大好きな店です。

この「石楠花」は銀座三越新館の12Fでデパートの上ということもあってさほど高くない。今回は一番安いコース「すみれ」5800円に。まずは一献は「蕗の白和え」。早春の蕗の香り、こんにゃくの食感、椎茸の旨み。そこに京都の日本酒をひとくち。食欲が促進されるひとくちめ。

椀は堀川牛蒡の葛寄せ。上には芽甘草。器もなかなかステキ。上品な白味噌に堀川牛蒡を丁寧におろして葛で寄せて揚げたもの。

向付けは、本マグロと浅ネギ、ウド、そこに辛子味噌、上にはノビル。春を感じさせる野菜たちをうまく使っている。外は寒くても料理はすっかり春です。

八寸は、ウルイと浜防風の和えた物(ガラスの器)、稲荷寿司、鰯の鈍刀煮、砧巻きに柚子味噌、中央の新芽のようなものは福岡の蕾菜、白魚の天ぷら。蕾菜は初めて食べたのですが、春の山菜のようなエグ味はまったくなく食べやすい甘い新芽。今度八百屋で見つけたら買ってみよう。大好きなウルイはほんの少しでもシャクシャクとした食感、春のうまみ、十分感じられました。浜防風ってどんな野菜かなと思って調べたら、たまーにデパートに置いてありますね。これも今度買ってみよう。

焼き物は、鰆の吟醸焼き、海老芋の蒸し焼き、葉山葵。海老芋ってなんておいしいんでしょう。ほっこりねっとりしていて、これひとつでグラタンのような調理されたような完成された味。質のよい京野菜が手に入る機会があったら、私もこんなふうに蒸し焼きにしてみよう。

炊合せは、金目鯛の上に淡い雪のように蕪を落とし、菜の花、わらび、柚子胡椒を添え、餡を添えた物。金目鯛は普通、もう少し皮をパリっとさせて欲しかったな。蕪は何か物足りなかったなぁ。餡の薄さは丁度良かった。

食事は、魚沼産のお米に漬物、蕗味噌。ごはんはひと粒ひと粒が立っていて、炊き方には相当のこだわりを持っていることがわかる。「なかひがし」では煮え端のご飯を出したり、極上のメザシが出たりと、最後のご飯に対するこだわりはかなりあったが、ここはまだまだ。でもごはんはうまかった。

ご飯と一緒に出てきたほうじ茶の器には「高山寺」と書かれていて、鳥獣人物戯画の一幕が書かれていて、私の器は蛙と兎が相撲をとっている。ウィキペディアで調べてその場でわかったのだけれど、こういう説明、お店の人がちゃんとしてほしいなぁ。聞いてもあっさり答えて、そこに突っ込んで話題を提供することもない。

お菓子は金時人参のカステラ。

外はかなり広い席があり、季節がよければ食事もできそう。東京タワーがちょうど見えていいかんじ。

料理は5800円だと思えばまあまあだけれど、美山荘の名を語るのであればなってない。特にサービス、女将はトイレの場所を聞いてもさっさと答えて私がよくわからず聞き直す頃にはそこにいないし、他の店員も含めて空気を読む感覚が普通の懐石レベル。余裕が感じられない。東京の慌ただしいデパート上の懐石料理屋の粋をまったく出ていない。京都の素材を使ったお店の雰囲気はなかなか良い手頃な懐石がいただける店としてはいいと思うけれど、中東さんプロデュースと思って期待していくとがっかりする。厳しい意見なんだけれど、でもこの安さと居心地の良さならまた行ってもいいかな。今回はちゃんと予約して行ったけれど、予約せずにふらりとはいれそうなので、銀座では重宝するかも。そもそも銀座三越新館の12Fが全体的に空いているんだけれど大丈夫だろうか・・・。

