【山形特集】酒田「満月」のワンタンメン 8.5点


出羽三山の羽黒山から再び鶴岡駅へ戻り、羽越本線を北上して約30分酒田へ。私にとってほとんどなじみのなかった山形だけれど、酒田と言えば歴史で習った「北前船」で有名な貿易の港として記憶の片隅に残っていました。江戸時代は、最上川から運ばれてきた紅花やお米が西回り航路で大阪へ行き、「西の堺、東の酒田」と呼ばれるくらい栄えたそうだとさ。歴史はこうやって学ぶとすんなり入ってくるね〜。
(もしそれでも酒田にぴんと来ないのであれば、「おしん」が奉公に出た町と言えばぴんと来る?ちなみに父である伊東四朗といかだで別れるシーンは最上川です)
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北前船時代の名残は街の至る所に見られ、お米の倉庫である「山居倉庫」は未だに現役。写真のケヤキ並木と二重の屋根で湿気のない低温の倉庫を実現できるらしいんです。紅葉の頃だったらもっとキレイだったろうに。
この酒田は、海が近いこともあって魚介系のスープで作る「酒田ラーメン」が有名。タクシーの運転手さん曰く、有名店はいくつかあれど観光客が多く、週末の昼時には行列ができることもあるとか。私も一番の人気店「満月」へ行ってみることに。
店内は座敷もあるかなり広い店で、家族連れからカップルまで幅広い年齢層でにぎわう街のラーメン屋。ラーメンを作るのも普通のおばちゃんで、東京のラーメン戦争なんて何処吹く風?と言った感じ。ゆるくていいよ、ラーメンはやっぱりこうでなくっちゃ。一番人気のワンタンメン650円を注文。
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これはラーメンなのか?っていうほどの魚介系スープ。そばやうどんと言われても異論ないスープに、中華麺、それにシナチクにチャーシュー、主役のワンタン。脂が浮いたスープだと熱くて猫舌の私はなかなか飲めないんだけれど、ここはそばつゆのようだからか、スープがぬるいからか、最初からぐんぐん飲める。ちょっとしょっぱいのが気になるが、こんなのも悪くないかも。
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メニューを見ると、予想通りそばやうどんも扱っていた!商店街の八百屋でも思ったけれど、やっぱり物価は安いなぁ。
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主役のワンタンはヒラヒラした部分が大きくて、肉はほんの一口サイズだけれど、予想以上の数がスープに隠れている。ワンタンは薄くて箸でつかむと確実に切れて、レンゲですくって食べないと無駄なく食べることができない。でもこのふわふわ、ヒラヒラのワンタンも悪くないかも。もし酒田に行くことがあれば、話のネタに酒田ラーメンでもいかがですか?山居倉庫から徒歩10分くらいです。
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最終日、鶴岡駅から家路につこうと待合所にいると、運良く「きらきらうえつ」がホームに。この「きらきらうえつ」その時にはよくわからなかったものの、あとから父に聞いたりネットで調べたりしたところ、人気のある臨時列車だそう。地酒を飲みながらくつろげる車内と、沿線の観光地と連結した観光案内がウリだとか。新潟から鶴岡までコレに乗れば良かったな。でも、旅は少しくらいやり残しがあった方が良いよね。
話は変わりますが、鶴岡と言うことで東京駅で藤沢周平の「蝉しぐれ」を購入。あまりにもすばらしい作品で未だにすがすがしい気持ちが残っています。主人公の青年が最初の試練を迎えたとき、私は羽黒山行きのバスの中。涙が止まりませんでした。きっとこの本は、自分とそこに生きる人を照らし合わせてしまうんでしょうね。鶴岡は藤沢周平の物語の世界が詰まった場所なんですね。
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満月
〒998-0855 山形県酒田市東中ノ口町2-1
0234-22-0166
11:00〜16:30


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