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中津川「すや」の栗きんとん 10点

季節外れの食べ物になってしまったのですが、このお菓子が食べられるぎりぎり1月末にいただき、やっぱり10点だと思ったので春になろうとしているこの時期ですが記事にしました。

栗きんとんと言うと、お正月のおせちに入っているさつまいものペーストに栗の甘露煮が入っているものをイメージするかも知れませんが、私にとっては祖父母がいた松本の街で食べる竹風堂の栗100%の栗きんとんが栗きんとんだと思っていました。竹風堂の栗きんとんももちろん格別に美味しいのですが、この岐阜の中津川の栗きんとんは、栗以上に栗の味がする、食べた瞬間に瞳孔が開く忘れられない和菓子です。

箱も中山道の宿場街であったことを感じさせる粋な風情。6個1365円となかなか高価な食べ物ですが、一口食べれば来年も食べたいと思わせてくれる味です。

私はたまたま中津川出身の友だちがいるので、いただけることが多いのがラッキー。秋になったらまたおいしいものをうちで作りますので、栗きんとんを持って遊びに来てほしいなぁ。

栗の時期を迎えると、デパ地下で「すや」を迎えて売り出します。エスカレーターの脇の壁に宣伝広告が貼られるくらい百貨店では人を呼べる和菓子のようで、私も「買わなくちゃ!」って思わせてくれます。

このホロホロと崩れる栗より栗以上の栗きんとん、ぜひぜひ秋になったら入手して食べてみてください。お茶はちゃんといれてねー。

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銀座「飄香(ピャオシャン)」の四川料理 9点

小田急線沿線に引っ越してきてからもうすぐ3年。代々木上原の四川料理「飄香(ピャオシャン)」にはずっと行きたいと思っていたのに結局行く機会がなかった。そんなことをしている間に銀座三越新館に支店ができて、「あーあ、支店出すとたいてい良くないんだよなぁ」と思いながら、代々木上原の店に行く前に銀座の店に行ってしまいました。結論から言うと、かなりおいしくて、雰囲気も良く、ゆっくりとでき、大満足でした。銀座三越新館からは皇居まで見渡せ、銀座を見下ろすというすてきな眺め。17時なんて言う早い時間に入ってしまったものだから、夕焼けもきれいで、店もガラガラ。

ここのところ食が細くなってしまったのでコースはやめて単品注文。「飄香お楽しみ6種盛り」の前菜はこれで1人前2100円。右上から時計と反対周りに以下。印象的なものだけコメント。

  • 山芋とセロリの四川ピクルス
  • クラゲと睡蓮菜の赤酢ソース和え
    睡蓮菜は大変美容にいいらしい。クラゲがうまい店って信用できる気がするんだよね。
  • 金柑とクワイ
  • 蒸しなす、ピータンの唐辛子黒酢ソース
    ピータンの黄身部分が驚くほどクリーミーだった。自家製唐辛子ソースはさほど辛くなく他の食材とも合わせてみたくなる。
  • 四川名物よだれ鶏
    これはうまかったので、次の写真で。
  • 鴨のスパイス煮唐辛子ジャム掛け
    オレンジのジャムという組み合わせなのに自然。

これがこの店の名物の酔っ払い鶏。ふっわふわで後から残る辛味が品が良い。こんなふうに出てくるから忘れていたけれど、この店は四川料理だった。辛い料理はどれもガツンと来る辛さではなく、後からじんわり来る辛さ。汗を拭き拭きというより、ほほ笑みを浮かべて食べる四川料理って感じ。

「天使の海老」のスパイシー炒め2940円。大皿でどーんと来たので興奮してしまいました。下に敷いてある唐辛子は食べられません。かなり入っているから辛いかと思えばこれも上品。海老は胴体の部分のみ殻を剥いてあるんだけれど、頭と尻尾はそのまま。串に刺さって揚げてあり、頭からカブリと行くと、濃厚な味噌が行儀悪く溢れ、それをこぼさないように吸うのが幸せ。海老の素材も確かでぷっりぷり。ナッツやネギも一緒に揚げてあり、箸休めにいい。パクチーは大胆に茎ごとで、かじることで一度味をリセット出来る。だから何度、海老の頭をかぶりついても初心に帰れる!

迫力加減をアップで。

季節の野菜炒めは油麦菜(ようまいさい)。初めてであった中国野菜でしたが、これがとてもうまい。茎部分はブロッコリーの芯のような柔らかくて甘みのある食感、葉の部分はなんだろうなー、ギョウジャニンニクのようなみずみずしい。火の通し加減もにんにくの量も絶妙。この油麦菜、空芯菜のように5年後には日本には普通に流通している気がする。

坦々麺。汁なしでした。「辛いですけれどいいですか?」と言われたけれど、それほどでもなかった。もちろん後味にじんわりとは来るんだけれど。肉味噌はカリカリとしていて他の店にない初めての感覚。私は四川飯店の汁なし黒ごま担々麺のような辛味もゴマもきっちり効いているのが好きなので、銀座や代々木上原のマダム向けっぽくて物足りなかったです。

この店に来て、代々木上原の店に行かなくちゃいけない気持ちが高まりました。お店の人がきちんと説明できる人とできない人がいることや、注文を聞きにくるタイミングがいまいちとか、いろいろ課題はあるけれど、素材もよく、代々木上原と違ってすんなり入れることもあり銀座では使えそう。特にランチは1500円程度で食べれるみたいなのでまた行ってみよう。

この日は、お酒はなしでふたりで1万円弱とそれなりに手頃。飲み物は凍頂烏龍にしたんだけれど、茶葉も期待を裏切りませんでした。蓋ずらしながら飲むのってなんだか楽しいんだよね。

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祖師ヶ谷大蔵「コンディトライ・ニシキヤ」の祖師谷生ロール(いちご) 9点

世田谷に住んでいる人にはおなじみの情報誌「世田谷ライフ」の2009年のベスト・オブ・世田谷特集は未だに使える特集で、その後同じような特集もしたけれど、やっぱりこの号が良かったなって思ってます。その68ページのご当地ロールケーキ特集、以前にこのブログでも紹介した成城学園前の「成城風月堂」はあの後リピートしていますが、ひとつ新宿よりの祖師ヶ谷大蔵にある「ニシキヤ」も確実にリピートする名店です。

写真、iPhoneでの撮影なのでいまいちでごめんなさい。これは祖師谷生ロールの「いちご」で1本1150円。ノーマルなロールケーキも含めて数種類ありましたが、迷わずいちごに。生地はキメが細かくしっとりとしていて軽すぎず、ちょうどいい品の良さ。クリームには苺の果肉が入っており、さっぱりとした生クリームに苺をちゃんと感じることができます。プチプチしていたのはいちごの果肉?種?かな。そこがよかった。

The 世田谷なんですかねー。箱がすごいです。この店、昭和四年より創業、祖師谷で愛されてきた名店です。世田谷は、チャラチャラしたおっしゃれな店と、こういう老舗が共存していますが、こういう老舗は食べログでの評価以上に店はいつも混雑し、普段使いや、おみやげとして地元で重宝しているような気がします。私は弟の誕生日にと思って買ったのですが、ロールケーキは手頃な価格と、人によってサイズを変更できるところがスバラシイ!と思ってます。

私は2センチカットしました。食欲がなかったはずなのにペロリでした。いちごの程よい酸味も良かった。

初めて祖師ヶ谷大蔵という駅を降りたのですが、このケーキ屋含めて街の雰囲気を一度で気に入りました。ここで永住してもいいかもと思うくらい。梅ヶ丘にとってのアルパジョン、成城学園前の成城風月堂と行った街のみんなのケーキ屋です。こういう老舗のケーキ屋は朝も早く8時半オープン、夜も8時半までと何かと便利です。

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